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ハリウッドにもAIの波

日本でもようやく人工知能に関する政策の方向性が議論されており、「Chat GPT」が急速に普及する中、生成AIのリスクが連日伝えられている。

先日行われたG7広島サミットでは生成AIについてG7の見解がまとめられた「広島AIプロセス」が声明として盛り込まれた。

成果を強調する突貫工事との見方も多いが、AI分野の技術開発や投資活動の面で各国に遅れる日本ではまだまだ議論の余地があり、ルール作りの面でも不十分だ。

そんな中、今回は❝AIに仕事を奪われる❞と強く訴えるニューヨーク・マンハッタンに集まった全米脚本家組合(WGA)のストについて取り上げていきたい。

脚本に活用するべきか否か?割れる意見

全米脚本家組合は映画やテレビの脚本家たちの労働組合で1933年に設立された。

今月2日、ネットフリックスやアマゾンなどが加盟する全米映画テレビ製作者協会との交渉が決裂し、約15年ぶりに米国の各地でストライキに踏み切ったという。

もともとはネット動画配信サービスの台頭による収入減への不満があったが、放映回数がテレビ番組の制作より減少し、脚本家に週給は過去10年で23%も減ったという。

そこに「Chat GPT」が追い打ちをかけた。

AIが幅広い仕事に影響を与える中、脚本家たちは逆風にさらされている。

対話型AI Chat GPTはハリウッドの制作現場を大きく変えている。
グーグル傘下のディープマインドは、生成AIの基盤となる「大規模言語モデル(LLM)」の技術を使い、脚本家を支援するシステム「ドラマトロン」を開発した。

ドラマトロンでは検索窓が設定されていて、そこに簡単な映画のサマリーを書くと脚本を自動で生成してくれる。

タイトルや登場人物のキャラクター、場面設定などの詳細な提案を文章で返してくれる。

「ハリウッドの映画製作で、AIを使うことで新たな手法でエンターテイメントを作り出すことが出来る。AIを使うことでより効率的に、より安く、より速く市場に作品を出せる。」と歓迎する制作会社の人物もいれば、

ストライキを起こす人の中には「頼りすぎると平均的な作品が大量に作られジャンクフードのようになる。」と懸念する者もいる。

19世紀初め、産業革命が起きた時、産業用機械という新たなテクノロジーが誕生し、今日が奪われることを恐れた労働者が、綿織物などの機械を壊して回った。

しかし、技術の進展で人々は単純労働から解放され、より創造的な仕事が生まれた。

その当時の背景と今回のムーブメントは重なる部分があるが、筆者としてはまだ生成AIのもたらす恩恵が広範囲に渡っていないのと、大きなリスクをはらんでいることを懸念している。

AIは人間にはない創造性をもたらすことが出来、記者や翻訳家、調査研究者など既に多くの職業に好影響をもたらしていることは間違いないが、AIは人間の経験を理解することが出来ない。

生成AIについては各国でルール作りなどの面で足並みが揃わない中、失われる仕事や影響を受ける職業の人々の生活をどう支えていくのかを議論していかないといけない気がする。

今回の参考記事↓
「全米脚本家組合の大規模ストの意外な側面」(2023年5月11日)

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