映画 『PATCH ADAMS』
アカウント名にもしているくらい
思い入れのあるこの映画は、
受験シーズンに自分が苦しんでいた時、
兄貴がそっと
机の上に置いてくれた映画だ。
そう。自分の人生に、
ちょいちょいこの兄貴が登場する。
家族に対して「登場する」という表現は誤っているのかもしれないが、
この兄貴は、人生の分岐点で、
Aの道を行こうとしたら、BやCやD、他の道もあるんだよ、と言うような兄貴ではなく、
AならAの道を歩く自分に対して、
春風のように、
暖かい追い風になってくれる人だ。
そんな無口な兄貴が、たった一言。
「お前は大学に受かりたいのか。違うだろ。
その先を見ろ。」
ジャブのない、ストレート一撃だった。
『鈍器で頭を殴られる』
その感覚だったかもしれない。
自分を、人生を見失いかけていたあの頃。
自分がどうしたいのか、
何をしたいのか。何をすべきなのか。
あんなにもがいた記憶は、
後にも先にもあの時だけだ。
今や記憶すらなくなっている状況かもしれない。
本当に、もがいたなー。
だから「パッチワークライフ」
一生、この仕事一筋だ!みたいな。
『PATCH ADAMS』は、
“ユーモアこそが最良の薬”
真実の治療を追求する医師の物語だ。
患者のための医療とは何かを問い続けた
実在する医師をモデルにした
感動のヒューマンドラマ。
現実的に『PATCH ADAMS』のような
診療はできないけど、
そうありたいと思っている。
この映画の冒頭。
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人生とは帰郷
セールスマン 秘書
炭鉱員 養蜂家 刀を飲み込む曲芸師
皆 自分の家を求めて
人生を歩んでいる
あの頃の僕という男
吹雪の中をさまよっていた
同じ所をグルグルと
積もった雪に足を取られ
叫び声は風に消える
小さな小さな自分
家は どこにあるのか
家 辞書の定義は“生まれた場所”
そして“目的地”と
吹雪?
それは僕の心の中
ダンテはこう言った
“私は人生の途中で道を失い”
“暗黒の森に迷い込んだ”
僕は 予期せぬ場所で
進むべき道を見つけた
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一番好きなシーンがある。
PATCH自身が入院した病院で、
ある患者の元を訪れたPATCHは、
その患者に自分の4本の指を目の前で見せられ
「何本見える?」と尋ねられる。
見えている通り「4本」と答えると、
「違う、私を見ろ」と言われる。
続けて
「問題ばかり見ていると答えが目に入らない」「問題を見ず、私を見ろ」と。
そして再び
「何本見える?」
「指の向こうを見るんだ。何本見える?」
と尋ねられる。
指の向こう側のその患者を見てPATCHは
「8」と答える。
「8本 8本が正解だよ!」と教えられる。
「人に見えないものを見ろ」
「恐れとか惰性で人が見ようとしないものを」
「新しい世界が見えてくる」と。
見えないものを見ようとしなければ
その本質には辿り着けない。
ただ、そこには「覚悟」が必要だ。
待つ覚悟、闘い続ける覚悟が。
もがき続けたかつての自分は今、
なりたかった自分に、その仕事に就けて
闘い続けている。
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