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【平和ビジネスへの道】#13 注文をまちがえる料理店

こんばんは!かほりです。

今日は、注文をまちがえる料理店についてご紹介します。

■抱えている問題

世の中には、現在3500万人の認知症患者が存在、2050年までには1億1500万人にまで増加するといわれている。(WHO予測)

超高齢化社会を迎えた日本において、増加の一途をたどる認知症患者の人口。誰もがなりうる病気だが、社会と分断された現在の状態から、どのように理解を得て、より多くの人が社会で活躍できる環境づくりを行っていくか?


■着眼点

彼らの持つ【忘れる】という特徴を、個性としたサービスを作れないか?


■解決策

「注文をまちがえる料理店」という名で認知症患者がホールスタッフとして働く期間限定のポップアップレストランを開店した。

注文したメニューがきちんと届くかはだれにもわからない。

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注文をまちがえる料理店と謳っているものの、”わざと間違えさせる”といった小細工は行わず、「間違えるかもしれないし間違えないかもしれない。偶然のハプニングを楽しもう。」という気持ちで、来店した人々が「ま、いっか」と思える空気づくりを目標としている。

もちろん、料理店で働いた時間の分、認知症スタッフたちにはお給料が支払われる。

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この料理店が認知症患者の抱える問題を直接解決することには繋がらないが、注文・会話などのやり取りを通し、普段触れ合うことのない人たちが認知症について知り、理解が進むことで、多くの人が働きやすく、生きやすい社会に近づいていくことを目指す。


■結果

期間中、約37%のオーダーが間違えられたものの、来店した99%の人々がそれを気にすることなく、レストランでの時間を楽しんだと回答。

その後も全国各地で、「注文をまちがえるカフェ」「ハプニングラーメン」「注文をまちがえるリストラン」など様々な料理を提供する店舗で、計11回(2020年9月現在)の同様のポップアップイベントを実現している。


客として訪れた知的障害を持つ青年が、「将来ここで働いてみたい」という場所になったと語っていたといいます。この取り組みは、認知症患者のみならず、社会の中で生きづらさを感じているすべての人にとって、意味のあるものになりえるのではないでしょうか?


ガチガチの社会をストレッチ

日本の接客、サービスは世界を見渡しても大変レベルの高いものです。それ自体は誇るべきことですが、全員が全員そのレベル・方向性でなくてもいいんじゃないかな、とも思います。

完璧じゃないけど憎めない人、愛嬌のある人、魅力的な人っていますよね。そんな人が集まる場所やお店、サービスは、いい感じに肩の力が抜けていて、人々に元気を与えてくれる場所です。海外旅行に行った時の解放感や力が抜ける感じは、ある種の適当さからきているのではないかな、と思います。

地元の徳島もなかなかゆるゆるなことが多いのですが、ある日スーパーのパンコーナーに「ミルクフランスに入れる予定だった砂糖を、塩と間違えて焼いてしまいました。」という告白看板があり、次は一体何をやらかしてくれるのか毎日楽しみにしていた記憶があります。笑

正解がガチガチに決まってしまっている社会よりも、いろんな正解があって、それを楽しめる社会の方がレジリエンスが高く柔軟な解決策がたくさん生まれそうです。そんなサービスやお店が日本にはもっともっとあってもいいんじゃないかなー!

それでは、今日はこの辺で!

Peace!

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