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『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』

「リープフロッグ現象(leapfrogging)」という言葉を聞いたことがありますか?

文字通り、Leap(跳躍)するFrog(カエル)の事ですが、テクノロジーの力を借りて、まるでカエル跳びのように一気に発展を遂げる現象のことです。

それまで遅れていた国が、ある時、急激に発展し、先を行く国を飛び越えて、世界の先頭に躍り出て、そして世界を牽引することで、よく、アフリカ(特にケニア)が例に挙げられることが多いと思います。

例えば電話で例えると、日本では、「公衆電話→固定電話→PHS→携帯電話→スマホ」という段階的な進化を遂げてきましたが、しかし、リープフロッグが起こるアフリカなどでは、公衆電話→いっきにスマホへ。

つまり4段階も飛ばして、カエル跳びのように一気に進化を遂げているという話です。

スマホが普及したケニアでは、M-pesaという電子マネーが一気に普及し、今では成人の96%が電子マネーを使っているそうなのです。
まさにこれはデジタルの力。

それに比べて「デジタル後進国」と言われている日本。
(日本での電子決済はようやく30%を超えたくらいの普及率です)
日本が世界のデジタル競争力において大きな遅れを取っていることに前々から危惧を頂いていたので、2021年9月1日に「デジタル庁」が発足したときには心から嬉しく、ワクワクしたものでした。

そんなデジタル化推進派の私にとって、急ピッチで進む「デジタル化」の危険な裏側を書いたこちらの本が衝撃的な内容でした。


全国の自治体がそれぞれバラバラで管理している国民のデータベースを中央で一括管理できるようにする共通プラットフォームのシステムの構築。

このベンダー(製造・販売元)として選ばれたのが、
米アマゾンのAWS(アマゾン ウェブ サービス)
だという話。

政府機能の重要なサービスを請け負う企業はもちろん国内企業だとばかり思っていた私は、米大手アマゾンだったという事実には驚きました。

その理由として、
「国内のIT企業と比較して、外資(アマゾン)の性能が優位だったからです」と挙げられたそうですが、、、。

私個人としては、アマゾンなしでは生きていけないほど、日々の買い物で、アマゾンを利用しているものの(個人情報のデータも実際にいろいろアマゾンに抜かれているとは思いますが)
ただ、それでも安全保障に関わる政府のシステムを他国の民間企業に委託するというのはどうも理解できません。

アマゾンがCIA(米国中央情報局)やNSA(米国国家安全保障局)など、米国の諜報機関との関係が深いと聞くとますます危惧を抱きます。

外資といえば電子決済についても。
LINE Payは韓国、PayPayは中国のアリババが大株主、アマゾンペイはアメリカ。そして楽天ペイも中国ネット大手の「テンセント(騰訊)」から出資を受けたそう。

日本で使われている電子決済の多くは外国資本だったり、外国資本が絡んでいたり。
私自身、いつも当たり前に使っていた電子決済が(深く考えたことはなかったのですが)よく考えたら本当は外国資本のサービスだったんだなと。

情報流出など安全保障上の問題が生じた場合、日本の法規制が及ぶのかなと考えるとちょっと心配になりました。

日本のデジタル化を少しでも早く先に進めて欲しいと願っていましたが、足元で何が起きているのかもちゃんと見なければいけないなと思う内容でした。

ここまで、読んで頂いて本当にありがとうございました♡

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