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万国津梁の心で平和を繋ぐ

私は先日、戦争報道特集を見ていた際に、沖縄の鐘に刻まれたある言葉に出会いました。

その言葉は「万国津梁(ばんこくしんりょう)」です。
沖縄がまだ琉球王国だった時代に生まれた言葉で、私はこの言葉こそ、今の日本が世界に対してとるべき姿勢なのではないかと思います。

万国津梁とは何か


万国津梁とはどういう意味か、まずは言葉そのものの意味から紐解いてみます。

津梁の「」には、「船着場や渡し場」という意味があります。

」は「はり」とも「りょう」とも読みます。
「はり」には「柱の上にあり、屋根を支える材木」という意味があり、
「りょう」には、「はり」と同じ意味のほかに、「川の上にかけた橋」という意味があります。

つまり「津梁」とは、「船着場どうしを結ぶためにかけられた橋」という意味になります。
そこに「万国」が付くので、「さまざまな国を結ぶためにかけた橋」という意味になります。
もう少し考えを進めて捉えると、「さまざまな国を橋渡しして結び、豊かな交流を屋根の下の梁のように支える」という意味も見えてきます。

琉球王国の時代、沖縄は周辺地域の交易中継地でした。
朝鮮・中国方面から様々なものが持ち込まれ、琉球を経由して日本に届けられました。
また、日本の物資も朝鮮・中国に届けられました。

「琉球王国は交易でさまざまな国を結び、周辺の地域が豊かになるための架け橋となる」という思いが、この言葉から伝わってきます。

平和な世であるための「万国津梁」


私はこの言葉は、日本が国際社会でとるべき姿勢だと感じました。

日本は世界で唯一、直接原爆を落とされた国であり、世界に対して戦争を始め、悲惨なことをした国でもあります。
そして、戦後に目覚ましい発展を遂げ先進国の1つとなり、国際的な発言力もそれなりにあります。

世界的にみてもこの国以上に、世界の先頭に立って平和のために動ける要素を持った国は無いのではないでしょうか?

本来であれば日本が、核兵器禁止条約を主導して作り、加盟を世界中に呼びかけたり、ウクライナ戦争の停戦に向けて動いたりしなければならないはずです。
唯一の被爆国として世界中に橋をかけて繋ぎ、平和への先導役を担わなくてはならないと思います。
日本だから、そして日本にしか世界に伝えられないことがたくさんあるはずです。

しかし現状では、核兵器禁止条約の作成に関わっていないだけでなく、加盟もせず、ウクライナ戦争に関しても消極的な動きしか見せていません。
今年は、せっかくG7が広島で開かれたというのに、中途半端な議論で終わってしまったように感じます。

平和のために日本がとるべき姿勢


日本は「万国津梁」の心で、世界に向けて核の悲惨さや廃絶を訴えたり、戦争・紛争に苦しむ国のために、世界中の国々を橋渡しして繋げて梁として平和を下支えしていくことが重要だと思います。

この役割を担えるのは日本をおいて他にないと思います。
それなのに、防衛費を大幅に増やしたりしているのはなぜでしょうか。
私は悔しくてたまりません。

「同じことは二度と繰り返さない」という気持ちを持って、世界に平和の橋をかける国になってほしいと心から思います。
そして、そんな国になっていけると信じています。

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