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展示会出展で「最大効果」を出すための手法

東京ビッグサイトなどで開催される展示会は、出展に関わる費用が1小間(3m×3m)であっても100万円近く掛かってきます(出展の方法や状況によってさらに)。

3日間での販促費用は、企業、特に中小企業にとって、決して簡単に捻出できるものではありません。そんな展示会出展で最大の出展効果を出すためにはどうすればよいのでしょうか。もちろん、これには視点によって様々な答えがあります。例えば、出展目的やターゲット像をはっきりとさせる、展示会後の追客はこのようにするなど、です。
 今回のこの記事では、展示会ブースデザインを行う立場から日頃感じていることを書こうと思います。

まず結論から先にお話すると、展示会において最大の効果を出すためには、「ブース自体が自然に来場者を集める機能をもっていること」がまず重要になります。ブース自体がしっかりと集客と説明の機能を持っていること。これが最大の結果を出すための基盤条件になります。

「何もしなくても来場者が寄ってくる」

このことが重要で、そのブースの出展社は、集まって来る来場者に声がけし、見込み客であればしっかりと商談を行う、という形をとればいい、というわけです。当社がデザインするブースは常にこの在り方を目指しています。

もし、ブース自体に集客の機能がないとどうでしょう。
あとは、スタッフの接客の力だけが頼りです。人数を動員するなどして、とにかく歩いている人を捕まえにかからなければいけません。しかし、歩いている来場者に手当たり次第声を掛ける場合、「来場者全員が見込み客」という場合を除き、とても非効率です。名刺の枚数が集まっても見込み客はほんのわずかだった、ということも多いにあり得るでしょう。

自然に来場者が近づいてくるためには?

では、どんなブースだったら来場者の方から自然に集まって来るのでしょうか。
それはいたってシンプルです。
何を扱っているのか、どんな特徴があるのか、といったそのブースの取扱品目が明快であり、さらに分かりやすく(認知しやすく)なっている、ということです。
間違っても、派手で目立つようになっている、とか、インパクトのあるブースになっている、ということではありません。来場者は出展社が考えている以上に「どんなブースなのかを理解しにくい状況にある」と考えておいた方が良いのです。ですので、まずは「何を扱っているブース」かが分かりやすいこと。あとは、その「取り扱い内容」が分かった上で、「近づきやすくなっている」ということが重要になります。 

ブース壁面上部(頭の上)に設置するキャッチコピー。「何を扱っているか」をまず掲示する。

キャッチコピー、と聞くと難しいと思われるかもしれませんが、展示会ブースにおけるキャッチコピーは、一般的な意味でのキャッチコピーとは少々考え方が異なるかもしれません。大切なことは、「ここでこれを扱っています」と知らせることなのです。

「通路際」に展示台を置くこと、も大切

さて、キャッチコピー以外では、来場者が自然に近寄って来てくれるポイントは、「通路際に展示台を置くこと」。これも大切です。来場者は基本的につかまりたくない、と思っているもの。そのことから、ブースの奥の方に展示台を置いてあっても、なかなかブースの中には入って来てくれないのです。ブースの通路際、通路から手を伸ばせる範囲に展示台を置いておくことが大切です。

通路から手を伸ばせる範囲に展示台を置く。

ブースの設え方によって「接客方法」は変わる


さて、ここでお気づきの方もいるかもしれませんが、ブースの設え方・在り方によって、ブースにおける接客方法は変わるのです。もし、ブース自体が考え抜かれていて、よりターゲットに近い来場者を自然に集める機能を持っているのであれば、積極的に声がけをするよりも、来場者が近づいてくるのを待って、最適なタイミングで声がけをした方が、効率的な接客が可能になります。 

一方で、ブース自体があまり検討をされておらず、ただ派手なだけ、もしくは一瞬でよく分からないブースになっている場合は、接客を行う人の力量に左右されてしまいます。少しでも見込み客が多く含まれた接客や名刺獲得を目指すためには、お声がけの言葉や、配布する資料などにより、何を扱っているブースなのかが瞬間に分かる工夫をする必要があります。 

さて。簡単ではありますが、展示会出展で最大の出展効果を出すための方法。
今回はブース自身のもつ力についてお話しました。
もちろん、ターゲットの選定、目標値の設定等の要素が重要なことは言うまでもありません。おそらくこの点についてはどこの企業でも検討はされていることだと思います。しかし、ブースの持つべき機能、という観点については、日頃様々な企業の支援をしていて、意外に盲点になっている箇所だなと感じているのです。

展示会に出展している皆様。ブースを考える際には、まず「このブースが無人になったとき、自然に来場者が寄ってくるようになっているだろうか」と客観視してみてください。

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