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干物ぱんだ
2021年8月21日 22:50
「……よう。」「……はよう。」どこか懐かしくて、心地いい、聞きなれた声…・・・。「おはよう!」体が大きく揺さぶられ、目をあける。見慣れた木目の天井。足元の壁には、幼い頃に描いた落書きの跡が残っている。右を向くと、父が布団の中で、ミノムシのように眠っている。頭を持ち上げて、上を見る。逆さまの視界の中に、エプロン姿の母が、背丈よりもずっと大きな窓を開けているのが見えた。