見出し画像

ハンブン

当たり前に起きて、当たり前に着替えて、当たり前に立ち小便をして、当たり前に髭を剃り出かける。

50%の確率で、僕にとってはこの当たり前が当たり前として定着した。


もう片方の50%の当たり前は、

当たり前に起きて、当たり前にブラをつけて着替えて、当たり前に便座に座って小便をして、化粧をして髪に櫛を通し出かける。


ハンブンの確率で僕は男に生まれ、ハンブンの確率で女に生まれるかもしれなかった。体育の授業も、話す内容も、好きになる人も、世の中の見え方も、全てが違って感じたし、全く違う人生だっただろう。と、思う。

ハンブンのうちのどちらかひとつをあてがわれて、僕は生まれてきているわけだけど、現代ではもっとさらにたくさんの性別がある。何分の1かの性別を生きている人もいるかもしれない。

違う性別なら、どんな声で、何を楽しんだだろう。生まれるはずだったもう1人の私に、僕は訊いてみたい。

画像1

風呂上がりの僕をお嫁が撮影した私。

もしサポートして頂けた暁には、 幸せな酒を買ってあなたの幸せを願って幸せに酒を飲みます。