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しゃぼん玉坊や

皆様こんにちわ。

しゃぼん玉坊やといいます。

つい先程、生まれました。

いまわたくしといっしょに宙を舞っているしゃぼんたちは、わたくしの姉や弟や兄や妹です。みんな楽しそうです。きらきらと笑っています。

そうだ、すこし、わたくしどもの話をさせてください。

わたくしどもは生まれる前、夢うつつの状態で「おはなし」を聴いています。



きみたちは、うまれたあと、兄妹たちと空を舞うんだよ。
風が強く吹いたり、地面に触れると、消えてなくなってしまうよ。
高いところに浮かんでいる君たちに似た白く丸いものを探してごらん。
それが つき だよ。
君たちが永く、高く舞うことができれば、あの綺麗で大きな白いつきになれるんだよ。


というおはなしです。

わたくしどもは、冷たい透明な容器の中で姉弟一緒くたになって寝そべって、おはなしを聴き、生まれる日を待ちます。

そしてわたくしは、つい先程生まれたのです。

いま、おはなしの中で聴いた、空を舞っています。

わたくしの体は、ただの薄い膜が、ただの空気をまあるくるんでいます。姉や妹たちや、この星のその他のものたちとわたくしを隔てるのは、この薄い膜一枚です。この薄い膜一枚が、自他を分けへだてています。他のものに触れてしまうと、簡単に割れてしまう、そう聞いています。

わたくしの名はしゃぼん玉坊やです。


あの高い高い棒よりもう少し高く舞うことができれば、つきに届くのでしょうか。早くあそこへいきたいです。

つきというものは、割れずにずっと空を舞っているそうです。すごいです。わたくしも、つきのようになりたいです。

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まわりを舞っている妹や兄たちがとつぜん、割れました。

                さようなら

わたくしの名はしゃぼん玉坊やです。みなさん。

妹が割れました。

弟が、そばに寄ってきてなにか言おうとして、割れました。

       さようなら

下を見ると、美しい小川が見えます。きらきらしています。白く咲くお花も見えます。美しいです。

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美しいってこういうことを言うのですね。すごいです。

残り少ない、兄や弟や妹や姉も、きらきらして、みんな美しいです。

みなさん、わたくしの名は、しゃぼん玉坊やです。


あ、どうやら、わたくしは、ひとりになりました。

まわりには空を舞うものはいません。

でも、さっきよりほんの少し高く舞えているような気がします。

空の色がほんの少し黒くなって、つきがもっと白くなってきました。すごいです。美しいです。

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やはりわたくしも、あんなふうになりたいです。

妹や兄や姉や弟の分まで、わたくしはつきになりたいのです。

みなさまわたくしの名
















苧環さんがさきほど投稿されたこちらの短歌。

「しゃぼん玉坊や」は苧環さんより生まれでて、この文章を読んでくださった皆様のもとへ飛んで行きました。

皆さんは、どんなことを感じられたでしょうか。

苧環さんと、拝啓あんこぼーろがお届け致しました。

SPECIAL Thanks odamaki 


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と、後日苧環さんより、あとがきが届いた!!






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