koharu

考えたことを整理して呟きます。 人間の心理と日本の社会に関心があります。

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アイデンティティーがないとどうなる?(自己有能感と交えて考える)

他人の行動をアイデンティティーと自己有能感の観点から分析すると、ある程度納得のいく解を見出せることがある。 人間は基本的に他人から認められたいものだけど、自己有能感というのは人の行動にかなり影響を与えているように思える。 例えば、高校の部活ではチームを引っ張っていくような存在であったのに、大学の競技力が高い部活に入ったとたん、部活へのコミットを弱める人がいる。その人は「大学に入って別のこともやりたいからコミットを辞めた」のではなく、「部活において感じられる自己有能感が低下

    • 転職は当たり前?するべき?

      最近どこでも転職を勧めるようなコンテンツや広告に囲まれている。「転職こそがキャリアを成功に導く」「30歳までに転職しないとオワコン」といった極端な謳い文句を見ることもある。 たしかに雇用の流動性の低さが日本の停滞の一つの原因になっているという論説には一理あると思う。個人として転職できるようなスキルを身につけ、現状に甘んじない意識も大事だと思う。ブラック企業に運悪く入ってしまった人は、もちろんそこから逃げ出していいと思う。 ただ一方で、転職が当たり前という風潮に踊らされてし

      • 学校教育は何を目指し何を教えるか(EdTechも踏まえて)

        最近始まった話でもないですが、現在色々なところで日本の教育の問題点が叫ばれています。「ITで社会は変わっているのに教育は変わっていない」「日本の子供たちの学力は低下している」「日本はOECD諸国の中で教育にかける費用のGDP比率が最低レベル」など色々ありますが、改善のためにはまず「どういう教育にしたいのか」という理想がある程度合意される必要があると考えています。そんな思いで自分の中の課題意識をまとめてみたいと思います。 1.学校教育で与えたいものは3つ 私は、学校教育で子

        • なぜ子どもは勉強しないといけないのか?

          子どもに「なんで勉強しないといけないの?」と聞かれて、大人は納得する答えを与えられるだろうか。教師であっても、明確な答えを持っていない、持っていてもうまく子どもに伝えられない人は多いのではないかと思う。 しかし、この疑問に対する回答は極めて重要だ。そもそもこの質問をする子どもは「勉強をしたくない」「勉強が苦手」と思っていることが多く、回答の内容がこの先勉強を好む子どもに育つか、勉強を嫌う子どもに育つかの岐路になる可能性すらある。 この重要な問いかけに対して、長らく日本では「

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        アイデンティティーがないとどうなる?(自己有能感と交えて考える)

          日本の停滞の考察(政治・メディア・教育の観点から)

          近頃日本オワコン論が流行っているが、その原因は「多くの組織が部分最適を目指している」ことにあると考えたからまとめてみる。特に政治とメディアと教育。 1.政治政治家にとっての部分最適は、選挙に確実に当選し、自党の議席をより多く確保し、より多くの利権を確保すること。 例えば岸田総理は「改革」ではなく「分配」を掲げて選挙に勝利したが、「改革」を掲げないことによって失う議席(自民→維新への流出)よりも、「分配」を掲げることによって得られる議席(立憲・国民→自民への流入)の方が多い

          日本の停滞の考察(政治・メディア・教育の観点から)

          「欲」と「自己保存本能」について

          「欲」と「自己保存本能」の強さで自分や他人の行動を分析すると、ある程度うまく整理できて、かつ自分の中の課題解決の道筋にもなるからやってみる。ちなみにこの「欲」と「自己保存本能」の考え方は、USJをV字再建後、株式会社刀を設立し大活躍している戦略家・マーケターの森岡毅さんから来ています。 参照:森岡毅(2018)『マーケティングとは「組織革命」である。』日経BP 森岡毅(2020)『誰もが人を動かせる!』日経BP 1.欲と自己保存本能の強さによる分類a) 欲が強く自己保存本能

          「欲」と「自己保存本能」について

          個別指導塾の闇(子供の塾に悩む親へ)

          筆者は4年間、個別指導の塾で勤務していたことがある。その時の経験を基に、息子さんや娘さんを個別指導塾にいれようか考えている親御さんに伝えておきたいことを綴る。 まず、個別指導塾とは、子どもに安い料金で勉強させたい親と、勉強を教えることでお金を稼ぎたい大学生を結びつけるシステムである。 個別指導塾にいる先生はほとんどがアルバイトの大学生である。筆者が勤務していた塾は、社員として塾の母体の会社に就職し、塾のスタッフとして運営をしながら、教えることもする、という人はたったの3人

          個別指導塾の闇(子供の塾に悩む親へ)

          日本の就活の問題点(教育の観点から)

          教育制度は無意識のうちに人間の考え方に影響を与えている。それが顕在化している1つの例が、教育から労働への移行時、すなわち就活だ。 歴史を振り返ると、近代社会における受験は主に「出世」が目的とされていた。そこには、受験でより高い学歴を獲得し、一流企業や官公庁に入って身を立てるという壮大な物語が想定されていた。 しかし1960年代以降、高校進学率、大学進学率が軒並み上昇した。 (高校進学率 1955: 51.5% →1965: 70.7% →1975: 91.9%、大学進学

          日本の就活の問題点(教育の観点から)

          Introduction

          物事の因果関係を正確に捉えたいーそんな思いで日々を過ごしています。 特に、心理的な作用。確証バイアスや嫉妬などの、サブリミナルマインド的な要素を自覚し、自分の感情の原因を正確に把握していたい。そして次の決断に繋げたい。 その中でも、教育は無自覚に自分という人間を形作っているもの。ミクロな目線で自分が受けてきた教育を振り返れば、自分という人間が理解できる。マクロな目線で教育システムや歴史を見れば、人間の性質に気づくことができる。 この自らの関心がアイデンティティであり、こ

          Introduction