伊藤シュンペイ

Shunpei lto / Guitar / Photo / Music Studio…

伊藤シュンペイ

Shunpei lto / Guitar / Photo / Music Studio KZ Sannomiya / Sendai→Kobe

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制作物

製作・参加した作品をまとめました。 【写真】 撮影は常に承っております。SNSにあげている写真の感じで良ければどなた様でも受付させていただきます。 主に神戸、大阪を中心に、京都など関西エリアでの写真撮影が可能です。 詳しくは ito.shunnpei@gmail.comまでご連絡ください。 【MV】 ▼Ann Lee - 605nm ▼monomouth - 無色透明 ▼タケモトリオ - 365 ▼清水周平 - Black Swan ▼清水周平 - Blue i

    • 鋼鉄でできた秘境は人工衛星の高性能カメラで撮影すると一面グレーの砂漠のようだ。だから誰も気にも留めなかったし、そもそもそこに生きて辿り着くには周囲を球状に取り囲む磁気嵐の壁を抜けなければならない。あらゆる機械は破壊され、さらには動物の神経的な働きを大きく狂わせるそれは全ての生物の侵入を明らかに拒んでいた。 しかし私はひょんなことから、2月上旬の数瞬、北東にある山脈に繋がる経路において磁気と磁気の隙間のようなものが現れることを発見した。この山に身を追われたことを感謝したのはこの

      • おれたちはどう生きるか?

        自分が撮ってる写真は明らかに好きな写真家の影響を受けている。 音楽の中で誰かっぽいことをしてしまうと恥ずかしい気持ちになるんだけど、今の自分の写真にはあまりそれを感じない。多分パッと見た感じのスタイルだけじゃなくて、思想にも共感していて、それ含めて影響を受けていると言えるからだと思う。 音楽も写真もなんでも、上部だけ真似するのはすごく簡単だから面白くない。 そういえば小学生の頃、誰かが言ったことと同じことを言って笑いをとる(奪う)話し方をする人がいた。つまらんことをするなと思

        • 日記(4月)

          2024.4.29 めちゃくちゃ体調が悪くなった。そして一晩爆睡したら治った。特に精神状態がやばかった。一晩寝たら余裕で治りました。定期的で過度な飲酒、睡眠不足をちょっと断続的に繰り返してしまった。それだけならまああると思うんだけど振り返るとインパクトのある出来事が重なりすぎた。ナンゴールディンの極めて長くつらいドキュメンタリー映画、楽しい作曲MVデザインミックス作業、酒、京都で観たブラジリアンミュージシャンがやばすぎて脳を支配され、くらもちふさことプラネテスに食らいまくり、

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          asage

          月曜、午前7時28分、昨夜は雨だったがすっかり止んだようだ。パンパンになった可燃ゴミ袋を2つ無理やり左手に持つ。右半身はミントグレーのキックボードに預けるために空けておく。遮光カーテンが効果的な室内から一歩外へ出ると町はとっくに朝を開始している。体感としての外気19度を味わう。さっそく足早な30代後半のスーツの男をキックボードで軽快に追い抜くと、優越は1.5倍になる。寺の前の回収スペースにゴミ袋を置いたらもうやるべきことは終わってしまい、あとは優雅な朝の貴族となる。 今日は近

          周回

          地元は宮城県仙台市、18歳まで実家で過ごした。 そのあと隣県の山形で大学生として4年間生活し、関東、関西と徐々に南下していくことになる。 地元に帰ると、自分は子供の頃からほとんど変わっていないことを思い知る。帰省時だけ過去に退行してしまうということではなくて、今現在の自分の振る舞い、感じていることの諸々は本当にずっと昔からあるものだと実感するということである。 そしてそれは当時とても心地のよいものではなかった。家族の仲は良い。田舎だけど特に仙台駅周辺はとても綺麗な街で、友人も

          Bad天気

          最近雨が良く降る。それが悪くないと思える時ももちろんあるけど、大抵の人は何か気が滅入るような状態なのではないか。 最近の自分について書きます。と言ってもこの最近というのはおそらくごく瞬間的な今のムードの話で、実際は日々にもっと大きな波があったと思います。 年始から体調をめちゃくちゃ崩して、その後ゆるく痛かった腰が先週動けないほど悪化し、そして鎮静しました。 レントゲンまで撮ってもらったけど異常はなく、まあストレスだろうという事で色々とストレッチをしたりマットレスを替えたり整

          生活のSTARS

          1.生活のSTARS 天の川と自分の爪先の原子核は同じくらいに遠いように感じる。 ある段階から距離に無自覚になる溝のようなものが存在するのか。距離という単位はグラデーションのような気がしてて実はそうではないのかもしれない。私たちはどこかでいくつかの区切りを打つのだろう。分かりたい、分かりたくない、という感情がステップAとステップBの間に明確な段差を生む。それを私たちはあらゆることに適用して認識している。全ての人の死を等しく悲しむことはできない。それは自分という設定に必要か否か

          I_SHOOT

          Ⅰ. 2023年2月 この本に収められた写真は、およそ2022年6月〜2023年2月の間に撮ったものです。神戸、大阪、東京、仙台、奄美、アラブ首長国連邦と、旅好きでもない私にしては、随分様々な場所で撮る機会に恵まれました。 その先で私がシャッターを切ったことは、取り立てた感動や発見によるものではありませんでした。ただ手元にカメラがあって、目の前を過ぎゆくなにかがあったから撮ってみた、程度の動機しかなかったように思います。 記録がしたかったわけじゃない。 誰も見たことのない何か

          言葉にするにはあまりに

          あと7日で今年が終わります。
いつもやりたいことの上位に何か文章を書く、ということはあるのだけど、後回しになって良くない。 それでも月に1本は何かしらの日記なり、歌詞なり、小説風の謎の文章なりを載せれたのでまあ良しとします。 きっとこの年末、それぞれがどんな一年だったかを振り返っていることでしょう。 そんな会話をしていて、僕は自分が何かを断定することについて、とても抵抗があることに気がつきました。 どんな一年だった? いい一年だった、楽しい一年だった、つらい一年だった。

          言葉にするにはあまりに

          大王

          船底の碧いビンが転がって壁を叩く、その時の音叉のような鈴のような響きに目を覚ます。 昼か夜かもこの暗い部屋ではわからない。船員の足音と船の振動だけが、外の様子を窺い知るわずかな手がかりとなる。 あれからどれほどの時間が経ったのだろうか。 最後の美しい記憶は踊り子の描く指先のアーチ、その向こうに瞬く星空、時計塔の鐘と鼓笛隊のアンサンブル、果実酒が放つ酸の溶けた臭気であった。 ほどなく砂漠の闇夜に招かれざる火が走り、城はオアシスに立つ灯台のように周囲を照らした。 少しの食糧と金

          海景

          29歳。男。肩ほどまで伸びたストレートの黒髪。細身で長身。髭は特に伸ばしたいわけでもないので気がついたら剃る。 俺は海が好きだ。だけどこの街には気軽に海に行く手段がない。というかそもそも家からほとんど出ることなんてないし、詰まるところ、実物の海を観たことがない。 だが海が好きだ。何かおかしいだろうか?俺は映画が好きだから、そこで海を堪能している。 映画なら、日本全国どころか世界中の海を見ることができるし、費用もほとんどかからない。 俺は別に泳ぎたいわけじゃない。遠く眺める

          シルエット

          誰かに捨てられた花が 家のテーブルで咲いていた 花瓶は青色 薄いガラス  窓の光は通り過ぎる時少し曲がって 食卓に落っこちた オレンジに近いにおい  断面 古くなった水道水の匂いがする だけど生きていると確かに分かること  不思議でならないね そう思わない?  誰のために咲くっていうの 君 命の種は多分鳥が運んだ それより高いところに太陽はあった 雨や光はいつまでも窓の外を降った  私はあなたとテーブルで夕食を囲んだ 誰がそれを想像しただろう 二度と何かを話すことはなか

          よく寝て屁をこけ

          安易な表現、ということを避けたいと良く思う。これは一聴すると簡単なようで、実はその原因を見つけることが難しいと思います。 センスの良し悪しとも、技術の有無とも違う、安易か否か。これを最近(ふわっと)考えることが多いです。 破壊的、グロテスク、エロティックなアート作品は特に安易さというか、テーマの強さに作品作家が飲まれている感じがすることが多いです。抽象的なものもそうかもしれない。 社会的に触れることが憚られる空気があるテーマにおいて、芸術を介すると、それに接近することを許さ

          よく寝て屁をこけ

          はじめて花を買った日

          初めて花を買いました。近所の花屋さんの一角に、「お買い得 !」の札と共に並んでいるのを見て、250円で購入しました。 いくらで仕入れているのかわからないけど売れ残ったらロスもあるだろうし、一体どれほどの利益がある商売なんだろう、と思ってしまうような安値の花々が、色とりどり静かに息をしていました。 自分の写真を見返していて、何気なく撮っている写真の何割かは、植物にフォーカスしていることに気がつきました。花を愛でる感覚はそこまでないけれど、何かそれを写真に収めたいと思う自分の気

          はじめて花を買った日