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コーヒーを飲むと高齢者の身体機能が向上する?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

地域在住の高齢男性におけるコーヒー飲用と身体能力との関連性 ヘルシンキビジネスマン研究(HBS)

SK Jyväkorpi, A Urtamo, M Kivimäki, et al.: Associations of coffee drinking with physical performance in the oldest-old community-dwelling men The Helsinki Businessmen Study (HBS). Aging Clin Exp Res. 2021;33(5):1371-1375.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

[背景] コーヒーを習慣的に飲むことは、身体能力の低下と関連する様々な慢性疾患のリスク低下と関連している。

[目的] ヘルシンキビジネスマン研究(HBS)に参加した地域在住の高齢男性を対象に、コーヒー摂取と身体能力との関連を横断的に検討した。

[方法] HBS生存者の無作為抽出サンプル(n=126、平均年齢87歳)が2017/2018年にクリニック訪問に参加し、体組成、身体パフォーマンス[Short Physical Performance Battery(SPPB)]、および認知の測定を行った。コーヒーの消費量は、3日間の食事日記から取得した。

[結果] コーヒー摂取は、より高い歩行速度(p=0.003)、SPPBスコア(p=0.035)、椅子の上昇点(p=0.043)と正の関連があった。コーヒーと歩行速度の関連は、年齢、腰囲、身体活動、脈拍数、高感度C反応性タンパク質で調整しても維持された。

[結論] コーヒーの消費量が多いことは、高齢男性において、歩行速度の速さを反映した身体能力の向上と独立して関連していた。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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ポイント
高齢男性において、コーヒーの摂取量と歩行速度には関連がある
面白いと感じた理由
純粋に、”何故!?”って思った。コーヒーの摂取量と歩行速度が何故関連するか、その機序が分かれば、様々な応用が可能だと感じた。

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まだ、コーヒーの摂取と歩行速度との関連の明確な機序は分かっていないが、本論文では以下のようなコーヒーの摂取の効果が引用されている。

適度なコーヒーの摂取は、高齢者の身体機能低下の原因として知られる2型糖尿病、心血管疾患、アルツハイマー病の発症率の低下と関連している

高齢女性の1日2杯以上のコーヒー摂取は、摂取ゼロの場合と比較して、無動状態の減少と関連している

1日に約200gのコーヒーに相当する低用量のカフェイン(80kgの人で2mg/kg)を急性投与しても、下半身の筋持久力が大幅に向上する

コーヒー摂取による効果とその因果関係を、引き続き調べていこう。

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最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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