「チームをまとめる」とはどういうことか?
近い将来、マネージャーたちをマネジメントする景色に到達したいと妄想しています。
マネージャーに選ばれるような人たちですから、プレイヤーとして成果を出したとか、周囲からの信頼が熱いとか、教育が上手いとか、何かしらの秀でた部分がある訳です。
そんな彼、彼女らを「まとめていく」とは、どういうことでしょうか?
また、どうすればできるのでしょうか?
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マネージャーらのマネージャーに必要なものとは何だろう?という問いにアウトプットを出すために選んだインプットは、以下に示した5冊の本です!
- 君主論
- マネージャーの最も大切な仕事
- 独裁力
- 群集心理
- 自発的隷従論
これらの本を読んで、頭の中で想像を膨らませてみました!以下で文書として残したいと思います。
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「まとめられている」とは?
前提として、マネージャーになるということは、マネジメントする人(マネージャー)とマネジメントされる人(メンバー)が存在します。
そして、少人数のマネージャーが大勢のメンバーをまとめていく必要があります。
さて、ここで”まとめられている”とはどういうことでしょうか?改めて言語化してみると意外と思い浮かびません。
私は、まとめられているとは、「マネージャーが決めたことに対して、メンバーが一心不乱に取り組む状態をつくれていること」だと考えました。
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大勢いるメンバーのなかには、マネージャーが決めたことに対して、反対意見をもつ人が必ずいます。また反対とまでは行かなくても、部分的な修正案を持つ人もいます。
そのため、最終的にマネージャーがこれ!と決める道のりのなかで、議論が激突することもあるでしょう。建設的な議論の激突は、結論を昇華させていたくために不可欠なものです。
しかし、どれだけ議論を重ねたところで、全員が100%同意する結論など出せません。(そんなものは逆に議論するまでもありません。)だからマネージャーは鳥の目、魚の目で全体とその流れを見ながら重心(譲れない部分)を見極めて「決め」なければなりません。
このとき、メンバーには、自分の意見と相違があったり、自分に損が降りかかるなど原因から、マネージャーの最終決定に同意できない場合があります。
しかし、納得していなかろうが、自分にとってのメリットを見つけられなかろうが、マネージャーの決めた事は絶対的に実行する、という(ある種、盲目的な)約束が取り付けられている状態が、「チームをまとめられている」ものだと考えます。
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「まとめる」為に何が必要か?
では、その絶対的な約束を取り付けるために必要なものは何なのか?
一言でまとめると「信頼」になるのですが、それ因数分解してみると、以下のようになります。
信頼 = 恐れ × 支え
一見すると「恐れ」と「支え」は相反する項目です。しかし、この2項目は両立し得ます。以下でこの恐れと支援について考察します。
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恐れ
まずは、恐れです。
マネージャーは人から恐れらている存在になり、またそれでいて恨まれないことが重要です。
マネージャーが優しく正しい人であったとしても、何も決めれず、力もなければ誰も守ることは出来ません。そしてメンバーは自分のことを守ってくれない者に対して忠誠を誓いません。
マネージャーは仲間に対しても自分に対しても厳格で、組織に秩序と安らぎをもたらす存在であることが理想です。
そのような存在になるために、マネージャーが避けるべき行為が2つ挙げられます。
1. 人のモノを奪わない
人のモノを奪うという行為は、絶対に避けるべきです。財産、名誉、お金、手柄、成果、、etcを奪ってしまうと人から恨まれてしまいます。
恨みと恐れは似て非なるものであり、恨みはしっぺ返しのように必ず自分に返ってきます。
2. 人からの軽蔑を避ける
軽蔑されたり、みくびられるとメンバーから恐れられる存在で無くなってしまいます。一番軽蔑につながりやすい点として、判断力が鈍いところをメンバーに見せてはいけません。
優柔不断で時間が解決してくれるだろう、、などと決断を先送りにするマネージャーは簡単にみくびられるでしょう。
良質な知識のインプット、周囲に優秀な部下を配置、抽象的概念の決断方法などを駆使して、判断力を高めておくことが求められます。
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また、恐れの一部として、権力(会社だと主に人事権)は正しくつかうと、非常に強い武器になります。
過度に権力に取り憑かれていたり、逆に、過度に権力を毛嫌いしていてはいけません。
権力を正しく用いて、組織を統治することはマネージャーにとって必須のスキルといえます。
しかし権力を正しく使えている人は稀でしょう。
権力という道具が野球のバットのように実態がなく目に見えないため、手にしても実感が湧かない。
また、バットのようにこの握り方がスタンダード、というような使い方が存在せず、組織構造、人間関係、権力の権限範囲などが組織ごとに千差万別で、一般論として権力の使い方を唱えにくいことが、要因だと思います。
自分の権限範囲、責任範囲をRACI図を使って整理すると、スッキリと可視可できるかもしれません。
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支え
もう1つ、メンバーを支えることはマネージャーにとって最も大切な仕事の1つです。
支えるとは、仕事の進捗を最大化するための働く環境づくりです。
【働く環境づくり】
- 空気を作る
- 障害(進捗の阻害要因)を排除する
- 仕事に意義づけをする
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- 空気を作る
マネージャーは空気を読んでいる暇などありません。前向きで、活力がある空気を自らどんどんと醸成する必要があります。
マネージャーの声、表情、感情は組織に大きな影響を与えます。(組織の空気は、いわゆる心理的安全性に大きく影響します。)
また、空気を作る上で重要なのが一貫性です。マネジャーは普段から、譲れる部分と絶対に譲れない部分を明確に示し続けておきます。
そして、譲れる部分に過度にリソースを投下していたり、譲れない部分を犯したメンバーに対しては、即叱る。逆に絶対に譲れない部分を期待以上にこなした場合は即褒める。
この即時フィードバックの繰り返しで、メンバーにどのように仕事を進めていけばよいのかを学習させ、組織として讃えるべき事、組織として責めるべきことを全員が理解してい?空気を作り上げていきます。
その空気が出来ればメンバーは素晴らしい自走力を発揮してくれるでしょう。
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- 障害(進捗の阻害要因)を排除する
仕事に対するモチベーションが最も低下するのは、仕事が障害により進まなかった時です。テンポよく仕事が進んだ時は気持ちが良いです。
しかし、同じところで悩み続け昨日から進捗がでなかったり、こなした仕事がおじゃんになったりするとモチベーションに大ダメージです。メンバーが全く進捗を出せていないと、イライラするかもしれませんが、マネージャーはそこで感情に身を任せてはいけません。
マネージャーは進捗の阻害要因を見つけ出し、それを徹底的に潰す(先回りしてできるとなお良し)ことが大切です。
メンバーの心身、職場環境、組織構造などあらゆる可能性を考え、自分が影響可能な範囲のものを改善、改革していく事が求めらるのです。
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- 仕事に意義づけをする
その仕事をなぜ我々がやるのか、仕事をして何が得られるのか、仕事をどう捉えるのか。そういったことは、メンバーの視点からはなかなか見えにくいものなので、マネージャーが力強く断言し、反復して聞かせる必要があります。
有名なイソップ寓話でこのようなものが、ありますよね。
中世のとあるヨーロッパの町。旅人がある町を歩いていると、汗をたらたらと流しながら、重たいレンガを運んでは積み、運んでは積みを繰り返している3人のレンガ職人に出会いました。そこで旅人は「何をしているのですか?」と尋ねました。すると、その3人のレンガ職人は次のように答えました。
1人目は、
「そんなこと見ればわかるだろう。親方の命令で“レンガ”を積んでいるんだよ。暑くて大変だからもういい加減こりごりだよ」と答えました。
2人目は、
「レンガを積んで“壁”を作っているんだ。この仕事は大変だけど、金(カネ)が良いからやっているのさ」と。
3人目は、
「レンガを積んで、後世に残る“大聖堂”を造っているんだ。こんな仕事に就けてとても光栄だよ」と。
3人目の方の捉え方は素晴らしいですが、レンガ積みを任されて、いきなりこんな素晴らしい考え方にはなれないと思います。「レンガ積みをやって」と言われた瞬間は、1人目や2人目と同じように考えていたはずです。
ここでマネージャーは1人目から2人目、そして3人目の考え方へと移っていく手助けをする必要があります。
ただ命令されているから、お金が貰えるからという外発的動機付けによって働くのではなく、自分の使命だから、自分が楽しいからという内発的動機付けで働けるように支援が必要です。
仕事がいかにその人にとってプラスなのか、社会的に意義のある仕事なのか、仕事がどのようにお客さんの笑顔につながるか、何度も語りかけてあげる必要があるでしょう。
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本記事はいかがだったでしょうか?
信頼 = 恐れ × 支え
という公式をもとにマネージャーに必要なものを、行動レベルまで落としていきました。この内容に従って、マネジメントのための行動をとっていきます。
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私はマネジメントしているとき、こんなことにを意識しているというのがあれば、是非コメントで教えてください!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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