ペンギン

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任意の単語を、最小限の手数で、なるべく、「黄金」に近づけるゲーム

あー、明日学校行きたくないなあ。 なんで習ってない漢字を書いちゃいけないの? 一樹という名前を「一き」って書いたらバランスが崩壊して美しくないじゃないか! なんで掛け算の式は前後入れ替えちゃいけないの? 3×2=6より2×3=6の方が偶数と偶数で奇数をサンドイッチできてて美しいじゃないか!! 自分の中の美学と、他人が決めたルールの狭間に苦しみ、結局いつも美学を捨ててしぶしぶルールに従う。敗北の日々。 嫌だなあ、学校行きたくないなあ、眠れないなあ。 ベッドに入り、電気も消

    • 庭に舞い降りたズバット

      家の庭にズバットがいた。 右下の図鑑説明に「陽の当たらない洞窟に棲む」と書かれている。 コウモリなんだから当然だ。君は本来、イワヤマトンネルとかおつきみやまだったらおびただしい群れを為しているけれども、こんなトキワシティの片隅に現れるポケモンではないはずだ。 カードは折れ、撚れ、土がついている。 ズバットには目がない。きっとこの地にたどり着くまでの間、電柱にぶつかったり、畑に突っ込んだり、トラックに煽られたり、色々ありながらようやく止まり木を見つけた所なのだろう。 大した

      • あの銅像は泣いていた

        街には、ワケのわからない銅像がたくさんある。 たとえばやや小さめの駅に降り立つと、同じくやや小さめのバスターミナルのど真ん中、徒歩ではたどり着けない謎に孤立した島に、大きな翼を生やした全裸の女性像が立っている。 大してバスも走ってないので、道路を跨いで近づいてみると、台座に「●●駅設立●周年記念事業」というサブタイトルとともに、おそらくこの銅像の名称と思われる『希望』という筆文字が書かれている。 周年事業で銅像を建てよう!と言い出した人がいて、コンセプトを考えた人がいて、

        • ビニール袋をたたむ

          中学1年生のころ、職業体験の日があった。 先生方が用意してくれた10コースの中から、極めて適当に選ぶ。 どんな職業に就きたいか、から逆算して行先を考えられる真っ当な生徒なんてほんの一部で、大多数の我々にとっては、いつもとちょっと違う平日をどうやって過ごすのが一番退屈しのぎになるか、でしかない。サッカー部だからという理由だけで運動っぽいコースを選んだらひたすら市民体育館の掃除をさせられました、とかそんな感じだ。 僕も同じように、将来に対する何の展望もなく適当に観光コースみた

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        任意の単語を、最小限の手数で、なるべく、「黄金」に近づけるゲーム

          国道沿いのラーメン屋

          僕の中での勝手な区分けとして、ラーメン屋は2種類に分けることが出来る。 1つは駅前型。もう1つは国道型。 駅前型は雑居ビルの1階に居を構えていて、キャパシティは結構小さく、カウンター席が店の大半を占めている。店の前にはしわしわになった紙で営業時間が印字され、昼は11時半から14時半まで、夜は18時から22時まで、スープがなくなり次第終了と但し書きがされている。 食券制のお店が多く、メニューはその店が自信を持って開発した醤油ラーメンと、そのラーメンにチャーシューを1枚多く載せ

          国道沿いのラーメン屋

          バナナのフィルム

          スーパーでバナナの房を買う。 バナナの房とか、束のキュウリとか、この手の生鮮食品は酸化防止のためにほぼ必ずしっかりとフィルムで包まれている。そしてフィルムの口はテープのようなもので綴じられている。 オモテ面が黄色や緑のドギツい原色で、ウラ面は真っ白のテープ。少しだけ位置をズラしてウラ面同士がくっつけられているので、さも「あとで手でテープを剥がしやすいように、ズラして貼っておきましたよ」感が出ている。 スーパーから帰宅。休日の15時、自宅。もっともバナナを食べたいシチュエー

          バナナのフィルム

          鼻水が止まらない

          鼻水が止まらない。 春の花粉症は同志が多いので盛り上がりがちが、秋の花粉症はまだマイノリティのようで苦しみを分かち合える人があまりいない。 いや、同志が多かろうが少なかろうが、苦しみを本当の意味で”分かち合える”わけではないので、基本的には1人で耐えしのぐしかない。 夜、眠りに就こうとしても、鼻水が止まらないから眠れない。 いつもはうつぶせで寝ているが、あおむけになれば重力が助けてくれて鼻水が止まるかもしれない。10秒くらいかけてゴソゴソ動き、ようやくあおむけになる。後頭

          鼻水が止まらない