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『日本の戦後を知るための12人』

本書は、文藝春秋が主催した講義『(夜間授業)池上彰”戦後”に挑んだ10人の日本人』の講義録を元に編集された書籍であり、池上さんならではの論調で、以下12名の功績功罪・社会に与えた影響が記述されています。


(1)題材となる12名

01田中角栄
02江副浩正
03小泉純一郎
04中内功
05渡邉恒雄
06堤清二
07村上世彰
08堀江貴文
09石原慎太郎
10池田大作
11上皇陛下
12美智子様

(2)本書のここが面白い

①なんといっても人選。

本書で取り上げられている方々は、激動の昭和平成において、世の中に広く影響を与えた、毀誉褒貶の激しい著名人ばかりです。
彼らの取り組みは今もなお、(良くも悪くも)日本の社会システムに大きな影響を与えています。

②ポイントをかいつまんで書かれているので、読みやすいし、入り込みやすい。

池上彰さんの著書は読みやすいモノが多いですが、本書も御多分に洩れず、平易な日本語でサラサラと読み進めることができます。
(随所に池上節が出てきますが、これは好き嫌い)

(3)私はここが面白かった

個人的には、池田大作、上皇陛下、美智子様の項が面白かったです。

①池田大作
創価学会や公明党の成り立ち・歴史を知る機会がこれまで無かったので、歴史モノとして面白いかったです。
創価学会のルーツに始まり、どのようにして政治との関わりを持つに至ったのか、そして変遷の中で池田大作という人物は何をし、世の中にどういう影響を与えたのか。
※この記述に宗教的な企図は一切ございません。

②上皇陛下・美智子様
明仁上皇が生前退位される以前、天皇陛下でおられた時代の話が書かれています。
「戦後の天皇、憲法の下の天皇・皇后」としての振る舞いに世間が注目し、時には謂れのないバッシングを受けながらも、海外諸国からもリスペクトされる姿勢を貫いた、お二人のエピソード。
※この記述に思想的な企図は一切ございません。

(4)最後に

昭和平成の日本の中で、大立ち回りを演じてこられた12名のエピソード。
タメになるのもそうですが、読み物として面白い一冊。
サクッと読めるボリュームですので、ぜひ読んでみては。

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