見出し画像

みんな幸せ「子どもまんなか株主総会」『ピートラ』Vol.69

機ちょーまさとです。
先週「第2回子どもまんなか株主総会」と銘打って、会場に子どもスペースをつくるピープル株式会社の株主総会をやってきました。今回は2年目にしてようやく整理できた自分たちの意図と、来場してくださった方たちの反応についてお話しします。

なんで総会を「子どもまんなか」にするのか?わからなかった

最近の脳科学の研究によると、実は人間の脳(右脳)はこれまでの経験などを引用して無意識のうちに真っ先に結論を出していて、後から左脳がそれに理由をつける、という動きをしているんだそうです。
それが書いてあった本には、「そういう時もある」というレベルではなく、すべての答えを出す作業をするときに、「必ず脳はそういう動きをする」と報告されていました。

思えばパーパスを決めた時、なんで「子どもの好奇心」が良いのか、自分たちも本当のところはわかっていなかった気がします。このパーパスを使ってしばらく経ってから、なぜこの言葉なのかはもちろん、なぜパーパスを作らなければならなかったのかを身をもって知ることになりました。それはこのnoteを書いて、ピープルのことを知らない方にも理解して楽しんでもらえるようにすることで、ようやく整理できたんだと思います。

同様に、私たちは去年の段階で、なぜピープルはこんなに子どもまんなか株主総会をやりたいのか、本当のところわかっていませんでした。というのも、外部の経営の先輩やよそさまの株主総会をたくさん見ていらっしゃるアドバイザーの方々に「止めておいた方が良い。株主総会はいかに波風起こさず納めるかが重要なんだ。子どもが会場に居るのはトラブルの元にしかならないんじゃないか」という趣旨の助言をたくさんいただいたんですが、それでもどうしてもやりたい!と実行に至るほどのエネルギーが湧いて出ていたんです。

子ども一緒に子育てを面白がるとみんな幸せになる説

そして今年。第2回をやるにあたって、自分たちがなにをそんなにムキになって子ども真ん中総会をやりたいのか、気持ちと向き合うことになりました。

このやりたいエネルギーは絶対ぼくだけのものじゃない。人の心には、人数×質量(想いの強さ)に比例して慣性力があると考えてください。この件にはピープルの50人+ピープルのパートナーとなってプロジェクトに関わってくださった人達の慣性力が働いて、絶対にやんなきゃダメだ!って思いこんじゃったんですね。

子ども、特に赤ちゃんを育てることは本当に大変なことも多いし、生活の中で親御さんにとってたくさん我慢を強いられることもあるはずだけど……
子育てや子どもの居る環境を実はこんなに面白がることもできる、というピープルの認識があります。それをし始めると、悩んだり苦しんだりしている気持ちがちょっと楽になって、親御さんも周りの方も、みんな少しだけ幸せになるかも知れない、もっともっとこの認識を広げたい!という想いです。

なので、「ゆっくり株主総会を聞きたいから子どもは保育所に預ける」という考え方ももちろんありますが、「株主総会だろうが何だろうが、子どもがそこに当たり前にいる前提で何事も楽しんじゃう」という選択肢があってもいいだろうと、私たちは思ったんだと思います。

ピープルは、商品づくりのために一番時間を使うことは、子どもと接して対話(ことばを交わす以上に観察)することだと思っていて、取締役会に子どもの笑い声と鳴き声が響き渡るのが常態化しています。つまり子どもまんなか株主総会の光景は、ピープルの日常の一部をお見せすることなんです。

そしてこのことは、この後に語る今総会で私たちが一番お伝えしたかった内容の説得力につながったんじゃないかと思います。

第2回「子どもまんなか総会」の争点

第1回の反省を踏まえて、子どもたちが盛り上がってきても、総会の議論はちゃんと聞こえるよう会場セッティングを改良し臨んだ第2回ですが、私たちには子どもが総会に入ること以上に気になるポイントがありました。
それは、自転車やぽぽちゃんなどのカテゴリを終了させたことで、一時的に業績が落ちることを、将来の成長のための重要なステップと理解していただくことです。

短期的に見れば、株主さんにとって有益ではないタイミングでも、その後に準備している新事業にどれだけ期待してもらえるか、わくわくしてもらえるか、が私たちの腕の見せ所でした。

しかし、まだ新商品の具体的な姿はお見せできません。株主総会でやったことは直後に一般公開しないとインサイダー情報になってしまう、だからといって一般公開しようものなら、あっという間にコピー商品が登場するのがこの業界だからです。何を見てもらえれば、期待してもらえるのか……そこで考えました。

私たちが何に自信を持っているか

これしかないです。
ピープルにとっては、子どもが驚くほど集中してよく遊ぶ商品をつくるプロセスそのものが、私たちの自信の正体なんです。このプロセスを経れば、親御さんたちは他では見たことないほど、夢中になって、真顔のまま何度も何度もあそぶ我が子を見るという、とても幸せな体験をすることができます。

問題は子どもがそんな状態になることを、広告や商品のパッケージだけでは伝えられないことですが、それをクリアするためにこういう戦略に時間とお金をかけます!

こういうお話を、たっぷりと時間と熱を込めてお伝えしてみました。
結果、質問タイムに質問ゼロ。議長であるぼくの方が逆に心配になって、株主さん達に聞き返してしまいました。え……?本当に質問ありませんか?大丈夫ですか?

後で出席者の方に色々感想を聞かせていただきました。
もちろん会社のやることすべてに賛成というわけではないけど、今日聞いたことはとてもわくわくしたし、ピープルのおもちゃや社員と戯れる子どもたちの笑顔を見てとても満足だった!
また涙が出そうになりました。

子ども達の好奇心を追及して、大人も一緒におもしろがることは、関わるたくさんの人たちを少し幸せにしてくれて、ビジネスとしてもわくわくを生んでくれる!
ピープルが掲げたパーパスに、また一層自信を持てるエピソードになりました!

今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?