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アドヴェンチャー・ランナー の仮説(2)

*アドヴェンチャー・ランナーの仮説(1)はこちら

前回の話の続きになるのだが、今回は「頭が感じるもの・体が感じるもの」について考えていきたい。「頭が感じるもの」というのは、言い換えれば「頭が考えるもの」となる。

五感というのは、生きていればふだん誰もが感じられるもの。しかし、目や耳、鼻、舌、皮膚で感じられる感覚は、神経を通じて最終的には頭(=脳)が感じるもの。

たとえば、空腹感(=お腹が減ったという感覚)。ある程度何かを食べたら空腹感はなくなり、満たされた気持ちになれる。

しかし、いくら食べても食べ足りないという感覚も人によって時に起こり得る。これも、脳の中枢が「お前はすでにお腹いっぱいで満たされている」という信号をキャッチしたかどうかで決まること。

だとしたら、ほんの少し食べただけでも「お前にはすでに満腹であって、もはや空腹感はない」ということを頭が感じたら、それ以上食べることは欲しなくなるということ。

他の例を挙げるとしたら、暑い寒いという感覚。

暑い(寒い)と感じていても、それが心地良いと感じれば、暑さや寒さは不快に感じなくなる。

あるいは、走っていて実際足が重くても「足は軽い」と感じれば、さらに快適に快調に走れる。

頭が考えることと体が感じることというのは、自分の意識のあり方で自由自在に変えられるということなのかもしれない。これはすなわち、頭が感じることを体に言い聞かせるのと同じことなのだろう。

五感を研ぎ澄ませることがまずは必要になってくる。これは言い換えるなら、自分の内にある60兆もの細胞を(全ては無理だとしても)できるだけフル稼働させること。

そんなことが可能ならば、ネガティヴな感覚はすべてポジティヴに変えられる。何を見てもうれしいし楽しいし感動できるし、何を食べても美味しく感じるし、始終ハッピーな気持ちでいられる。素晴らしいことではないか。

ここで、自分自身という人間の細部を探ってみる(これも仮説に過ぎないのだが…)。

どんな人間にも、表面上に見えている普段の自分自身と、ふだんは表に出てこない内なる自分自身(イナーセルフ)がいる。

イナーセルフというのは常に自分の内に眠っていて、何か特別なこと(自身の生命が危険に晒される場面など)がない限りほとんど表には出てこない。

イナーセルフこそが真なる自分。イナーセルフに目覚める瞬間、人は60兆もの細胞の内、今まで決して使うことのなかった細胞を最大限使って生きようとする。

イナーセルフに目覚めたら、人は自身のあらゆる感覚さえ自由にコントロールできて、今まで不可能であったことも可能にし得る(実は、不可能だと頭だけが思っていたのかもしれない)。

痛みや苦しみ、暑さ寒さとか疲労感・空腹感・満腹感といった脳が感じていることもなかったことにしてしまえる。突き詰めれば、頭で考えていることに対してそれとは逆の感覚を感じさせることができる訳だ。

体内の細胞の10%程度しか使っていないのが普通の人間。
これを少しずつ増やしていけば、人はいつかスーパーマンになれるのかもしれない。大阿闍梨や修験者のように厳しい修行を積まれた方々も、実はこういったシステムを密かに体得していたのではないだろうか…。

個人的には、体は大地(=地球)と、心は宇宙(=神?)とつながる感覚が必要なのだと思う。超越したパワーやエナジーはそんなところから生まれてくる。

メンタルな部分よりは神経系統と細胞のコントロール。
科学で説明するよりかは、自分自身の中でまず実証。
まだまだ検証が必要な点は多いが、これからの旅において、自分自身でトライアル・アンド・エラーを繰り返しながら何らかの結論を出してみたい。

西オーストラリア州ナラボー平原をゆく(2013年10月)

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