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令和6年8月8日の昼飯


本日、食したカップラーメンはこちら!

 NISSIN
極太麺
日清焼そば
U.F.O.
辛口濃い濃いラー油マヨ付き
「醤油まぜそば」
極太麺に絡む濃厚ダレ

だぁぁぁぁぁぁ!


早速! いただきます!

わたし、ちょっと怒っています!
日ごろ買うカップ麺の値段が高いのはこういうからくりがあったという訳なんですか!

というのも、yahooのニュースに
「「カップヌードル」などを扱う小売業者に対し、店頭での販売価格を全国一律で同額に引き上げることを強要した疑いがあるとして、公正取引委員会が近く、食品大手「日清食品」(大阪市)に独占禁止法に基づき、警告の行政指導を行う方針を固めた。商品の値下がりを防ぐ目的とみられ、公取委は同社の行為が独禁法で禁じる「再販売価格の拘束」に当たる恐れがあると判断した。」
というものが掲載されていた。

小売価格まで指定するとはどれだけなんですか!
私ね……日清食品さんはカップ麺業界のリーディングカンパニーだと信じていました。
もうね、こういうのを見ると思うんです……
外面は真面目そうに見えるけど、中身はヤンキーって奴みたいだって。
まぁ、たしかに取引の世界では多少グレーというかダークな部分もあるでしょうよ。
おそらく、他の会社、業界も似たようなことをやっているのかもしれません。

でもね……
それが外に漏れちゃいけないよ。
要は日ごろタカピーな態度を取っているから仕返しされるんですよ。
おそらく、それはリーディングカンパニーというおごりから来ているのではないでしょうか。
もう一度、そのあたりから考え直してはいかがでしょう!

でもって、カップ麺の値段を下げてください!
というか、下げろ!
じゃないと、私が懇意にしているスーパーで大量に購入できないではないか!

ということで、今日は「ヤンキー」つながりのお話を。

 そう! あの時……ルリ子が控室で巨大な蛇の魔物を見て気絶した時の事である。
 そんなルリ子の体を抱きかかえてサンド・イィィッ!チコウ爵は無我夢中でひた走っていた。
 創造主であるデスラーを見捨ててまで、控室の出口まで我先に逃げだしたのだ。
 その行為がいかに愚かなことであるか……ゾンビの腐った頭でも理解できていた。
 というのも、この状況でデスラーを見捨てて逃げれば、ツョッカー病院に戻った後、めちゃくちゃ怒られるに決まっているのだ。
 いや、怒られるだけでは済めばまだいい……下手したら、元の死体に戻されるかもしれないのだ。
 それは……死……
 二度目の死を意味することとなる。
 折角この明るい日の当たる場所に戻ってきたというのに……また、みすみすと真っ暗な死の世界へと戻らないといけなくなるのだ。
 それはもしかしたら、死後の世界を知らない我々よりも一度死を経験したことがるサンド・イィィッ!チコウ爵だからこそ、想像を絶する絶望を抱くことになったのかもしれない。
 だが……
 それなのに……
 なぜか、この娘だけは絶対に守らなければならないという思いが股間に開いた穴の奥からムラムラと沸き起こってきたのである。
 もしかして、ルリ子が美少女だったから、いたずらでもしようと思ったのであろうか?
 いや違う、もっと根源的な思い! そう! それは愛‼ 愛である!
 おそらく、ヒロシの体に残ったルリ子への愛情がサンド・イィィッ!チコウ爵を突き動かしたのである。
「イィィッ! イィィッ! イィィッ!」
 鼻水とも腐汁とも分からぬ液体をまき散らせる顔は既にもうグチャグチャ。
 ここまで度重なる激しい戦闘?を経験してきた……しかも、主から離れ、魔血の供給も経たれている。
 そのため、もう腐った体は崩れ落ち始めていた。
 ドロリとこぼれ落ちる右目……
 だが、そんなことにかまうことなく、サンド・イィィッ!チコウ爵は外へとつながる階段を駆け上る。

 抱かれるルリ子の体はうっすらと取り戻した意識のなか激しく揺れていた。
 そして、振り落とされまいとサンド・イィィッ!チコウ爵にしがみつく。
 鼻先に触れる肌の匂。
 それはゾンビの腐った匂いであったにもかかわらず、その中にわずかだがなにか懐かしい香りが混ざっていることに気が付いた。
 ――お父さん……
 今や、サンド・イィィッ!チコウ爵の胸に顔をうずめるルリ子の顔もまた鼻水と涙でぐちゃぐちゃになっていた。
「お父さん……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……私のせいで……ごめんなさい」

 そんなか細い声を聞くサンド・イィィッ!チコウ爵の腕に、ますます力がこもる。
 ――なんダニイィィッ……この想イィィッ……胸が、いや股間が苦しイィィッ!
 股間の奥から沸き起こる昔の思い出。
 サンド・イィィッ!チコウ爵の脳裏に浮かぶのは小学校の運動会でパン喰い競争した時の事であった。
 傍らで懸命に走る小6のルリ子。
 競争相手の姿が全く見えない眼前には、つるされたアンパンが徐々に迫ってくる。
 これを咥えてゴールテープを切れば一番だ。
 だが、そんな時、背後から声が聞こえるのだ。
 それは、小学校に入りたてのベッツローロ=ルイデキワ、通称 ベッツとともに汗をだらだらと吹き出しながら走るモンガ=ルイデキワのものであった
「鰐川! ふざけるなよ! 俺たちの前を走っていいと思っているのか!」
 ルイデキワ家は、言わずも知れた悪徳商人である。
 当然、その家業は違法薬物の売買から金貸しと幅広い。
 そして、鰐川ヒロシもまた、ルイデキワ家から金を借りていたのである。
 それは、もしかして地下闘技場で遊ぶため?
 いや違うのだ……
 実は、ルリ子が通っていたのは神民学校。
 一般国民の身分に属するルリ子を初等部の6年生から無理やり編入させたのである。
 ということは、ルリ子の才能がよほど素晴らしかったのだろうか?
 いやいや、今まで見てきて分かっているようにルリ子自身に大した才能があるわけではなかった。
 そのため、神民学校の奨学金の対象にもなりえなかったのである。
 要は金!
 ヒロシは多額の金額を寄付することで何とかルリ子を神民学校に入れたのである。
 だが、ツョッカー病院に勤務するヒロシにそんな大金を用意できるわけはなかった。
 そんなヒロシが頼ったのがルイデキワ家だったのである。
「このまま一位になるつもりだったら、貸した金!今すぐ耳をそろえて返しやがれよ!」
 モンガの怒鳴り声にヒロシの足が遅くなる。
 今でさえ、ツョッカー病院に内緒で神民病院でバイトをしているのだ。
 そのため、神民学校の毎月の学費の支払いでギリギリなのである。
 おかげで、ルリ子を学生寮に入れてやることもできない。それどころか、満足に食事すら与えられていないのだ……
 久しぶりのアンパンに食らいつくヒロシとルリ子。
 その横でモンガとベッツもアンパンに食らいつく。
 そんなモンガがルリ子を見ながら、よだれを垂らすのだ。
「いい女になりそうだなwww将来、ベッツが使うオナホ〇ルぐらいにはしてやろうかwwwそれともやっぱり俺が使おうかなwww」
 腰を激しく振るモンガを見ながらヒロシの奥歯がアンパンに強く食い込む。
 このモンガという男……奴隷女たちを安くこき使うことでよく知られている。要は女をモノとして見ていない男なのだ。
 そんなモンガが発する言葉は、まんざら冗談とは思えない。
 ――このまま借金を抱えたままでは、ルリ子はどうなるのだろう……
 今更ながらルイデキワ家に借りを作ったことを後悔する。
 ――俺はバカだ……
 いつしか眼に涙を浮かべたヒロシは、目の前にぶら下がるアンパンに次から次へと食らいつき始めた。
 そして、ルリ子もまた、そんなヒロシの姿に何かを感じたのか他の競技者のために用意されたアンパンに食らいつく。
 アンパンが無くなったレーンを次々と後続のライバルたちが駆け抜けていく。
 ゴールでは一位になったモンガとベッツがヒーローインタビューを受けていた。
 そんな横をやっとのことでゴールした二人が駆け抜ける。
 ルリ子は膝に手を当てはぁはぁと肩で息をする。
 ヒロシは、その頭を愛おしそうになでるのだ。
「ルリ子wwwアンパンうまかったなwwww」
 そして、ルリ子もまた満面の笑みで答える。
「うんwwwお父さんwwwwまた食べようねwww」
 そんな笑みを見てヒロシは固く決意した。
 ――ルリ子のためにもルイデキワ家の借金だけは何とかしておかなければ……
 それからだった……ヒロシが地下闘技場に通うようになったのは……
 大方、バクチで勝った金で借金を返そうとでも思ったのだろう……
 普通に考えれば、その考えがいかに愚かかは分かっている。だが、金のないヒロシはそこまで追い詰められていたのである。

 地下闘技場から地上につながる階段を駆け上るサンド・イィィッ!チコウ爵は泣きながら謝っていた。
「嬢ちゃんが悪いんじゃないダニイィィッ! すべてはこの男が悪いんダニイィィッ! でも、この男を許してほしいんダニイィィッ!」
 
 ヒロシがいなくなると同時にルリ子は神民学校を追い出されていた。
 学費が支払えなくなったからである。
 だが、ルリ子にとって、そんなことはどうでもよかった。
 というのも、ヒロシがルリ子のために無理をしているとうすうす気づいていたのである。
 ――神民学校なんか行かなくても……ただ、お父さんがいてくれるだけでよかったのに……
 でも、それが言えなかった……
 そのために……ついつい金を盗んでいる父親に強い口調で当たってしまったのだ。
 おそらくその行為もまた自分のためだろうと分かっていた。
 でも、言えなかった……「学校を辞めたい」という、その一言が……
 ――そのために……お父さんは……

「お父さん……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……私のせいで……ごめんなさい」
 サンド・イィィッ!チコウ爵の胸の中でルリ子が泣きじゃくる。
「お父さんに会いたいよ……」
 そんなルリ子にサンド・イィィッ!チコウ爵の声が届く。
「そんなにお父さんに会いたいダニイィィッ? もしかしたら、会えるかもしれないダニイィィッ…… いや! きっと会えるダニイィィッ!」 
 その言葉にルリ子はハッと顔上げた。
 その視線の先には、階上の出口をにらみつけながらボロボロと崩れ追ていくゾンビの顔。
 サンド・イィィッ!チコウ爵は視線をそのままに言葉をつづけていた。
「デスラーは貧乏性ダニイィィッ! だから、切り落とした首は絶対に捨てたりしないダニイィィッ! だから、きっとお父さんの頭はツョッカー病院のどこかにあるはずダニイィィッ!」 
 それを聞くルリ子の眼からは涙は消えていた。
 おそらく、この瞬間、ルリ子にはこれから自分のなすべきことがハッキリと分かったのだろう。 

 ――もう、自分の体はどうなってもイィィッ!イィィッ!イィィッ! せめて、この嬢ちゃんだけは外の世界にイィィッ!イィィッ!イィィッ!
 ボロボロと崩れ落ちていく体をそんな思いだけで突き動かしていた。

 目の前に見える一つの出口。
 それは外につながる最後の扉
 ――あそこから外に出れば、おそらく自分の体は持たないかもしれなイィィッ! イィィッ! イィィッ!
 だが、それでもかまわない!
 サンド・イィィッ!チコウ爵は勢いよく扉をけ飛ばすと外へと飛び出した。
 だがしかし!
 その体は崩れるどころか、芯からシャキーン!
 体の奥底からふつふつと何か分からぬ力が沸き起こってきたのだった。
 いつしかデスラー砲を発射した穴は埋まっていた……それどころか、その新たな大地に一つの小さな命が芽吹き始めていたのである。
 くぼんだ大地にマツタケが一つ……
 小さな体をそり返し、右に左に元気よく白い胞子をまき散らしていたのである。
 ドビュっしー♪ ドビュっしー♪ ドビュっしー♪
 だが、おそらく、それはドビュッシーではなくヒロシの魂!
 そして、その魂によってサンド・イィィッ!チコウ爵がレベルアップした瞬間であった!

 チャララ チャッ チャッチャ~~!

 サンド・イィィッ!チコウ爵!はレベルアップした!

 さいだいチン長が 1ポイント あがった!

 サンド・イィィッ!チコウ爵!の のうりょくが ふえた!

 ちこう +1
 すっぱさ +1
 かばねさ +100
 みのけのよだち +100 

 そして、どこからともなくwww
 「……おや⁉  サンド・イィィッ!チコウ爵!のようすが……⁉」

 ニみきおゥ! 見・参!

「おめでとう! 『サンド・イィィッ!チコウ爵!』は『独眼竜サンド・イィィッ!チコウ爵!』にしんかした!」

 第665話 松茸とサンドイッチ(2) より


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