【医療従事者×○○】1000人インタビュー#3
■はじめに
【1000人インタビュー】シリーズではどのような記事を発信しているのか
この記事は、医療従事者として働きながら外部活動を積極的に行っている方(バーベル戦略実践者)に対して行ったインタビュー内容をまとめたものです。
■バーベル戦略ってなに?
リスク・不確実性の研究者として有名なナシーム・ニコラス・タレブ氏が提唱している概念です。
医療従事者であるぼくなりの言葉でいえば、
『医療従事者として働きながら、もう一方で自分がやらずにはいられないと思うビジネス・趣味・社会課題などに対して活動していくこと』
といえます。
バーベル戦略を用いて働いている医療従事者を、「バーベル戦略実践者」とぼくは呼んでいます。
どんな方に読んでいただきたいか
✅外部活動(複業や社会活動など)を取り組みたいけど、どのように始めたらよいか分からないという方
✅働き方に悩んでいる医療従事者
主には上記の方に向けて記事を書いています。
もちろん、上記以外の方でも参考になるところがたくさんあると思います♪
■医療従事者と並行して実施している外部活動は何ですか?
看護師として働きながら、カメラマンとしても活躍されている中川さん。
家族写真や七五三、マタニティフォト、また最近ではペット写真も撮影しているとのこと。
忙しいながらも、充実した日々を送っているようです。
■外部活動を軌道に乗せる秘訣は何ですか?
中川さんは、本格的にカメラマンとして活動を始めて約3ヶ月(2024年7月時点)。
月により変動はあるものの、一定数の依頼が来ており、カメラマンとしての活動を軌道に乗せることができているようです。
ぼくの感覚だと、外部活動を始めて3ヶ月で軌道に乗せることはかなり難しいです。
ぼくがきまぐれcaféを始めて3ヶ月の頃は、お客さんゼロなんてことはよくありました(笑)。
では、中川さんはどのように短期間で軌道に乗せることができたのでしょうか。
💡本格的な活動を始める「前」の準備が重要
まずは、準備期間の重要性です。
中川さんは、カメラマンとしての本格的な活動期間は約3ヶ月ですが、その前から、友人や知人のご出産やお宮参りなどの際に無料で撮影を行っていました。
この辺りは、以前に『理学療法士×カメラマン』としてインタビュー記事にした佐藤さんと共通するところです。
佐藤さんの記事でも書きましたが、友人や知人に無料で撮影することのメリットは、比較的容易に社会資本を構築・拡大することができる点です。
つまり、俗っぽい言い方をすれば、人脈を広げやすい。
人脈というとなんだか薄っぺらい人間関係のような響きがありますが、友人・知人を起点に広がる人間関係は、「信頼」が生まれやすいので、強力な社会資本になります。
こうした点で、カメラマンは外部活動として軌道に乗せやすい仕事かもしれません(もちろん、大変な面は多々あると思いますが)。
💡アルゴリズムを駆使して、実績が少ない段階でもご依頼が来やすい状況に
中川さんは、本格的な活動を始める前から、『Our Photo』に登録し、作品を登録していました。
『Our Photo』は、簡単にいうと、写真を撮ってほしい人とカメラマンとのマッチングサイトです。
そして、本格的な活動を始める際には、検索が上位にくるように工夫をしたと言います。
その工夫とは主に、
✅頻回にログインする
✅撮影可能な時間(スケジュール)をなるべくたくさん設定しておく
例えば、「撮影可能な時間をなるべくたくさん設定しておく」について。
『Our Photo』では、ご依頼の受付可能時間が6:00~23:00となっています。
中川さんは看護師ですので、日勤の際は、ご依頼受付可能な時間を「6:00~7:00」と「17:00~23:00」と設定していたそうです。
もちろん上記の時間でご依頼がくることはほとんどないですが、こうしてご依頼可能な日と時間を多く設定しておくことで、検索が上位にきやすくなったと言います。
「アルゴリズムを駆使して検索を上位に」なんて言い方をすると、なんだか難しいことをしなくちゃいけないような気がしますが、そんなことはありません。
上記の工夫は知っていれば、もしくは知っていなくてもやる気があれば自然と行っている工夫ともいえます。
こうした小さな工夫を積み重ねること、それを本格的な活動を始める前から行っておくことが、活動を早期から軌道に乗せる重要なポイントとなるのでしょう。
■外部活動を始めて良かったこと何ですか?また、本業にどのような影響を与えましたか?
💡本職の働き方に心のゆとりができる
外部活動を始めてから、看護師として働く際の心のゆとりができたそうです。
中川さんは、外部活動のみでは食べていけないけれど、
と思えるようになったと言います。
この辺りの話も、佐藤さんとのインタビューで話題になりました。
確かに、金銭面のみで考えれば、中川さんご自身も言っていたように、カメラマンとしての活動のみで生計を立てることは難しいかもしれません。
それにもかかわらず、「心のゆとり」が生じるのは何故か。
社会資本が強力になるからです。
どういうことか。
上記の佐藤さん記事でも書きましたが、著作家の山口周さんが定義する「キャリア」とは、
ということになります。
つまり、金融資本(お金)を生み出すためには、時間資本(時間)も大事だし人的資本(能力・技術)も大事だけど、最終的には社会資本(人間関係・ネットワーク)が大事だということ。
中川さんの場合、カメラマンという外部活動によって社会資本が強力になったことで、「今の本業が仮にダメになっても、ある程度の金融資本は保っておけるだろう」という心のゆとりが生じているだと思います。
💡本職の仕事の効率が上がる
中川さんは、「意図しない効果」と言っていましたが、外部活動を始めた時期から、看護師の業務効率が上がったと話されています。
これは、医療従事者として働きながら外部活動をする、「バーベル戦略実践者」の多くが実感していることではないかと思います。
何故効率が上がるのか。
その理由は様々かと思いますが、主には以下のような要因があると考えています。
✅効率的にやらざる負えない状況になる
ややネガティブな言い回しになりますが、医療従事者の仕事はハードワークであることが多く、外部活動を精力的に取り組むためには、本業を良い意味で効率よくこなしていくことは必須でしょう。
✅外部活動を通して、緊急度・重要度を意識して仕事に取り組むクセがつく
医療従事者の中でも特にコメディカルは、「医師の指示もと」診療業務などを行います。ですから当然、ある程度は業務内容が決まってきます。一方で外部活動は、基本的には「誰かの指示」でやるわけではありません。
つまり、外部活動では自分で決めなきゃいけないことが沢山ある。
それが楽しいところでもあるのですが、やりたいorやらなきゃと思っていることを優先順位をつけずにやるとパンクすることは、想像に難くないでしょう。
本業であれば、優先順位をつけずに仕事が滞っていても、上司に怒られるくらいかもしれません。でも外部活動だと、そもそも自分でイニシアチブをとって始めたわけですから、仕事が滞っているようでは継続そのものが難しくなってしまいます。
そういうわけで、バーベル戦略実践者は外部活動を通じて、おのずと緊急度・重要度を意識して仕事に取り組むクセがついていることが多いのです。
また、中川さんの場合は「パレードの法則」を知ってから、
✅80点でもよいので仕事をなるべく早くやる
✅相手の時間を奪わない
上記を意識するようになり、上司の評価も上がったと言います。
パレートの法則は、1896年にイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート (Vilfredo Pareto) が提唱した法則です。
彼は、イタリアの土地 80% を所有しているのが人口のわずか 20% を占める富裕層だったという状況から、80 と 20 という数字に着目し、この法則の発見に至りました。
詳細は以下のサイトが参考になります。
緊急度・重要度に対する考え方はパレードの法則の他にも様々ありますが、大切なことはそれをしっかりと意識して仕事に取り組めること。
外部活動を行うことで、緊急度・重要度を意識して仕事を取り組むクセがつくため、それが本業にも活かされていくのだと思います。
■まとめ
✅外部活動を軌道に乗せる秘訣は、事前準備と検索戦略。事前準備の段階で社会資本を強力にしておき、検索戦略を駆使することで、早期に軌道に乗せられる可能性が高くなる。
✅外部活動を行う良い点は、本業を行ううえでの心のゆとりができること。ここでもポイントは、社会資本。外部活動を行うことで社会資本が強力になることが、心のゆとりに繋がる。
✅本業に与える影響は、仕事の効率が上がること。外部活動を行うことで、おのずと緊急度・重要度を意識して仕事を取り組むようになり、結果として本業においても効率良く取り組むことができる。
次回のインタビュー記事もお楽しみに♪