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「地域」のコミュニティ主催者どうしで話し合おう|コミュニティテラス vol.1 イベントレポート

 ピーティックスの新しいイベントシリーズ「コミュニティテラス」が始まりました! 「コミュニティテラス」は、イベントやコミュニティの主催者・関係者が交流できる場所づくりを目指しています。
 コミュニティテラスvol.1のテーマは「地域」。ローカルコミュニティのお話です。ゲストに、地域コミュニティのスペシャリスト、「としま会議」中島明さんをお招きしました。

【ゲストプロフィール】

中島 明(なかじま・あきら)さん

としま会議 代表
RYOZAN PARK インキュベーションマネージャー

株式会社リノベリング チーフディレクター関係構築と場づくり、共創型プロジェクトを専門とし、テーマコミュニティからローカルコミュニティまで、企業・行政・NPOの他、政治家・映画監督・料理家・スポーツ選手・アーティストなど、様々なプレーヤーとプロジェクトを共にしてきた実績を持つ。
2014年からローカルの分野で積極的に活動をスタート。としま会議(2014〜2024)や池袋ローカルゲート(2020)などを企画・プロデュースする他、2017年からは東京都認定創業支援施設にも認定されているRYOZAN PARKのインキュベーションマネージャーも兼任。その他、2015年からは全国に広がるリノベーションスクールの運営にも関わり、各地の新しい動きを後押ししながら、イベントとコミュニティの間、コミュニティのその先のつながりについて、日夜実践と分析を繰り返している。
手を繋ぎあえば、人の可能性が花ひらく。20年コミュニティに関わり続ける中島明さんが、コミュニティより大切にしたいこと

▶ピーティックス グループページ としま会議実行委員会

 まずは乾杯からスタート。中島さんのこれまでの活動を、参加者との会話を交えながらお話いただきました。

 この中で、中島さんがコミュニティ運営において、いつも気にかけている4つのポイントがとても印象に残りました。ぜひ参考にしていきたい点です。

 ベクトル、熱量、距離感、スピード。この4つをいつも大事にしています。
 コミュニティは、みんな同じ目的でいるようで、それぞれのベクトルが少しずつズレたりしますよね。ズレること自体が問題ではなくて、そのズレをどの方向に合わせていくのか。
 熱量は、話を頷きながら聞いている人とつまらなそうにしている人がいるときに、それが見えているかどうか。どちらかに手を打つのか、両者をつないで混ぜるのか。そのさじ加減ですね。
 距離感についての「コミュニティあるある」でいうと、初期メンバーは結束が強いけど、新しい人は入りづらいとか。代替わりすると、今度は初期メンバーがつまらなくなっちゃう。距離感が近い人と遠い人でコミュニケーションは違うので、コミュニティの中でもメンバーがどの距離にいるのかは考えますね。
 最後がスピード。ベクトルがまったく同じ方を向いていても、ある人はゴールまで10年でいこうとして、ある人は1年で行こうとしていたらペースがぜんぜん違う。どうやってスピードを合わせていったらいいのかを考えるようにしています。

 質問タイムは、10問以上の質問が飛び交う盛り上がり! 一段高いステージがあるのではないフラットな空間のためか、ゲスト対参加者というよりも、会場全体で対話しているような雰囲気になりました。

【質疑応答】
当日たくさんいただいた質問の中から、一部をお届けします。

Q. 地域のコミュニティって、すでに内輪で固まっていることが多いイメージです。よそ者が地域に入り、コミュニティを作るためには、最初のきっかけはどうするとよいですか。

A. 人が集まる場所を発見することですね。近所の人が通っている地元のカフェだとか、場合によっては銭湯かもしれない。まずはそこのマスターや店長と仲良くなっておく。そして人が集まるいいお店は、必ず良いつながりを持っているお店が多くて、そういうお店はショップカードも要チェックです。つながりとか関係性もそういうところから分かったりするので、そこからさらに広げていけますよ。


Q. 「地域に飛び込むなら、地元の人と酒を飲むんだよ」というアドバイスをもらったことがあります。中島さんはお酒が飲めないそうですが、ぼくもまったく飲めません。どうしていますか。

A. 最初に、「飲めません」とは伝えます。それでも、どうしても「飲もう飲もう」と勧められるときは、飲んでいると見せかけて別のお椀に捨てることもあります(笑)。
 ただ、その地元の人にとってはお酒だったけど、それ以外の好きなことを見つけるのはどうでしょうか。美空ひばりが好きな人だったら一緒に歌ったほうが早い。ラジオ体操が好きなら早起きして一緒に体操をする。企画の提案をするより、そうやって関係を作ることが大切かもしれないですね。


Q. コミュニティ継続に重要なのは、自分自身のモチベーションの高さを維持することだと思うんですけど、どういうふうにしていますか。

A. 基本的には自分が楽しいこと、好きなことしかやらないですね。仕事が詰まったときはしんどくなっちゃうから、「としま会議」も毎月といいつつ休むこともあります。
 ありがちなのは、お客さんには満足してもらえているけど、運営チームがヘトヘトになっていること。運営が無理してたり負荷がかかり始めると、長くは続かないですよね。運営メンバーも満足するようにいつも考えています。


Q. この登壇者だったらこういう打ち出し方をするとか、集客の工夫やコツはありますか。

A. ゲストの話を聞くのもおもしろいけど、ここ(客席)にどういう人がいるかのほうがリアルな価値だと思っています。熱狂的なファンがいるアーティストだって、みんな音楽もアーティスト自身も好きなんだけど、客席の一体感を楽しんでますよね。場の設計とかバイブスがどうなるかのイメージをきちんと作っていく方が、集客の数より大事かなと。「このイベントはこの人にぜひ聞いてほしい」という人をダイレクトで誘うのもいいですね。

 イベントの質疑応答というと、なかなか最初の手が挙がらなかったり、すぐに質問が途切れてしまうこともしばしば。しかし今回は、中島さんがご自身の体験を交えつつ丁寧に話してくれるので質問が止まらず、予定の時刻をオーバーする熱量でした。

【終了後のアンケート】

「一方的なおしゃべりでなく、参加者との対話で進んだところがよかったです」 
「地域コミュニティに飛び込むやり方を知ることができた」
「様々なコミュニティを開催している方の話を聞けて良かったです」
「コミュニティという枠で話ができたので、どなたとでも話しやすかった 」
「知らない人たちとの交流に飛び込まなければ、広がりは作れないなと実感しました」

【コミュニティテラスvol.1 概要】

  • 日程 2024年2月27日(火)

  • テーマ 「地域」

  • ゲスト 中島明さん(としま会議 代表/RYOZAN PARK インキュベーションマネージャー)

  • 会場 LULL TECH BEACH(ラルテックビーチ)

“人も仕事も集まるビーチ”をコンセプトとした渋谷駅徒歩3分のコワーキングスペースです。

次回、コミュニティテラスvol.2は、4月4日(木)に開催決定。ご参加をお待ちしております!


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