見るだけは見ている
北海道の夏はそろそろ終わります。
学生の頃聞いた好きな言い回し、最近は聞かなくなりましたが、
「北海道の夏は7月にはまだ来ておらず、8月にはもう終わっている。」
誰が言い始めたのか、この言葉のセンスがとても好きです。
さて、夏といえば、誰もが恐れる夏休みの宿題。それが、読書感想文。
今頃、子どもたちに怒鳴りながら、はたまたなだめすかしながら、
読書感想文を書かせている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
(あれ?いまはもうないのかな?)
そんな読書感想文の題材の定番ともいえる
「シャーロックホームズの冒険」
まあ、読んだことはなくてもシャーロックホームズぐらいは聞いたことがあると思います。
その中で、ボヘミアの醜聞という冒頭の物語からちょっと抜粋いたします。
多くの方々が、この有名な箇所に言及しています。それだけ、この言葉の与える影響が大きいということなのでしょう。
さて、皆さんは普段つかっている階段、それこそ何回も使っている階段の段数ってご存じですか?
ここで示唆されているのは、
観察の大切さ
でしょうか?
そうではないと思っています。
なぜなら、皆が観察をするくらいならホームズの観察力が際立たない。
ただ、、、ホームズがワトソンに言った言葉は、我々にもちょっとした気づきを与えてくれます。
「そのくせ見るだけは見ている。」「観察はしていないんだ」
併せてこんな風に心に届いてきました。
「聞くだけは聞いている」(でも聴いてはいないんだ)
「言うだけは言っている」(でも伝えてはいないんだ)
「よむだけはよんでいる」(でも理解してはいないんだ)
「するだけはしている」(でも結果にはむすびついていないんだ)
ホームズは「見ると観察する」の違いを
教えてくれます。
ここで、ありきたりな小さな提案です。
ちょっとした身の回りのことを観察してみませんか?
そうですね。家族のことなんかどうでしょうか?
しらなかった家族の癖なんかに気がつくかもしれませんよ。
つい先日、社員との面談で
視野を広げるという目標をお互いに掲げました。
彼が、外に出かけて、いろんなものを観察してみるだけで、
これまでにない新しい発見があり、視野が広がるかもしれません。
シャーロックホームズの冒険、僕は、子供のころに読んでいたはずなのに、その時は、なんにも気がつかなかった。読書嫌いの息子に読ませようと思って買った本、自分が夢中になってしまい、そしてこの文章を親になって改めて味わいました。(大人になってから読むと、子どもの時より何年も記憶に残ることもありますね)
階段の段数を数えることも楽しみの一つに加えました。
ところが、どの階段も数えた段数を憶えていないのです。
きっと、数えるだけは数えているんでしょうね。
(ついでのつぶやき)
いろんな俳優がホームズを演じたらしいですが、Jeremy Brettによるシャーロックホームズが最高のはまり役だと思っています。