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グーグルが挫折した日(先に行き過ぎて失敗する誤算) 〜GAFA に勝つヒューリスティックな方法は濃厚接触追跡アプリにあった。


こんにちは、雅(雅)です。

グーグル(Google)は、

スマートシティ構想プロジェクトからの撤退

を、5月7日に発表しました。

鳴り物入りで、プロジェクトに参入した2017年から約3年での結論です。

場所は、カナダのトロント市のウォーターフロント地区。

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そこにITをフル活用した未来都市「IDEA」が誕生するはずでした。

撤退の理由のひとつとして、現在のパンデミックの影響を挙げていますが、

実はその前から、うまく行っていなかったとも。

グーグルが、昨年1,524ページにもなるマスタープランを発表したところ、トロント市の再開発当局は拒否反応を示していたのです。


GAFAの何が問題なのか?

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AIの隆盛で、「データは新しい石油である」ともてはやされていたスマートシティ構想なのですが、未だ成功例は出ていません。一体、何が問題なのでしょうか。

GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)と呼ばれる米国の巨大IT企業4社は、AI時代を先取りして、投資に余念がありません。

GAFAが、いち早く自社のWEBサービスで取得したデータを活用して、差別化を強めたことで、逆風が吹き始めたのです。

欧州を中心に「データ」を利用される側のリスクが強調されて、GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)が制定されて2018年5月25日に施行されると、そのリスクが一般に認識されるようになったばかりか、GAFAを訴えて訴訟にまで発展するケースが多発しています。


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その結果、スマートシティ構想についても
住民のデータが、どう扱われるのか
大いなる疑念が生じてしまうことになりました。

結局、不信感を抱いたトロント市とグーグルの溝は埋まらなかったのです。


しかし、ロックアウト中の現在、グーグルとアップルが開発した

「濃厚接触の追跡アプリ」が話題

となっています。
両社の発表によれば、データの匿名化は保たれるとのこと。

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このアプリが歓迎される理由のひとつは、

「ステイホーム」から解放される期待感

です。この期待感が後押ししているのです。

ロックダウンによる在宅ストレスが、
個人情報取り扱いに対する懸念を凌駕しているのです。

2つの相反する反応が教えてくれたこと


それは、アフターコロナの時代のIT開発の重要な視点でした。

『データの匿名性確保』を担保する
クリーンなデータ利用の仕組み』

そして、それに、市民に納得してもらえるのか。

そう。

納得感が、AI開発の成否を分ける

というヒューリスティックな側面なのです。


PS


動画版はこちら👇

caption:「グーグルが挫折した日(先に行き過ぎて失敗する誤算) 〜GAFA に勝つヒューリスティックな方法は濃厚接触追跡アプリにあった。」


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【参照元記事 WIRED】
グーグルがトロントで夢見た「未来都市」の挫折が意味すること



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