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スーパーに並ぶ野菜は誰が決めているのか

身の回りにあるものは「お金」を介して「人」が用意したもの


今回は「スーパーに並ぶ野菜は誰が決めているのか」をテーマに話させていただこうと思います。


結論から先に言ってしまうと、スーパーに並ぶ野菜を決めているのは、消費者さん、つまりスーパーに来て買う人が決めているっていうのが結論になります。


「いや、僕ら選んでないよ、勝手に並んでるんだよ」


と思うかもしれませんが、間違いなく、野菜を購入する人が、スーパーに並んでいる野菜を決めています。


もう少し、ちゃんと説明します。


身の回りにあるもののほとんど全てのものが、「人」が関わっていると思います。

今、僕の周りには、畳、ティッシュ、ファンヒーター、スマホ、マグカップ、壁、照明、などがあります。


これら全ては、人が作ったものです。


おそらく、ほとんどのものが自分が選んで購入したと思います。


購入の際にはお金を対価として支払う。

お店はお金を得て、そのお金で自分の暮らしを作る。そこでまた自分の周りのものを購入するんですね。

そして、そのお金はまた別の人のもとで消費に使われます。


つまり、お金はいろんな人のところに回って、支払いに使われます。


もちろん、自分の持っている商品が売れないと、自分のところにお金が入ってこないですよね。そして、お金が入ってこないと生活できない。毎月家賃、水光熱費が払えなくなっちゃうじゃないですか。


となると、自分の商品を売れるようにしなきゃいけない。

もし、自分に1つしか商品がなかったら、2つに増やすかもしれない。


「この色は気に入らないの」


って言われた困るから、同じ商品でもカラーバリエーションを増やしたり。


「もうちょっと大きいのがいい」


って言われるから、服のサイズは S、M、L、LLってなっていたり。


お客さんの欲しいものに合わせて、自分達は商品を用意すると思います。

そうしないと、せっかく来てくれたお客さんを逃して、別のお店に行っちゃいます。


なので、別のお店と差別化したり、今ある商品に1つ機能を加えた「新商品」を出したり。

そして、古くなった旧式の商品はもう売れなくなるので、お店に並ばなくなっていきます。

作ったものが全部売れることが、理想だと思います。


まぁそれが商売の基本というか、一般的な流れだと思います。


野菜選びのあるある行動


さて、スーパーに並んでいる野菜について考えてみます。


スーパーに入って、カゴをとり、今日買う予定の野菜、例えば「人参」を買おうと思います。

棚には人参がずらり。1つの袋に3本くらい入っています。どれを買ってもお値段は一緒。

それはそのはず、農家さんが頑張って同じような大きさ、重さを測ってから、袋詰めしているから。


買う人は棚から一袋選びます。

なんとなく選ぶ時もあれば、ちょっと比較したりして、カゴに入れます。そんでお支払い。


はい。


その人参、その棚の中に置いてある人参の中でも、結構いいやつ選んでませんか。無意識に。


「なんか大きそう」だったり


「見た目が良さそう」なの、選んじゃいませんか?


一方で、手にとってみたやつが、よくみたらちょっと傷んでいたり、形が変だったりしたら、別のやつに取り替えますよね。もちろん全員がそうではないと思いますが、多くの人はその自然な行動をとってしまうと思います。


金額が全部同じだから、その中で「いいもの」を購入したいと思います。


なので、綺麗で形がいい人参が売れていくんです。


最後はちょっと形が悪くて傷んだ人参が残っちゃいます。


もしもあなたがスーパーの店長だったら、どう思いますか。

日々の生活の支払いがあるから、なんとしてでも完売を目指したいんです。


「じゃあ、綺麗で形が揃っている人参だけをとり揃えよう」


ってなるんです。


そこでこの人参を作った農家に連絡がいきます。


「明日からはこの綺麗で形が揃っている人参だけ出荷してください。それ以外の少し小さいのとかは仕入れません。仕入れてほしいならB級品で格安なら引き取ります。」


農家さんには農家さんの家賃と光熱費がかかっていますので、それはもう必死になって「綺麗で形の揃っている人参」作りに励むことになります。


そのためには、


種を蒔けば芽が出る品種を選び、


芽が出れば一気に生育するよう肥料をまき、


虫食いをされて形が損なわれないように、農薬をまく。


万が一、人参は栽培できても、形を大きさが揃っていなかったら、全部B級品です。

それだと暮らしていけないので、必死に人参を綺麗に形が揃っているように努力します。

もう、人参の中身なんか関係ないんです。栄養素もみてません。農地が汚れようがいいんです。


「綺麗で形が揃っていることが大切」


そして、ようやく1袋売れて30円の利益。それがスーパーに並んでいる野菜と農家の実情です。


買う人が欲しいものを並べるのは当たり前



話を戻しますと、野菜を買いに来た人が買いそうな野菜を、スーパーは並べます。


つまり、スーパーの野菜は、購入する人が並べているのです。

購入する人がいない商品をお店は置きません。


最近、野菜の栄養価が昔に比べてめちゃくちゃ下がっていると聞きます。


それはそのはず。買う人がその栄養価で選んでいないからです。


完全な僕の予想ですが、栄養価が下がっている一方で、形、大きさは昔に比べてめちゃくちゃ揃っていると思います。不自然なくらいに。


栄養価で選ばれる時代であったらスーパーも形ではなく栄養価を基準に農家さんに栽培をお願いしていたと思います。


そのことに気づいている一部の方は、スーパーではなく、僕らのような各家庭に送る農家さんを見つけて、野菜を直接送ってもらうようにしているんだと思います。調べれば調べるほど、スーパーのお野菜とそれを作っている現代の化学肥料そして農薬たっぷりの農業が、これまでどれだけ環境によくないことをしてきたのかを知ります。


ちまたでは、オーガニック、有機野菜も流行っていますが、もうちょっと調べてみてください。


それに気がついた農家が、無農薬無肥料で農業を始めるんです。

日本中の農家は頑張ってますが、特に無農薬無肥料でやっている農家はもっと頑張ってます。


比べるもんではないですし、僕は全ての農家さんを応援してます。

普通の農家さんの必要性もわかりますので。


ただ、消費者、つまり野菜を買う人の行動で、スーパーに並ぶお野菜は変わります。

野菜が変わるということは農家が変わります。そうなると、農地の様子も変わり、土環境も水環境も変わっていきます。


何気ない、無意識な人参の選び方で、実は大きな流れ作り、乗っています。


なので、意識的に野菜を選ぶことが農業を変える、農家を応援する一歩になると思います。

別に八ヶ岳ピースファームの野菜でなくても大丈夫です。応援したい農園から少しでも買ってあげると、いいなって思います。

なんか、変な宣伝みたいになっちゃって申し訳なかったです。


というわけで、今回は「スーパーに並ぶ野菜は誰が決めているのか」をテーマに話しました。



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