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凡庸”撮影”雑記「大東京」
急遽時間ができる
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急遽仕事の開始時間が後ろにズレたので、いつでもどこでも持っている写真機で、気が赴くまま写真を撮り歩くことにした。
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iPhoneのmapを見ると、かなり歩くと皇居にたどり着く。天気もすこぶ
る快晴だし、皇居の公園へ出発。
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いかにもって感じの東京の店々を横目に進み、皇居のお堀を目指す。そこには、きっと、晴天の下で、赤と黄色にもえる紅葉の海原があると期待しながら。
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時間を気にせず撮り歩く気持ちよさ
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しばらく歩いていると、目の前にお堀が。今度は堀の周りを歩いて、皇居の中の公園と、本丸目指して、煌めく水をたたえた堀を横目にひたすら、歩くあるく。
何せ、仕事の時間が大幅に遅れたので、時間はふんだんにある。いつもは、昼食の休みとか、仕事が始まる前の数十分、終わった後のちょい。
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仕事仲間は、こんなに時間が空いちゃったら、一体何をすればいいのかと、憤慨していた。僕はそれに同情しているふりをしながら、心の中ではほくそ笑んでいた。なんたって、写真を撮れるのだから。こんな嬉しいことはない。
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ぼかぼかと暖かい平日の午後。写真機(Nikon Z6 NIKKOR Z 40mm f/2)をぶら下げて、気になる出会いを、安穏とした空気の中で、写していく。気持ちの良いひととき。
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戦場に赴くカメラマンのごとく
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そんな気持ちを退散させることがあった。昼ごろのお堀の周りは、それこそ翔ぶが如くの勢いで、走る走る。次々と。それも、単なるジョギングじゃなくて、走れメロスの小説のように、まるで友人や最愛の人の処刑がかかっているのかと思えるほど、鎮痛な面持ちで、息を切らせて次々走り過ぎて行く。
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よく、皇居の周辺はジョギングの最適なコースと、テレビやラジオや、ポッドキャストで聴いていて、健康のために頑張っているんだなぁと、尊敬の念を持っていたが、これでは、身体や精神の健康を保つレベルではない。
なんだか、本格的な競争者の様相を呈している。もしくはある種の命をかけた修行。過ぎ去るたびに起こる、突風と、息絶え絶えの呼吸に、恐れ慄きながらそう思った。
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のんびり歩き、いつもように気になったら立ち止まり、絞りとシャッターを合わせて、ハイ、撮影なんて悠長なことをしていたら、脱兎の如く駆け抜ける走者と激突し、大惨事になるやもしれない。
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これはかなりの危険地帯。重々気を付け、それでいて写真は撮らなくてはと、若かりし頃に憧れた、戦場カメラマンの心得を、平和な日本、豊かな東京で思い出しつつ、前後左右上下に目配せしながら、ひたすら撮り歩く。
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凡庸な日本人なのに変な高鳴り
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しばらくすると、皇居への入り口が見えてきた。
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入ろうかなと前方を見ると、警備員が立っている。そう言えば、前に入った時にも、警備員がいて、鞄を広げて見せたっけ。が、悪いことをしてないし、悪いものは持っていないのに、なぜだか、足がすくんでしまう。
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入りかけて、引っ返す。(なんでやろ?)
だけど、落ち着いて考えれば、多少、変だが一般的な社会人。何を恥じることはあるだろうか。しばらく歩いて、別の入り口があったので、いつもより若干高鳴る心臓を持って、警備員の受付へ。
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何も入っていない、(そう、写真機は肩にかけているから)鞄の中身を見せる。拍子抜けするぐらいに、愛想良く通してくれた。何だか、当たり前のことなのに、すごくホッとする。
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皇居は紅葉真っ盛り
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皇居の公園は紅葉真っ盛り。黄色に赤に、美しい。特に、よい天気(晴れていることを”よい”と言ってはいけないらしい)なので、青い空と輝く陽の光がよりいっそう、紅葉を引き立てる。
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さすが、東京随一の名所。海外からの観光客がすこぶる多い。欧米からや、アジア、それに、インドからの人々がわんさか。日本人は少ない。立派な体躯をした、海外からの人々を眺めながら、恥じらいながら、凡庸な形の日本人である僕は、のんびりと歩いては撮り、また歩いては撮る。
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もっと余裕があれば、芝生の上に敷きもんでも敷いて、寝転がって本でも、はたまた、Macを持ってきて、文筆でもなんて、小洒落たことを妄想する。
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大東京を一日二日撮り歩く妄想
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しばらく歩き、周りを愛でて、さすがに仕事の時間が迫ってきたので、
帰路に着いた。ただで(金要らずで)、これだけ素晴らしい体験ができるのは、素晴らしい。
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今度、休みの時でもゆっくりきたいものだ。
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帰りも、気がついたら、写真を撮りつつ歩く。時間はたっぷりあるとも思っていたが、終わるとなると、まだまだ物足りない。やっぱり、一日二日かけて、大東京散策撮影をしなければと、心に誓ったのだった。(そんなことできやしないのに)
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