【AIのダークサイド】イスラエルのAI兵器紹介
イスラエルとパレスチナの戦争が始まりました。多くの人が犠牲になると思うと心が痛くなります。早く収束することを祈っています。
イスラエルは世界17位の軍事大国であると共にAI大国でもあります。今回の戦争でも使われると思われるイスラエルのAI兵器を紹介していきます。
Drone Swarm(ドローンの群れ)
大量のドローンをAIが自立制御させて軍事作戦を行うことを指します。例えば偵察用のドローンには、可視光、赤外線、放射線などの探知を担当するものがあり、攻撃用ドローンには機銃やミサイルを搭載したものの他、目標に自爆攻撃するものもあります。さらに「群れ」には、敵方の電波を撹乱するジャミング担当のドローンも同行することがあります。
低空で飛行する小型のドローンは、レーダーなどで補足しにくく、建物内や洞窟内などにも入り込むことができます。また「群れ」の一機が撃墜されても同機能の別のドローンが代わりを務めます。コスト面でも1機数百万円で製造できるといわれています。要は、ドローンが兵隊の代わりに前線へ行って攻撃します。
Sea Breaker(ラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ)
AIを使って300キロ先の標的まで精確に攻撃を行うことができます。軍の基地から発射され、300キロ先であっても標的を検知すると自律的に攻撃を行い、標的を爆破します。要は、自動爆撃機ですね。
Oron
「Oron」は、イスラエル国防省が公開した最新の偵察機です。高精度のセンサーと、AI技術の使用により偵察行為を自動化して、前例のない情報収集、監視、偵察(ISR)能力を提供します。動くものを複数同時に捕捉したり、長距離および様々な天候や視認性の条件下でもターゲットを追跡する能力を持っています。要は、自動偵察機ですね。
ファイヤーファクトリー
Fire Factory (ファイアー・ファクトリー)とは、軍が承認した目標に関するデータを使って弾薬の装填量を計算し、何千もの目標に優先順位をつけて航空機や無人機に割り当て、スケジュールを提案します。要は、軍事作戦の管理面をAIが自動で行うシステムですね。
Barak
BarakはAI技術を搭載した新世代の戦車で、360度の認識範囲、先進的な観測および夜間能力、および他の戦車や装備との高度な通信能力を持っています。地形の分析も行うことができます。要は、兵士のスキルをサポートする高性能戦車です。
スマート・シューター(スマート・シューター社)
射撃前にターゲットをロックしておくことで、AIがターゲットを追跡し、狙った獲物を撃ち抜くことができるます。ヨルダン川西岸のパレスチナ難民キャンプで、キャンプを見下ろす監視塔の上に2丁が配備されていますが、モジュール式のものは銃につけて携行することもできます。自動追尾する射撃システムですね。
AI兵器は戦闘行為と弾圧によって強くなる
AIの頭脳のもとは学習データです。つまり戦闘行為を行うほどデータが蓄積していきます。
イスラエルは1967年以来、西岸地区とガザ地区のパレスチナの人口に対して完全な軍事統制を維持しています。イスラエル軍は、これらの地域のパレスチナ人の生活のすべての側面を監督しています。その結果、イスラエルはパレスチナ人に関する膨大なデータを蓄積しており、それが同国のAI技術部門の成長に不可欠な役割を果たしています。半自律型のAIシステムは、ほぼ制御なしで自律化しており、コンピュータプログラムがパレスチナ人の生死を決定するようになってきています。また、このAI軍事技術の発展は軍事産業に莫大な利益をもたらしています。
今後様々な国で少数民族や難民の統制にも使われていくことになるのではないかと思われます。現在、AIの軍事利用に関する国際的なルールはありません。イーロンマスクなどの大手IT会社が米国でもAI規制の必要性を訴え始めましたが、その具体性が公開されていない一方、出てくる情報からは軍事面は話はメインではなさそうです(ディープフェイクと普通の動画を区別できるマークを埋め込もうとかそういうレベル)。詳細はこちらをご覧ください。
AI兵器を規制するのはすごく大変
イスラエルのネタニアフ首相は2023年9月28日に国連でAI兵器の危険性と規制を訴えていました。その後、10月10日にハマスによる襲撃を受け戦争状態になったと宣言しました。今、AI兵器の規制の話をしても聞く耳は持たないでしょう。AI兵器は核兵器よりもはるかに簡単に低コストで作ることができます。それこそテロリスト側でさえ持つことが可能です。
AIは人類に光をもたらすのか闇をもたらすのか、一人一人がAIを多角的に理解することが、今の時代を生きる人すべてに必要だと思いまとめてみました。
参考になったと思ったらいいね!やフォローをお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?