周りからの優しさに励まされて
私は過去に何度も書いていると思いますが、「気分障害」という精神疾患の治療を14年続けています。気分障害というのはいわゆる「うつ病」の中のひとつと最近定義されています。
発症した原因は、はっきりと断定はできていません。ひとつ言えるのは、産後の肥立の悪さで起きた産後うつを完治させたはずなのに、引越しをして慣れない環境下での強いストレスからかもとひとつは上がっています。
後をあげれば、何が原因かというのが分からずで、臨床心理士が行った検査では、真面目すぎる性格と子供から大人までの成長過程で何かがあったとしかわかっていません。
結婚するまでそして出産するまでは、ごく普通の生活をし、真面目に働き、そして今の主人と出会いました。
発症してから、今の担当医や公認心理士(国家資格の心理士)と出会うまでは「自分はどうすれば治るのか?どうすればまともな人間に戻れるのか?」とイライラして過ごしてきました。
一人娘が生まれて、教育費もいるだろうからと、精神を休めないといけないのに、いろいろと仕事に手を出しました。お金を騙し取られたり、自分のことがとても大嫌いで、とんでもないこともたくさんしました。
でも、そんな私を救ってくれたのは、真っ先に娘でした。当時1歳半の娘の笑顔が私を助けてくれました。
娘の成長と私の闘病は、二人三脚。でも、決して娘に手をあげたことはありません。薬でセーブできていたかもしれませんが、「私の病気は娘のせいではない。」と自然とブレーキがかかりました。
主人や双方の両親が、私の病気を理解できるまでには時間はかかりました。でも、完璧に理解できてはいないけれど、厳しい時もあるけれど、私の心の苦しみを和らげようと主人や母が支えてくれました。
心の苦しみを和らげようと高価な品物や食事などをねだったことはあります。それでも「ペンが落ち着くなら今は買う。でもこれ一回だけや」と買ってくれたお財布やネックレスや時計を今みると、申し訳なさで涙が今でも出ます。
時には大金を使って、スピリチュアルスクールに通いバレて「何をしてんのや」と平手打ちを受けた時、主人が泣き崩れたこともあります。それでも、私と離婚せずに、側にいようと決めてくれた主人、双方の親には申し訳ないばかりでした。
今度は、私よりも娘のために何かしてやりたい。幼い頃からシクシク泣く私を見てきた娘になんとか報いたい。
そして、コツコツと教育資金などを貯めていきました。(その頃には衝動買いの癖はなくなりました)でも、娘は「いいから、いいから。ママは買い物をしてないでしょ。いい洋服買いなよ。」と言って、たまに学校帰りにこっそり美味しいお菓子を買ってきてくれて、私が泣けてしまいます。
この春から高校1年生になり、進路についてボチボチ考えろと学校から指導を受けています。「この子は何をかんがえているんやろ?」と思っていたら、つい最近志望進路を提出したと聞いたので聞いてみました。
すると、
「私、心理学専攻でいく。他にも考えてはいるけれど、真っ先に考えたのはこれや。」とはっきり言いました。
理由は、私を治すのは今の先生にお任せして、自分はこれから心の病で苦しむ人や子供達(小児心理は不登校問題で対応できる心理士が少ないと聞きます)を少しでも元気になるように助けたいという気持ちからだと。
それを聞いて、うれしいやら情けないやらで嬉し泣きしました。といっても、まだ確定ではないので、気分が変わるかもしれませんよ。
精神疾患を抱えながら、15年子供を育ててきたけれど、仕事では失敗ばかりだし、自分がこうして精神疾患であることをあかしたら、もちろんライターとしての仕事は絶対こないと思います。
精神疾患といってもいろいろタイプがあって、仕事をすることで、精神が落ち着く人もいるし、ダメになる人はいます。素晴らしい作品を書く人もいるし、一概に「精神疾患は仕事をやらせてもダメだ」というきめつけはやってはいけないのです。
最近、ちょくちょくこのnoteの世界で、とんでもない内容のnoteを見かけるようになり、なんだか嫌な気分になることはあります。
コロナウィルスの影響で、こころの健康が懸念されていて、WHOでも「あなたの心は大丈夫?」という啓蒙活動も始まっています。
1.深呼吸し、心を整え、冷静になる
2.健康的な生活習慣を心掛ける
3.人とのつながりを持つ
4.人に優しく、自分を大切に
5.助けが必要なときは相談する
引用元:WHO「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行下におけるこころの健康維持のコツ 日本語訳-日本うつ病学会」より
新型コロナがいつ落ち着くかは分かりませんが、確実に人のこころを蝕んでいることは確かで、とんでもない事件も起きています。
これからは、「こころを大事にする」時代と言われていますし、容赦なく人を利用したり騙したりして、人の恩を仇で返す人間より、人に対して優しく時には厳しく接しながらも、相手の良さを引き出す人が必要な時代になると思います。
私は、まだまだ病気克服が最優先で、病気への理解なんてなかなか得られないし、多分この記事でますます離れていくかもしれません。
でも、私には少しでも理解してくれている家族がいて、支えていてくれていること。守ろうと支えてくれる家族がいる。無償の愛情であること。
友人や私を慕ってくれている人が、理解できていなければそれでいいし、こんな私でも「よっしゃ、つきあうでぇ」といてくれる人が少しでもいること。私は、広い意味で「優しい人」は大歓迎です。
娘が将来どのような進路を目指すかはわかりませんけれど、娘が小さい時に決めた道が、将来、様々な人の手にどうか届いて欲しいと願います。
長くなりましたが、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
ペンペン
【追記】
WHOのこころの健康の警鐘については、私の担当公認心理士より指導を受けています。そして、これから先はこころの時代とも言われていて、心理学系の本は大量に出ていますが、正確な診断は専門医しかできません。
少しでも日常的なことで、異変を感じた時は必ず専門医を受診してください。
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