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思えば遠くへ来たもんだ

先日のnoteにも書きましたが、送別会参加のため、バンクーバーに1人で一泊で行ってきました。

ビクトリアの家−フェリー(1時間半)−ホテルまでDoor to doorでなんだかんだで4時間くらいかかります。何が一番キツいかというとフェリーを降りてからホテルに着くまでの高速運転。

バンクーバーはカナダ第三の都市なのでハイウェイはでかいし、みんなびゅんびゅん飛ばしてるし、いろんなハイウェイが交差しているので、どこで降りるかなど、ちゃんと把握していないといけません。

最近はスマホのマップが充実しているのでだいたいそれをナビにして運転していますが、普段は夫が横でスマホを見ながら指示してくれるのですが今回は1人だったので安全運転かつ迷わないようにw気をつけて行きました。もともとかなり方向音痴なので。。。

幸いトラブルはなく、無事にホテルに着いたのですが、運転しながらずっと考えていたことは「思えば遠くに来たもんだw」ということ。

私は20年近く前にカナダにやってきましたが、日本で運転免許は持っていませんでした。佐世保の田舎で育って、高校を卒業した時、男友達はみんなそろって教習所に通っていましたが私は全く興味がなく。。

つらつら思い出してみると15年くらい前に当時の夫から、誕生日プレゼントとしてカナダの教習所のコースをもらったのでした。当時はカムループスという田舎に住んでいて、車が無いとかなり不便な生活でしたので、そろそろ免許を取るべきか、と教習を始めた訳です。

最初の練習は夜、確か近くのショッピングモールの駐車場でやったことを覚えていますが、初心者ってアクセルの踏み具合とかも全然わからないじゃないですか。思いっ切り踏んで、びびって泣きそうになったことを良く覚えていますw 「もうやだ、やりたくない〜」みたいなww 

今となっては笑い話ですが、当時の私には深刻でした。

そんな私が、今は1人でフェリーに乗って、遠くの街のハイウェイを運転し、1人でホテルにチェックインして1人であまり知り合いのいない送別会にビクトリアを代表して参加。

思えば遠くへ来たもんだ。

でもこう言うのって、ほんと、慣れだと思うんですよ。

数年前、とある雑誌だったかTV だったかの取材で、BC州のある街に取材に行って欲しいと日本から連絡がありました。ご存じのように私は島に住んでいるので、ここからメインランド(バンクーバーその他のある「大陸」側です)に行くとなると交通費や宿泊費がかかります。もちろん自腹を切ったりはしないので、先方に、お引き受けしてもいいですが経費が結構かかりますよ、それか、バンクーバーに住んでいる知り合いのライターさんをご紹介しましょうか?とお話しました。仕事は惜しいけど、同業者同士こういうときにサポートしあわないとね。

そのライターさんに連絡をすると「興味はあるんですが、私ハイウェイ運転するのが苦手で。。。」というお答えが来てびっくりしました。取材に行くのを運転が苦手なことを理由に断っていたら、全然仕事にならないじゃない、と。

でも、私だってそういうことは過去にあったのです。

カムループスで免許を取って(確か二回くらいテストに落ちた記憶がw)、その後ビクトリアに引っ越して来たのですが、何故かガソリンを入れるのは常に夫の仕事でした。というのも、やり方を習っていなかったから。カナダには(アメリカもそうですね)ほとんどのガソリンスタンドでセルフサービスとフルサービスがあり、フルサービスは日本のシステムとほぼ同じで、黙っててもスタッフの人がガソリンを入れてくれるのですね。セルフサービスは自分でガソリン入れて、窓なんかも綺麗にしたければ専用の用具があるのでそれでちゃちゃっと洗って。。という感じで、セルフだと少しだけ安いです。

ガソリンの入れ方を知らなかった頃は、専ら(当時の)夫に頼んでやってきてもらうか、フルサービスを利用していました。そのうち教えないとな〜と夫も言っていましたが、そのままになっていたある時、日本人の友達にそのことを話すとすごくびっくりされましたw 「もう、じゃあゆかりちゃん今度ガソリンの入れかた教えてあげるから一緒に行こう!」って。彼女は私よりいくつか年上で、カナダ滞在歴も長いので、そんなこともできないでどうするの、とびっくりしたみたいです。

もちろんその後ちゃんとガソリンの入れ方は習って、今ではセルフサービスしか使いません。

こういうことを考えると、いつも、ゲームの「経験値」という言葉が頭に浮かびます。経験値に年はあまり関係なくて、その人がどんな人生を送ってきたか、何が普通だったか、によって、みんな得意、不得意なことがいろいろあるんですよね。

私が19くらいの時、仲良かった友達が、結構「ヤン」入ってる子でしたが私よりはるかに料理の腕が良くてびっくりしたこと。「小さい頃から親が包丁握らせてくれたから」

50代女性でソーシャルメディアマーケティングではかなり名の知れた女性が「車の運転怖い」と言っていたこと。

以前お世話させて頂いたお客様は、超がつくほどのお金持ちでしたが、全て人にやってもらっている生活のため、海外に出てくると普段の常識が通用しないのですごく不便だと仰っていたこと。

誰だって苦手なことはあると思いますし、克服するのは大変ですけど、ひとつずつやって行くたびに、経験値が上がって行くのだと思います。

子供を産んだ時、幼稚園、小学校、中学校、高校に入れて卒業させた時、ビジネスを起ち上げた時、離婚した時(これはあんまり嬉しくないですけどね)、引っ越したとき、車のタイヤがパンクした時、アメリカに一人旅した時、知り合いの誰もいないカンファレンスに一人で参加した時、再婚した時、、、、

「これでまた経験値上がったな」と思います。時々、「すごいですね〜」と言われますが、すごくないよ、単にそのエリアの経験値が高いだけだよ、と思います。まだまだ私にはやったことないこと、怖くてできないことはあります。例えばヨーロッパには行ったことがないのでそちらの情報はネットで得られる分だけしか知らないし、金融関係の通訳は数学苦手なので今でも緊張します。株のこととかほとんど理解できていないし、東京に行くたびに電車・地下鉄で焦ります。

だから、今では車の運転が怖いと言っている人を馬鹿にはできないですね。

私の仕事では沢山の留学生のみなさんとお話しますけど、留学が不安で仕方が無い、という人も時々います。カナダがもう日常になっている私には「これのどこが怖いの?」と思いますが、本人には切実なんですよね。こういう人達のfearを笑わないで、親身になってあげることが留学エージェントの仕事の一つだったりします。

それにしても。

思えば遠くへ来たもんだ。故郷離れて20年。

20年後の自分は一体どこで何をしているんだろう。






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