高繁勝彦(アドヴェンチャー・ランナー)

PEACE RUN世界五大陸4万キロを走るアドヴェンチャー・ランナー、日本一周約7千キ…

高繁勝彦(アドヴェンチャー・ランナー)

PEACE RUN世界五大陸4万キロを走るアドヴェンチャー・ランナー、日本一周約7千キロ、北米5千3百キロ、豪州5千2百キロ、ニュージーランド2千8百キロ、西欧3千370キロ走破完了。現時点で3大陸で1万7千キロ。残り3大陸(ユーラシア・アフリカ・南米)で2万3千キロを走る。

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スペイン巡礼で見えるもの〜その5

*歩くことについて いうまでもなく、巡礼路は歩く人たちがメイン。 最近では自転車も増えているし、どんなに坂がきついところでもeバイク(スポーツタイプの電動アシスト自転車)で走るシニアの方々も結構おられます。 基本は荷物を背負って歩くということになりますが、ほとんどの方はバックパック。 重いものを背負いたくない人は、荷物の搬送サービスが6ユーロ(約1200円)で次の宿まで運んでもらうこともできます。最小限の荷物だけ小さめのバックパックで背負って歩かれる方はかなりいるよう

    • スペイン巡礼で見えるもの〜その4

      *アルベルゲについて サンティアゴ巡礼路で宿泊するとなると、まずはアルベルゲであろう。 巡礼者のための宿泊施設で、公営のものと民営のものがある。基本はドミトリーで男女混合。シャワーやトイレも共同。 公営のものは一泊当たりの料金が安い(10〜15ユーロ、場合によってはドネーション)、が予約ができないので先着順。私が泊まったところは大部屋が多く、修道院の施設をそのまま使っているところもあったりする。 民営のものは20ユーロ程度だが、個室のシングルルームがあるところもある。

      • スペイン巡礼で見えるもの〜その3

        サンティアゴ巡礼路を走るというのはある意味異端児のすることであるのかもしれません。 歩くよりも少しだけ早く、自転車よりも少し遅い。どっちつかずの立場が私のバギー。 コウモリの寓話があったのを思い出します。 コウモリは鳥か動物か? それで、どちらにも属さないと自分で主張して仲間を作れずに終わるというお話。 あのお話のコウモリは多分孤独好きの寂しがり屋、AB型なのかもしれません。 荷物を背負わないという選択をしたら、きっとバギーのような押して移動する方法か、リヤカーや

        • スペイン巡礼で見えるもの〜その2

          「歩く」ということについて、深く考える時間を最近持つようになりました。 多くの人々がこのサンティアゴ巡礼路を歩いていますが、大半は普通の方々。年齢層もさまざま。個人的には女性の方が多いような気もします。年齢的にはシニア世代の方々が中心ではないでしょうか。 ふだん散歩する方にしてみても、せいぜい1時間未満でしょうし7〜8時間歩き続けるという機会は山歩きでもしない限りないはず。山歩きといっても山小屋泊まりで4〜5日というのもまあ登山マニアの方くらいしかしないと思います。 サ

        スペイン巡礼で見えるもの〜その5

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          スペイン巡礼で見えるもの〜その1

          現在私が走り歩きしているサンティアゴ巡礼路、実に多くの人が歩いています。わざわざ800キロもの長旅を歩くために世界各地から人々がやってきます。それも、重い荷物を背負って、時には悪路も進まなくてはなりません。暑さと渇きに苦しめられることもあります。 ここではいろんな風景が見られます。険しい山々の中で、自分がとてつもなくちっぽけに見えることがあります。放牧地帯で牛や馬がのんびり草を食べている場面にも出くわします。広大な麦畑が地平線を描くような風景の中も歩きます。 そんな中で、

          スペイン巡礼で見えるもの〜その1

          サンティアゴ巡礼路の旅が始まる

          8年ぶりにPEACE RUN世界五大陸4万キロランニングの旅を再開させた。前回2016年の旅の続きでもある。今回はサンティアゴ巡礼路を含むイベリア半島をまわる旅。 6月6日、関西国際空港から羽田・パリ経由でフランス、ビアリッツ空港に7日の夜に着いた。だが、初っ端からトラブル発生。ロストバゲッジだ。旅のパートナー、私のバギーVIENTO号がパリに置き去りにされたまま身動きが取れなくなってしまった。 空港スタッフからはオンラインでエールフランスに申請してくれと軽く言われた。あ

          サンティアゴ巡礼路の旅が始まる

          クリストファー・クロスを語る

          クリストファー・クロスのファーストアルバム「南から来た男(1979年リリース)」は本当に完成されたアルバムだった。原題は”Christopher Cross”で彼の名前をそのままタイトルにしている。 デビュー作でありながら、1981年のグラミー賞の5部門を独占。特に主要4部門(最優秀アルバム賞と最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀新人賞)を総なめにしたのはグラミー史上初の快挙だった。 中でも一番響いたのは「セイリング」という曲。 ビルボード誌で週間ランキング1位を獲得

          押して走る旅のスタイル

          バックパックを担いで旅をする。特に珍しくもない光景だが、背負う荷物についてもいろいろとウンチクがある。 山ではもちろんUL(=Ultra Light:超軽量)化が大切で、とにかく1グラムでも荷物を軽くするために極力持参するグッズ類も軽量コンパクトにすることが何よりも大切。重さが命取りになることもあるからだ。 日本一周や日本縦断、大陸縦横断など世界一周規模の旅になるといろんなものを携行しないといけない。個々の荷物の選択は最終的には自己判断になる。 余分なものは持っていかな

          活性化するココロとカラダ

          人間の體(からだ)は神秘に満ちているし不思議で面白い。 走れば走るほど疲労が抜けて、体が軽くなることがある。 長い間走って、連日40〜60キロ移動する旅を続けていると、体にも変化が訪れる。 具体的には、髪の毛や爪が伸びるのが早くなるし、怪我をしても一晩で治ってしまう。 走り続けていると栄養の吸収も速い。お通じも快適。 自律神経系の動きも良くなるし免疫力も高まるのだろうか。 新陳代謝も普段以上に活発になってくるということ。 ただし、心から、魂から、走ることを愉しめ

          紫外線について知っておこう

          ウルトラランナーの皆さん、この時期、長時間炎天下を走るのは大変なのですが、紫外線対策をしておくことでその疲労もいくぶん抑えることが可能です。 今回は、その紫外線について調べてみました。 ***** 新緑の美しい季節、アウトドアや行楽を楽しむにはいい季節なのですが、気になるのは紫外線。特に5月から9月は紫外線量も増える時期。特に午前10時頃から午後4時頃までの晴れて日差しの強い時には戸外での作業や外出する際に気をつける必要があります。 2011年、アメリカ横断ランニング

          ナイトランの極意

          夜通し走る…睡魔をこらえて、幻覚・幻聴に見舞われながらも走り続ける。 100マイルや200キロ、250キロ…100キロを超えるウルトラマラソンでは避けて通れないこと。 私自身の経験では、睡魔に見舞われながらふらふら走っていると、一般の道路ではガードレールにぶつかったり側溝にはまりそうになったり、自販機や電柱にぶつかって「すみません」と謝ってみたり…様々な危険が待ち受けている。 三重県伊賀市に住んでいた頃、大阪市内で飲んで、最終電車がなくなった後3キロほど歩いて帰る途中に

          小さな恋のメロディ

          中学生の頃にテレビで見たのだったか…映画「小さな恋のメロディ」(1971年イギリス映画)。 マーク・レスター演じるダニエルと、トレイシー・ハイド演じるメロディ。 まだ幼い二人の初々しいまでの表情・演技はいま見ても清々しい。 パブリック・スクールに通う二人の少年と少女、11歳という年齢で「結婚したい」と願う二人の純粋な気持ちに、今はただ心打たれる。 にわかに二人の結婚で神父を務めることになったジャック・ワイルド演じるオーンショー、脇役ながら立派に存在感をアピールしている

          ウルトラマラソン後のケア

          1989年に初めてのウルトラ、サロマ湖100キロマラソンを走った。サロマ湖はこの時が第2回目。ウルトラマラソンの黎明期でもある。 その後、あちこちのレースや大会に時間とお金と体力の続く限りエントリーして、リタイヤすることなく何とか完走してきたが、一時無理がたたって慢性疲労症候群と自律神経失調症を患って低迷していた時期があった。 走りすぎが原因で免疫疾患になることもありうるし、無理がたたれば体にも心にも必ずやダメージが出る。 レースに出てみんなと走るのがうれしくて楽しくて

          一歩先にあるもの〜One Step Ahead

          一歩踏み出せば目に見える風景も変わる。 立ち止まったままでは見える景色も限られる。 そして、一歩ずつ前進し続けることで、僕らはスピードというものを感じ、その流れに乗ることもできる。 それは、新幹線の車窓から見える風景にも似ているのかもしれない。 停まっている新幹線と走っている新幹線、それぞれの状況で窓から見える風景を思い浮かべてみよう。 新幹線は超高速で走るからカッコいい。ランナーで言うならスプリンター。あるいは世界最速のマラソンランナーか。 新幹線が走るものでは

          痛みから学ぶこと

          これまで散々痛い目にあってきた。 僕という人間は、痛みを経験することによって何かを学んできたのかもしれない。 たとえば、中学〜高校〜大学でやってきた剣道。 真夏の体育館、熱中症や脱水症状を経て、手のひらや足の裏には何箇所も豆が潰れ、声が枯れ、重い防具と稽古着には汗が染み込んでいる。 意識も遠のきそうになる中で、かかり稽古が延々と続く。 いっそ倒れてしまえば楽になるかもしれない…そんな考えもふと頭をかすめるが、なかなか体は元気で頑張っている。 頭がしんどいと考えてい

          続・体との対話

          ウルトラマラソンを走るランナーたちによくアドバイスさせてもらうのは、走っている最中にシューズやソックスを脱いで足を楽にさせてあげること。 シューズを履いた足は、繰り返される衝撃に耐え、靴という密室の中で辛く苦しい思いをしている。 もしタイムを気にすることなく、焦らないのであれば、裸足になって足にも深呼吸させてあげるのがいい。 暑い日には足に直接水をかけたり、足を水につけたりしてあげるとなお足は喜ぶはず。 足の気持ちになってみれば分かること。 走っている最中には沿道か