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ホワイトカラーからブルーカラーへ人々が流れる日

表題のような日が、遠くない未来にやってくるのではないでしょうか。

建設業にいる身としては業界が盛り上がって嬉しい限り。
ただ、それが賃上げや生産性向上などの業界の努力によるものではなく、AIの進化によってもたらされることになりそうです。

今回は「AI時代は、職人になれ」の続編として、AIがどのように業界に影響を与えていくかをテーマに勝ち筋を考えていきたいと思います。


ホワイトカラーで雇用が激減し企業は倒産する

昨今、日本ではどの企業も人手不足に直面し、求人倍率は過去最高水準に推移しています。

 なのに、ホワイトカラーの仕事は減るなんておかしい!と疑問に思われませんか?

海外ではレイオフのニュースが増えてきました。

Amazon 18000、追加9000人
Accenture 19000人
Google 12000人
Facebook 10000人
Microsoft 10000人
Salesforce 7000人
Dell 6650人
Indeed 2200人
Paypal 2000人
Yahoo! 1600人
Zoom 1300人
Spotify 600人

世界全体で日本もその例外ではなく、以下のプロセスを経て、ホワイトカラーでは企業数と就業者数が激減すると予想しています。

・ホワイトカラーではサービスがコモディティ化して価格勝負になる
・1人当たりの生産性を爆上げすることを強いられる

その変化は特にWEB、アプリ、広告、人材、などの無形商材を扱う領域で起こります。

メーカーや商社などの有形商材を扱う領域でも少なからず影響はありますが、「現場(=リアル)」がボトルネックになって、変化するまで時間がかかると予測しています。

ホワイトカラーでは高品質なサービスがコモディティ化して価格勝負になる

AIのおかげで加速度的にオンライン上のサービスが爆発的に増え、かつどれも品質も高いという状況になります。いわゆる「コモディティ化」です。

今までは企業ごとのエンジニアリング力に大きな差があったがゆえ、商品には差がありました。

しかし、AI領域の進化により「商品・サービス」とその「デリバリー」にはほとんど差がなくなると予想しています。

オンライン上のサービスだけではなく、無形商材 (=情報の媒介を価値としているもの) のサービスでも同じことが起こっていきます。

加えてGPTなどの生成AIを媒介することにより、言語の壁を越えて、情報伝達やサービス提供ができるようになりつつあります。そうなると、国内のサービス提供者は大きな資本をもった外資企業と戦わなくてはならなくなります。

そのゲームの中では、資本を持つ会社が有利になり、価格勝負をしかけます。
それに合わせて他の会社もコスト削減をして生き残ろうとします。

1人当たりの生産性を爆上げすることを強いられる

上記のような戦いが想像できる中で、企業は1人当たりの生産性を爆上げしなければなりません。

その際に経営者はAIで賄えてしまう業務は人ではなくAIに任せ、人件費を削減し価格転換するという判断を迫られます。
(経営者がそうしたいというより、それをしないと会社自体が生き残れないという状況になるので...)

知的産業においては組織構成が「意思決定の責任を負う者(=CXO)」を中心とした超少数精鋭になり、「実行する者(=メンバー)」の多くはAIに置き換わると推測しています。全ての仕事がなくなるではなく、少数で仕事を回さないといけないスタイリッシュな企業に代わっていくと思います。

ポイントは「実行する者」よりAIが安価だから、置き換える必要に迫られる点です。

例えば、エンタープライズ営業やデータアナリストなど、今までスペシャリティーをもった高給取りな仕事でも、ましてや経営者という仕事でもその価値とコストの天秤にかける必要に迫られます。

情報が少なく不透明な中で、経営者はコストを削減し価格転換するか否かを早急に決めなくてはなりません。

オンライン上のサービスにおいては以下のPDCAサイクルを高速で回す必要があります。

「安くして導入障壁をなくす」→「多くのユーザーに、深くまで使ってもらう」→「データをとる、改善する」

これができた会社が「Winner Takes All」で勝つと思います。

「高く付加価値を付けて売る」→「限られたユーザーに使ってもらう」→「利益を出して、新しい付加価値を作る」

というのも私個人としては好きなのですが、オンライン上では取りづらい戦略になります。

ブルーカラーにおいては「実行する者」よりAIが安価を実現するには、まだまだ時間がかかるのではないかと考えています。

上記の流れで、ホワイトカラーでは早急に必要な企業数と就業者数が激減します。そして、人手充足なホワイトカラーから人手不足なブルーカラーに人が移行していきます。

建設業で起こる人手不足解消と品質向上

建設業に人が集まると以下のような変化が期待できます。

【いままで】
品質が悪くても、人がいるだけで十分な価値

【これから】
人がいて高品質が当たり前、他でできないことができるが価値

ホワイトカラーで働いていた方が建設業に流れてきた際には、今までのブルーカラーの方々も激しい競争にさらされます。

正直なところ、現在の建設業界の当たり前水準は低いので、「挨拶・報連相ができる」「時間に遅れない・納期を守る」がきちんとできるだけで、現在では顧客から喜ばれます。

しかしながら、人材の流入が起こった際には、それは当たり前になり、それだけでは選ばれなくなっていくと思われます。

各企業は【これから】を踏まえて5,10年の戦略を考えなければなりません。どの企業でも共通して求められる変化は大きく4つあるかと考えています。

AIテクノロジーの活用

建設業のソフトウェアを用いたDXは企画~設計・管理なでの領域では取り入れられ日に日によくなっている印象があります。

しかしながら、実際の施工現場においては、まだまだテクノロジーの導入がされていません。

今後は現場でもAIやロボットの活用をうまくできる個人法人が生産性を上げて選ばれていくようになると思います。

新しい技術開発

現在は人手が足りていないので、クロス屋さんや大工さんなど、いわゆる「一般工」でも顧客にとって価値があります。

しかし、これからは自分にしかできない、簡単には真似できない「特殊工」でなければ顧客に価値を返していくことは難しくなっていくと考えます。

現場未経験の方でも、最近はDIY的に簡単な施工はできてしまいます。
顧客側が自分でやるか、業者に任せるか選べる状態です。

※勿論、クロス屋さんや大工さんの中でも、自分にしかできない施工やサービスを提供している会社もあることは重々承知していますが、ほとんどの施工会社はそうではないのではないでしょうか。

業界の全員が技術面で差別化の努力を迫られるようになります。 

ブランディング

家具といったら...「ニトリ」というように、特定の領域でどう第一想起されるかという点がより求められていきます。

例えば、建築の中では4大ハウスメーカー、5大ゼネコンなどは誰でも知っています。ブランディングの好事例ですが、これはあくまで企画・設計~施工管理の領域において成り立っており、施工会社での事例はまだまだ少ない状況です。

これからは実際に施工をする会社も、クロスと言ったら...○○、大工と言ったら△△というブランドを目指していく必要があります。

購買体験のしやすさ

エンドユーザ―が増改築や新しい施設の建築を検討する場合、購入前と購入後双方でボトルネックになっている点が多くあります。

例えば、問い合わせから見積りまで時間がかかったり、購入から完工まで長かったり、実際完成してみたら思っていたものと違ったり、改善できるところは少なくありません。

技術面だけでなく、顧客体験全般を改善できることが求められていきます。

まとめ

上記のように、AIの進化はホワイトカラーに影響を与え、ブルーカラーに多くのポジティブな変化をもたらします。と同時に、競争が激化し全員が変化することを求められます。

いつの時代も大きな変化は万人にとってチャンスです。

時遊空間もこの変化は10年に1度のチャンスと捉え、もう一段ギアを上げて事業を伸ばしていこうと決断しました。目標の実現にはまだまだ遠いので、チーム一丸となって変化していきたいと思います。

職人さんだけでなく、営業やマーケティング、ブランディング、管理部などの採用を始めていきます。

「建築」「空間」を愛する皆さま、少しでも興味がありましたら、ご連絡頂けますと幸いです。

一緒にこの波を楽しみましょう。

それでは、また。

 

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