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読書メモ:トーコーキッチンへようこそ

まちの小さな不動産屋が営む、入居者向け食堂「トーコーキッチン」。朝食が100円で食べられるこの食堂は、部屋で使うカードキーのみで扉が開くちょっと不思議な場所で、さまざまな人が集います。友だちを連れて、彼女を連れて、安心して女性一人で、部活仲間と、ベビーカーで、家族でごはん…、それぞれのストーリーが繰り広げられる日常の場「トーコーキッチン」の魅力をご紹介します。

あらすじより


手に取った理由

「まちの不動産屋さん」が、入居者専用の食堂をやっているのは、なぜ?
というところから、興味を持って読み始めました。
私も「まちの不動産屋さん」で働いており、「食べることが大好き」なので
同じような楽しいことができれば良いなぁという思いもあり、読み始めました。

気付き

・食堂運営は、まちの不動産屋さんが、目の前にあった問題を解決するための手段としてたどりついた最適解。
・食堂運営は、物件やオーナーに依存せずにすべての管理物件の資産価値を  アップさせる裏技。
・もめ事を起こさない仕組み(知るは寛容のはじまり)
・求めているのは、コミュニティでなく、コミニュケーション。
 →一人一人とのコミニュケーションという点をひたすら打ち続けている。
 →コミュニティ形成は、目的でなく、あくまでも結果。一つ一つのコミュ  
  ニケーションの積み重ねによる果実。
・実物の「みんな」とは目の前の一人ひとりの集合体

学び

「不動産屋さんが食堂をやる目的は?」「ビジネスとして成立するものなのか?」「どういう工夫をされているのか?」という私の感じた問いに対して、全て網羅されており、本当に勉強になりました。

まず、本書では、賃貸不動産業は、「究極のサービス業」(著者の先代)、「エンタメ業」「そこに住む人の暮らしをより楽しくすることに携われる稀有な仕事」(著者)と書かれています。

賃貸不動産業に関わるもの(ワタクシも)としては、
賃貸業の商品は「部屋」というところで発想が固定化し、
リノベーションや設備・金銭的メリットといった
オーナーさんの施策で商品(お部屋)の魅力を増してもらうところ
ばかりを考えがちです。

賃貸不動産会社が「商品(トーコーキッチン)」を提供し、
管理物件の資産価値をアップさせる、
それによりビジネスを成長させるという、
今までの商流の延長線上でなく、
新しいポジションを確立させてたとことが、
差別化であり、これが、肝なのかなと思いました。
実際、今後、著者は色々な「商品」を提供することを「あとがき」に書かれています。

大変読みやすく、且つ、「差別化戦略」の事例として、
大変学びの多い良書です。





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