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「客テロ」という行為の行く先

回転すしチェーンで撮影された迷惑動画がSNS上で拡散され、店側が被害届や賠償請求する事態となっている。

一つの騒動が明るみとなり、迷惑動画の投稿は後を絶たない。

数年前、コンビニチェーンや牛丼チェーンで店員がふざけた動画がSNSで拡散され、騒動となった。

一連の騒動は“バイトテロ”という言葉で認知され、お店側がアルバイトの従業員をクビにしたり、出勤停止にするなど対応に追われた。

今回の「客テロ」も確かに悪質な行為ではあるが、この記事では飲食チェーンが抱える現状を冷静に分析し、そこにはどんな実態と背景があるのかをまとめていきたい。

不祥事が相次ぐ体質

回転すしチェーンではここ最近、不祥事が相次いでおり、客からの信用低下を招いていたのは紛れもない事実であると思う。

「安かろう、旨かろう」と現在首位を走るスシローを皮切りに、「安くてうまい」路線を各社が追従。

2000年代以降、税別で一皿100円を売りにする寿司チェーンの拡大が進んだ。

どの寿司チェーンでも低価格で美味しい商品を豊富な種類取り揃えているのは大きな強みだった。

しかし、その一方でかっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトの田邊公己容疑者が自身が以前勤務していた「はま寿司」から仕入れ価格や売上データを入手したとして不正競争防止法違反で逮捕された。

しかも本人が不正入手と知りながらそれらのデータを入手していたと言う。

また、スシローでは2022年6月に「実際は買えないのに買えるかのような広告を出して顧客を呼び寄せる」“おとり広告″の行為が問題となった。

これについては消費者庁がスシローの運営会社である「あきんどスシロー」に対して、景品表示法の違反で再発防止を求める措置命令を出し、行政処分となった。

このように回転すしチェーン業界で起きた数々の不祥事で消費者を裏切っていたのは事実だ。

人手不足の続いている実態

一方で、店舗側としても店舗数が拡大していく裏側で運営が困難を極めていることを忘れてはならない。

大手チェーンでは注文用のタッチパネルやセルフレジ、事前予約のシステムなどを導入。

入店から退店まで一度も従業員と接することなく飲食することも可能になった。

人手不足や人件費高騰の煽りを受けていたこともあり、コロナ禍以降では安全面としてプラスに働いた。

しかし、その半面、従業員の目は客に行き届かなくなった。

それが、今回のような迷惑行為に繋がったとも言えるが、「じゃあ従業員を増やせばいいのか?」と言うと、コスト増を考えると、簡単に増やせない。

お食事を楽しむ空間なのに迷惑行為防止を目的としたAIカメラを設置したり、注文したお寿司以外レーンを回らないのもどこか寂しい。

回転すしチェーン全体として事業体の構造転換を迫られている時期であり、新しい寿司チェーンのモデルを模索する時期なのかもしれない。


過剰な制裁

一方で、迷惑行為をした本人の通う学校名や氏名など個人情報が続々とさらされている。

行き過ぎた正義感がエスカレートし、周囲の加熱具合に飲み込まれて、自分も制裁を加えてやろうという人が後を絶たない。

最近ではもっと人を騙して、金銭を奪い取ったり、異国の地から悪質な仕事を斡旋したり、いのちを奪う事件だって起きている。

そういう人を本来はもっと叩くべきではないだろうか?

私にはどこか弱い者いじめをしているようの見える。

もちろん、一連の悪質な迷惑行為は許されないことかもしれないが、世の中にはもっと危険な犯罪行為や言葉巧みに、人の人生を台無しにする人もいることを忘れてはならない。


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