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パーパスが勝手に研ぎ澄まされて使いやすくなったので、経営判断に使ってみたらものすごい切れ味だった件・後編。『ピートラ』Vol.22

こんにちは。機ちょーまさとです。
今回は続きモノの後編です。
前編では、なんのためにパーパスを作ったかを経営者側の視点で振り返りました。今回は後編。パーパス発表後に起こった出来事と、自分自身が使ってみた切れ味について語りたいと思います。

研ぎ澄まされていくパーパス

発表から8か月。多くの方に向けてパーパスを発表し、自分たち自身もそれを説明する機会を経て、だんだんパーパスが研ぎ澄まされてきたのを実感しています。

①パーパスの使い方、社員編

この記事を書いている現在、ピープルでは人事評価をしている最中です。ピープルでは「じぶんプレゼン」という名前で、社員が今期の成果を経営陣に売り込んでもらうイベントにしました。

その中で、パーパスについて言及される方が少しずつ増えてきました。中には実際にパーパスを自分の道具として有効に利用してくれている方も!

ぼくたち経営側が思っている以上にパーパスについて各々で考え、目の前の仕事に活かしてくれているのが伝わってきます。指示によってではなく、パーパスを片手に、自信を持って判断して、思い切って仕事を捨てることまでできている!
本当にうれしい。やって良かったパーパス発表!

②インタビュー&ディスカッション編

今年はパーパス経営に転換したことで、メディアの方や投資家の方、取引先の経営者の方など本当に多くの方とパーパスについてお話する機会をいただきました。そんな中で、だんだん自分の言葉が変化していることに気が付きました。

(1)子どもの好奇心事業に注目して、新しい事業を作りたい。
     ↓
(2)新しい事業を作るためにも、子どもの好奇心が起点になっていない仕事を終わらせたい。
     ↓
(3)子どもの好奇心が起点になっていても、大人の都合を考慮せざるを得ない事業は将来性が期待できない。少し時間はかかるが、順次終了させていくべきだ。

(3)で言っているのは、発売当初は子どもの好奇心のために作った商品だったけど、競合が増えてきた結果、売り場の面取り合戦のための、小売店さんの都合に合わせた商品戦略や、商品選択をする大人(多くはお母さんだったりする)の好みに合わせた商品改良などを繰り返していくうちに、メンバーの多くの時間が大人の都合に合わせるために消費せざるを得なくなった商品たちのことです。
つまり、優先するものとしないもの、終了させるべきもの、という線引きの切れ味が鋭くなってきたわけです。

③好奇心事業プロジェクト、始まる

パーパスに従って、新しい6つの中期的な新プロジェクトが始まりました。その途中報告から、「好奇心事業」のポテンシャルがビシバシ伝わってきます。
・ピープルの赤ちゃん観察の視点は、ママさん達にとってとても共感性が高い!「子育てを面白がれるようになりました」の声多数。
・ピープルのおもちゃを海外の赤ちゃんに遊んでもらったら、ママさん達がびっくりするほど夢中になった。

④機ちょーの大失敗、からの……

前編からお伝えしていた通り、パーパスを作った大きな目的の一つに、注力するべきでない仕事を決めて終了させていくことがありました。それに従って、大きく3つのビジネスを終了に向けて動き出したんですが……そうなると当然売上は一時的に減少することになります。
決めた数か月後、ぼくはものすごいに不安かられました。夢にまで見ちゃうくらい。そして、やめるはずのビジネス3つのうち、2つを中途半端に続けようかなぁ……みたいなことを言い出したんです。

そこで、一緒に経営をやってくれている乗組員1がズバっと突っ込んでくれました。

「パーパスが怒ってるよ!」

言われてハッとなりました。自分がビビっておかしな考えになっていることに初めて気が付いたわけです。恥ずかしくなって、その後夜まで仕事が手につかなくなりました。

ひとしきり布団にもぐってバタバタしながら「あぁ~~~~~」とか満足に奇声を発したあと、経営の仲間3人にごめんなさいしました。改めて、パーパスに恥じない仕事をしていく宣言をした時、心に持っていたパーパスが鋭くなっていたのが実感できました。集中する仕事、やめる仕事をスパっと切り分けられるように。

現在、ピープルは短期的な売上が得られそうなビジネスでも、パーパスに合わない仕事は絶対やりません!と断言しています。長い目で見た時間違いなく自分の首を絞める結果につながる。すぐには利益につながらなくても、子どもの好奇心を深堀していくことこそ、自分たちも、ステークホルダーの皆様にとっても、利益が最大化すると確信できるに至りました。

1年間お付き合いいただきありがとうございました!

パーパス発表からの色々あった8か月、生々しいエピソードも交えながらリアルをお伝えしようと4,000文字に渡って文章化してきましたがいかがだったでしょうか。
来年はさらに実践を積み、ピープルがどう変わっていくか、定期的にお伝えしていきたいと思います。

さて、今年4月から始めた『ピートラ!』の連載ですが、今年はこのVol22をもって最後となります。お付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました!

次回は来年1月19日の夕方ごろ、Vol23アップ予定です。
これまで乗組員3名で回してきたピートラ号ですが、Vol23では新しい乗組員に登場してもらいます!ピープルにこの人アリ、というユニークでエネルギッシュなママさん社員です。どうぞご期待ください!

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