絵本『だれでものいえへ』ongoing project vol.07
自費出版を町の工場と連携して製本する
(クライアントがやってきた)
2023年の暮れのこと、浜園浩美さんが新井自宅の仕事場を訪ねてきました。
浜園さんは草加市で高齢のお母様と旦那さんと2人の娘さんとワンコで暮らす一級建築士。
自身の建築事務所を運営すると同時に『こども応援ネットワークPine』の代表であり、また『こども未来食堂マイカ』を主催しています。
そんな浜園さんの依頼は『こども食堂のパンフレットを作りたい』とのことでした。
そう、このプロジェクト『だれでものいえへ』は制作費をクライアント『こども応援ネットワークPine』からいただく経費で賄っている。
つまり自費出版の自費の部分が、Pineの経費になっているのです。
この先のストーリーは、『自費出版すること』と『こども応援ネットワークPine』の想い、に分かれます。
ここでは先に『自費出版すること』について書きたいと思います。
自費出版の世界も色々あって、出版社が個人向けに編集や校正も入れたパックのようなものを用意してくれていたり、同人誌のように製本だけならば直接印刷会社で作ることもできます。
出版社で作ることと印刷会社で作ることの違いは、おおまかにざっくりとですが出来上がった後の本の流通が違うことかと思います。
出版社のパックには書店への配本が含まれているけれど、印刷会社で作ったものは、その先の販売は自分の手による手売りになる。
編集者の手が入っていない同人誌やZINEが、これに当たるかと。
手売りと言っても今は文学フリマなど販売のチャンスが大きくあるので、これも自由な作家性のある魅力的な方法のように思えます。
製作中の絵本『だれでものいえへ』は、直接印刷会社へ持ちこむ方法を取っているので、くくりとしてはZINEです。
でもわたしの場合、自分で自分を編集することは出来ない。
なので編集者土井章史さんにお願いして、編集をしていただいている訳です。
町の工場と連携して印刷・製本をする
印刷会社への持ち込みは、今まで仕事をお願いしてきた縁のある、町の印刷会社 丸庄 さんと、製本は 菅原製本 さんにお願いすることになっています。
つまり、ペレカスブック自社で印刷から製本までのパックを作ったということ。
これは特別なことではなく、菅原製本さんも町のアーティストと繋がって仕事をしたいと言ってくれているので、是非門を叩いてみてください。
更に流通についても考えていることがあるのですが、それはまた後ほど、その段階になった時に報告いたします。
つづく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2024/09/13
ペレカスブック新井由木子
記事の制作公開は、編集者土井章史さん、クライアントこども応援ネットワークPineさんのご了解をいただいています。
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記事:ペレカスブック店主イラストレーター・デザイナー:新井由木子
ペレカスブックは埼玉県草加市の小さな書店。
実店舗は2023年5月にクローズ。新店舗を持てるように奮闘中です。
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