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攻めるために手放すこと『ピートラ』Vol.44

こんにちは。今回は機ちょーまさとが担当します。
実は先日、Zoomを使って全社発表をしました。『ピートラ』Vol.40ではガバナンスは「どこまで攻めるか」を定義することと考えましたが、今回はより具体的な施策の実行になります。今回の記事ではそのポイントと課題についてお話したいと思います。

https://note.com/people_pr/n/n744b5b5a63ff


新しいものづくりを最優先したかった……けど

そこに至る経緯を少し書きます。
Peopleは創業来、子どもの好奇心に向き合って来たからこそ、去年掲げたパーパスに至ったのですが、幸か不幸かロングセラー商品をたくさん世に送り出したことで、いつの間にかそれらを売り続けること=「維持」に人的リソースを使い切ってしまっている状況に陥っていました。

過去の『ピートラ』の記事でも何度かお話した通り、ロングセラー商品も一部手放すことを決断し、複数の新事業プロジェクトが立ち上がって進行していたまでは良かったんですが、社内のしくみが「維持する」ことに特化されていて、新しい事業開発には使いにくい!という声が、新事業プロジェクトのメンバーから次々報告されるようになりました。
例えば、外部パートナーの方とスピーディに仕事を始めたいのに、反社チェックや契約書の作成で滞ってしまったり、出張の申請やお金の精算などで結構な時間を削られてしまうなど(こういうところでも、Peopleは「維持」する会社にいつの間にかなっていたんだと気づきます)。

新事業チームは、今持っている売上はないし、いつ利益がでるかもわからないことをやって遊んでいるみたいに見られることがあったり、などなど。新事業チームは社内で肩身が狭くなりがち、という話をよく耳にしていはいましたが。今更ちょっとわかる……と思いました。
もちろん契約書やお金の業務の担当者に悪意があるとは思いません。ただ、今までやってきたルールや手順を真面目に守ろうとすると、新事業プロジェクトの仕事はこれまで通りのルーティンの範疇から外れるプラスアルファの仕事になるため後回しになりがち、結果的に新事業プロジェクトにブレーキがかかってしまうんです。
新規事業プロジェクトが立ち上がるだけじゃ不十分。会社全体のしくみと人が変わらないと目指している姿に進めない。

「維持する」ことを手放す宣言

「すべての戦線を死守せよ」という指示は100%失敗するそうです。今持っているリソースを守りに振り切ってしまうので当然ジリ貧になりますよね。
攻めに転じる、つまり新しいもの、新しい事業づくりに特化した会社になっていくために、「維持する」ことをある程度手放さなくてはならない。
そのためのしくみづくりを考え、全社発表に至りました。ポイントとしては……

(1)新商品・新事業開発に大きな投資予算をつける一方、既存のロングセラー品にかける予算を抑えること(これまで「投資予算」という設計すらなかった)
(2)人事評価も 新商品・新事業>既存商品 という優先順序に従うこと。(バックオフィス的な役割で直接新事業に関わらない人は、それを後押しするようなしくみを提案して実行すると評価される)
※既存ロングセラー商品を全部捨てたい、ではなく「今あるカタチを維持する」のをやめよう、新しいユーザーや新しい取引先を獲得できるプロジェクトに変えていこう!という意図で呼びかけをしています。

こういう感じです。さて……

社員の反応

実は発表に当たって、すべての人に意図を正しく伝えるのは難しいという前提のもと、「新しい仕事に進みたいけど、方法が分からなくて進めない人」をターゲットに、「一歩進み出せる後押しをすること」を目標に設定してあったのです。

発表後すぐに夏季休暇、休暇明けにベテランさんと若手の方数人から反応をいただきました。とても真摯に発表を聞いてもらい、考えてくれているのが伝わってきました。もちろんいろんな悩みのポイントがあるようでしたが、共通していたのは

今までやっていた仕事をやめることに抵抗を感じる

中期的な未来に向けた、新しい仕事・重要な仕事に時間を割くべきなのは理解しているけど、今ある仕事を手放さなければならないという問題。今まで大事にしてきたことなので急には変えられない、当然の感情だと思います。
ただ話を聞いていて感じたことは、生真面目さから「使命感」が強く、今の仕事を手放してよいかどうか真剣に考えていて、自分のやりたいことにはあまり向き合えていないのかな、ということです。

たとえば。
身の回りのモノを断捨離して身軽になりたいと思った時、モノひとつひとつと向き合って仕分けしようとするのは、あれも要るかも、これも要るかも……と結局あまり捨てられずに失敗するパターンですよね。置けるスペースに1番大事なモノをおいて隙間に2番目をと置いていき、置けなくなったモノを全部手放すのが重要だと思うのです。

将来やりたいことやなりたい姿に向き合うと、手放すことができる

要は会社の目的に沿ったやりたいことや、なりたい姿を見つけてどんどん実行して欲しいんです。Peopleは「子どもの好奇心」というキーワードをパーパスに掲げていていますし、Peopleに集まったメンバーは子どものための仕事にはやり甲斐を感じられるはず。作ったり売ったりという最前線の役割が苦手なら、後押しの役割でも良い。
新しいやりたい仕事のリソースを大きく割いた時、今まで大事にしてきた仕事を手放したり、整理して大きく合理化したり、IT化してAIやアプリに丸投げする必要にかられると思うんです。

やりたいことを見つけて実行し、使命感にかられてやっていた維持の仕事を手放し、わくわくしながらPeopleは進んでいった結果として、業績という結果がついてくると心から信じています。

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