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後編【嫌われる勇気】岸見一郎〜自己啓発源流「アドラー」の教え〜


⬛︎世界の中心はどこにあるか


●個人心理学と全体論
個人心理学
「個人=分割できない」という意味
アドラーの心理学の正式名称

全体論
人間をこれ以上分割できない存在だととらえ、「全体としてのわたし」を考えること

課題の分離をすることで、対人関係がスタートする

●対人関係のゴールは「共同体感覚」
共同体感覚
他者を仲間だとみなし、そこに「自分の居場所がある」と感じられること
幸福になる対人関係のあり方を考える指標

共同体感覚を理解するためには、自己への執着を他者への関心に切り替える必要がある

●なぜ「わたし」にしか興味がないのか
自己中心的な人間とは
「課題の分離」ができておらず、承認欲求に囚われている人

「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ、自分にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルである

あなたは共同体の一部であって、中心ではない
その共同体の範囲は無限大である

わたしはこの人に何を与えられるかを考える

●叱ってはいけない褒めてもいけない
褒めるという行為は「能力のある人が能力のない人に下す評価」という側面がある

我々が他者を褒めたり叱ったりするのは、「アメかムチの違い」でしかなく、背後にある目的は操作である
これは「縦の関係」、「横の関係」は対等を示す

アドラーの心理学では「縦の関係」を否定し、
全ての対人関係を「横の関係」とすることを提唱する
全ての劣等感は縦の関係から生まれるもの

●「勇気づけ」というアプローチ
勇気づけとは、横の関係に基づく援助のこと

自分に価値があると思えるためには、他者を評価しないこと
人は自分に価値があると思えた時にだけ勇気を持てる
自分に価値を見出すには他者に貢献しているという意識を持つこと

⬛︎「いま、ここ」を真剣に生きる


●自己肯定ではなく、自己受容
共同体感覚を持つために、自己の執着を他者の関心に切り替える
そのために必要なのは
•自己受容
•他者信頼
•他者貢献

自己受容とは
なにかをできない自分をありのままに受け入れ、できるようになるべく前へ進んでいくこと
「変えられるもの」と「変えられないものを見極める

●仕事の本質は他者への貢献
他者貢献とは「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「わたし」の価値を実感するためになされるもの

●いまこの瞬間から幸せになる
人間にとっての最大の不幸は、自分を好きになれないこと
つまり、自分の価値を見出す実感があれば幸せになれる、他者貢献を感じること

他者貢献とは、目に見える貢献でなくてもよい
「幸福とは、貢献感である」

ただ、承認欲求を通じて得られた貢献感には、自由がない
幸福は自由があってこそのもの
他者の承認はいらない

●「特別な存在」でありたい人が進む、2つの道
特別によくあろうとすることも、悪くあろうとすることも、他者の注目を集め「普通」の状態から脱し、「特別な存在」になることを目的とする

問題行動に走る子どもたちは、健全な努力を回避したまま、他者の注目を集めようとする
このことを「安直な優越性の追求」と呼ぶ

●人生とは連続する刹那である
人生を線として捉えるのではなく、点の連続として考える
われわれは「いま、ここ」にしか生きることができない

いま、ここを真剣に生きることが大事
人生における最大の嘘は「いま、ここ」を生きないこと


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