LEONE #50 〜どうかレオネとお呼びください〜 一章 第11話 3/3
彼らは羞恥心を感じた。
仲間の数は数百に達し、獲物はたった1人に過ぎなかった。
彼らは町全体にわたる完璧な包囲陣を構築していて、獲物は道のど真ん中にいた。
ここは彼らのホームグラウンドだった。彼らの、悪名高い数百人の賞金稼ぎたちの故郷だった。また、今は『カウボーイの夜』、彼らの時間であり、直前まで彼らは2億GDのウサギ狩りに没頭していた。
しかし今、彼らは新しい巨大な獲物と出くわした。
「何だ、これが全部か?」
やつが唇を舐めながら皮肉を言った。
やつの首にかかった懸賞金は2億GDさえも端金にしてしまう水準だった。
賞金稼ぎには絶好のチャンスであり、だから最初は彼らも恐れることなく獲物に銃口を向けた。
すると奴は、ためらわずに突進してきた。賞金稼ぎの塊に飛び込み、拳を振るい、巨大な爆発を起こし、瞬く間に十数人の狩人たちを灰にしてしまった。
狩人たちは今夜、ウサギ狩りをしに来た。しかし今、彼らが向き合ったのは人食いの虎だった。
「これが全部かよ! アアン?!」
やつは咆哮した。
やつは一人で、特別な武器を持っているわけでもなかった。ただの鎧を、人間の限界を超えさせる力を持たせてくれる鎧、『アーマードスーツ』をまとっただけだった。
その凶悪な鎧に対する噂は多かったが、実際に目で見たのは彼らが初めてだった。
奴があの鎧一つだけで数百人の『SIS』の兵士たちを殺したという話は何十回も聞いた。そして彼らはそのたびに、それを笑い話にしていた。
今はそれを後悔する気さえしなかったけど。
「これで全部だったら!」
ドカン!
やつは自分のこぶしをぶつけ合わせた。彼らはさらに息を殺して身を低めた。沈黙の中から、彼らの獲物に現れる隙を狙った。
「この、ボッシ・ルチアーノにケンカをふっかけたくせに、これで全部だったら!」
ドカン、ドカン、ドカン!
やつは、もう一度こぶしをぶつけ合わせた。
彼らはもう一度、息を止めた。あの人食いの虎、ボッシー・ルチアーノの背後、黒く染まった空の高い所から何かが徐々に空港の方へ落ちてきていた。
それは旗艦だった。まるでサメを連想させる胴体、不吉をその身にまとっている真っ黒な船体。しかし何より目を引くのは、真っ黒な船体の側面に刻まれた絵。
特に目立つあれは、真っ白な骸骨だった。
着陸する機艦を背景に、ボッシー・ルチアーノは凶暴な顔のまま笑顔を浮かべた。
「……今日で、この都市は地図から消されると思え」
著者プロフィール チャン(CHYANG)。1990年、韓国、ソウル生まれ。大学在学中にこの作品を執筆。韓国ネット小説界で話題になる。
「公演、展示、フォーラムなど…忙しい人生を送りながら、暇を見つけて書いたのが『LEONE 〜どうか、レオネとお呼びください〜』です。私好みの想像の世界がこの中に込められています。読んでいただける皆様にも、どうか楽しい旅の時間にできたら嬉しいです。ありがとうございます」
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