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コンサル弁理士によるエンジニア・知財マンへの提言

 技能者と技術者(エンジニア)の違いの一つは「新しい何かを自ら生み出せること」である。新しい何かは「発明」であり、やがて特許と言う知財に変わっていく。つまり、発明を生み出せない技術者は技能者に過ぎない。また、知財マンとは、技術者の発明を受けて処理する受け身ではだめで、発明者から発明を発掘できる力が必要である。
(1)発明発掘の勘所その1:課題を与えれば発明は見出される。

 


 図のように課題を与えれば、技術者であれば解決手段を探そうとする。この解決手段が発明である。
 多くの技術者、知財マンは「結果=解決手段」から発明発掘をスタートする。これでは、見つかりにくい。課題を与えるところから(あるいは開発の課題を再整理する)始めれば、発明への道が繋がるので見つかる。
(2)発明発掘の勘所2:苦労した点を思い出す。

 技術者とは面白いもので、開発の最中にはその苦労に愚痴を垂れている。そうして苦労しながら結果が出ると、その苦労を忘れて次に行くところがある。このため、発明会議の時にはすっかり苦労を忘れて「取り立てて発明なんかない」となってしまう。
 しかし、苦労したところこそ発明が隠れている。苦労したときには何かの工夫を施しているからである。
 知財マンも技術者も、苦労したことは何だったか?を思い出せば、そこに発明が隠れているであろう。
 こういった、発明発掘の勘所を持っていることは、一流のエンジニア・知財マンには求められる資質である。

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