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2024年4月に読んだ本

読んだ本の感想を書こう2024 4月編!今月は4冊読みました。

2,3月のまとめはここからみてね↓

リンクはただの自己満足で広告とかではない

いくぞ!

・メメントモリ

ゆるいタッチで描かれた絵本。
メメンとモリの姉弟が「ちいさいさら」「きたないゆきだるま」「つまんないえいが」を巡って緩くしゃべり人生について考えている。「メメントモリ」、つまり死を恐れず今を楽しもうという古代ローマの言葉を使ったタイトルではあるものの、所々に仏教観が散りばめられているな。

内容自体は、韓国でよく出版されている「頑張らなくていいよ」のタイプのエッセイ本に近い。
ただこちらはストーリー仕立てというか、日常の何気ないテーマから深掘りしているからか、読んでいてぐっと入り込むことができる。絵本特有のテンポも新鮮で面白かった!

人生に明確な答えはないし、答えはその日その日で変わってもいい。そもそも人は楽しむために生まれてきているわけではない。人間は勝手に失望して期待して、その差異があるからこそ、世界は苦しいし、うつくしい。
死が隣り合わせにあるのだから、今ここに生きている限りは、好きなように暮らして、たまに人と関わって、今ある生活を慈しんでいけたらいいなと思う。

・なぜ学ぶのか

かねてから出口さんの本はいくつか読みたいと思っていたのだけれど、実際読んだのはこれが初めて。

出口さんは、日本生命に入社、ロンドン現地法人社長などをつとめ、還暦を迎えようとするタイミングでライフネット生命を設立。70歳で立命館アジア太平洋大学の学長に就任するも、4年目の2021年半ばに脳卒中に倒れ、右半身が不自由になってしまう。会話や食事もできないという状況に陥るが、リハビリを続けてわずか1年で校務に復帰。経歴がすごすぎる。

本全体を通じて(中高生向けに書かれているということもあるけれど)理論展開のために、過去の偉人の言葉を引用したり、世界中の国の興亡を振り返ったり、さまざまなエピソードを用いて説明していて、読んでいて「引き出しが多い人だな〜」と思った。これまでに幅広い知識を取り入れながら、自分の血肉にしているのだろう。

出口さんが考える学ぶ目的は、良い子になるためでなく、「人生を面白くするため」。 
「人、本、旅」を通じて学んだ分だけ、世界が広がる。学んだ分だけ、自分の頭で考え、選択肢も増える。出口さんがリハビリに励むことができたのも、自分にはもうなにもできないと思い込んで絶望するでなく、自身の病気について正しい知識があり、その根拠ある知識に基づいて実践したからだ。

獲得した知識を自分の頭で考えて、誰も行ったことのない場所へ行き、誰もやっていないことをやる。常識にとらわれず、自分の思うようにやることが大切だそう。

また「唯一生き残るのは、賢い者でも強い者でもなく、変化できる者」というダーウィンの言葉があるように、生きて行くには世界の目まぐるしい変化に適応する必要がある。学ぶということは、変化を受け入れることでもある。自分の現状に満足するのではなく、常に学び続けようとする意欲こそが重要だなあ。

あと、巻末に紹介されていた「私が遠くを見ることができたとしたら、それは巨人の肩に乗ったからです」というアイザックニュートンのことば、どこかでみたことあると思ったらGoogle scholarの検索画面にあるやつだった

なるほどね

・新 怖い絵

定期的に読んでいるアートエキシビションジャパンのコラムの著者が、本を出しているのを知って読んでみた。

まず中野さんが博識すぎる。あと文章がめちゃくちゃ上手い。惹きつける文章ってすごい。
表紙のオフィーリア、ミレーの落穂ひろいなどの有名な絵や、神話や聖書を由来にした絵について、当時の社会情勢や作者の事情、モデルの運命まで絡めた解説から理解が広がる。
個人的には「テルモピュライのレオニダス」「眠るエンデュミオン」が好き。


「怖い絵」というのは、単におぞましい絵画というわけではなく、絵画にこめられた人間の欲望や運命の非情さなのだろうと思う。
どれも漠然と見るだけではわからないことばかり。感性で絵画を鑑賞するのではなく、しっかり背景を理解することの大切さを実感した。
実際もっと歴史や絵画の作者のことを知りたくなるし、そういったとっかかりを作ってくれる本でもあった。シリーズものらしいので、別のも近々読んでみよう。

・世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド


仕事として「自分が本当にやりたいことは何か?」を体系立てて理解することができる本。
選択肢が多い世の中でやりたいことを見つけるためには、自分のフィルターを作って絞って考えることが大事とのこと。
そのために必要な自己理解を以下3つの観点から考えていく。

・大事なこと(why)(価値観)
→なぜ仕事をするのか?
・得意なこと(how)(才能)
→どうやって仕事をするのか?
・好きなこと(what)(情熱)
→なんの仕事をするのか?

この3つが重なる部分こそ、自分が「本当にやりたいこと」になる。

3つが完成したら、「得意なこと」「好きなこと」を掛け算した「やりたいこと」を複数出す。出てきたものに対して、「大事なこと」、つまり仕事の目的に繋がるか?を考えていく。
本には「尊敬する人は?」や「お礼を言いたい仕事/人は?」など、複数の質問が載っていて、このワーク通りに考えることで自己理解を深めていく。いままで感覚的に捉えていたことを実際に文字に起こして把握することができた!たとえば私の3本軸は以下の通り。

(1)大事なこと
→粋、集中、学び、シンプル、規律。
この中で仕事の目的にしたいのは「学び」。学びながら、常に頭を動かして働いていきたい!

(2)得意なこと(3段階評価)
→◎コツコツの積み重ね
  ◎短期集中
 △礼儀を重んじる
 ◯︎自分の中で方策を決めて愚直にやる
 ◯︎必要のないものは削ぎ落とす
 △言葉を尽くして説明する
 ◎手を動かし続ける
 ◎尊敬できる考えや人の真似をして取り入れる

(3)好きなこと
美、マインドフルネス、アパレル、国際(文化も情勢も好き!)

この3つが分かったら、「得意なこと」「好きなこと」を掛け合わせて「やりたいこと」を複数案考える。
その案に「大事なこと」、つまり仕事の目的に繋がればそれが自分の本当にやりたいこととなる。
やりたいことが分かれば、あとはその理想と現状のギャップを埋める行動をとることが大切だそう。やりたいことが分かればアンテナができるので、自ずと実現手段がついてくるらしい。

実際にやってみると「これフリーランスにならないとできないんじゃ……?」と不安になるものの、確かに世の中選択肢で溢れきっているので、ひとつくらいマッチするものがあるかもしれないね。

情報収集してチャンスを逃さず実践できるようになりたいなと思う。実際に行動してみて、トライアンドエラーを繰り返しながら「自分のやりたいこと」の階層を上げていき、自分らしい人生を送れるようにしたい!

今月は以上!


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