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#186 褒めることの難しさ

「叱るより褒める」「褒めて伸ばそう」など、学校では「褒める」ことが大事にされています。しかし、これがなかなか難しい。どう褒めればいいのか、いつ褒めればいいのか、褒めるだけでいいのか。などなど「褒める」ことに関する悩みはつきません。

なぜ、「褒める」ことは難しいのでしょうか。今回は「褒める」際の注意点を考えてみます。

①同じ褒め方ではやがて刺激にならなくなる。


「褒める」ことは外発的モチベーションになります。つまり刺激なので、褒めることでモチベーションを上げ続けるのは難しいです。また、レベルが上がり褒め続けると、その子に「おごり」が生まれる可能性もあります。

②褒めてもらえないと、自己否定が始まる。

これは褒めてもらうことが目的になっている場合に起きます。○○ができて褒められると、できない場合、褒めてもらえない自分を自己否定することにつながります。(褒めてもらえるまで頑張れる子は大丈夫です。)僕は、頻繁に「見ている」ことを伝えるようにしています。また、褒める場合は複数人の名前を挙げるようにしています。

③的外れな褒め方をすると、かえってやる気をなくす。

まさに、逆効果ですよね。子どもは、「先生は、私をちゃんと見てくれていない」と思います。やる気を失わせるし、関係性を弱めることになります。特に、優秀な子どもは、褒めて欲しいポイントがピンポイントである場合が多いので、ちゃんと観察しないといけません。

④失礼な感じを与えることがある。

基本的に褒める行為は、相手を評価することになります。つまり、上からの目線なのです。だから、悪気がなくても、逆効果になってしまうことがあります。

どうだったでしょうか。「褒める」に含まれている危険性を考えてみました。個人的に一番気を付けているのは、「相手をコントロールする目的で褒めない」です。逆の立場になると分かりやすいと思います。「相手が褒めてくれた、その裏には、自分をコントロールしようとする思惑があった。」なんて嫌ですよね。子どもも同じです。相手をコントロールするために褒めることは、大変に危険です。

では、いつ「褒める」といいのでしょうか。
相手の可能性と存在を心から承認しながら、その上で褒めたいと思う気持ちが自然に出てきたら、その気持ちを自然に言葉にすれば良いのではないでしょうか。そして、結果よるもプロセスを褒めるように習慣づけてみてはどうでしょうか。

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