【マイクロプラスチック問題】海からマイクロプラスチックが大気に放出していたぞ

マイクロプラスチックの起源と存在が詳細に明らかに

オルデンブルク大学の研究により、海洋から大気中へのマイクロプラスチックの放出が明らかになりました。この新たな研究は、マイクロプラスチック粒子が地球上の最も遠く離れた場所であっても海洋大気中に存在することを示しています。この研究は、オルデンブルク大学のバーバラ・ショルツ=ベッチャー博士を中心に、ドイツとノルウェーの研究者が協力して行われ、北極圏のノルウェー沿岸地域の大気サンプルを調査し、その結果を最近の『Nature Communications』誌に発表しました。

プラスチック汚染の実態

研究の筆頭著者であるイザベル・ゴースマン氏によれば、「今回の研究で、海洋大気中のさまざまな種類のプラスチックの質量負荷に関するデータを初めて発表します」。この研究では、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析法を使用して、大気中のさまざまな種類のプラスチックを同定・定量しました。その結果、ポリエステル粒子が広く存在していることが判明しました。また、タイヤの摩耗粉も大気中に流入する主要なマイクロプラスチックの源の一つであることが確認されました。

遠隔地域でもマイクロプラスチック汚染

この研究は、海洋大気中のタイヤ摩耗粒子を含むマイクロプラスチックの汚染についての貴重な情報を提供しています。また、これらの汚染物質は、人里離れた極地を含むどこにでも存在し、大気中にも広く分布していることを示しています。これまで大気中のマイクロプラスチックについての研究は限られており、その濃度に関する情報はわずかでした。研究チームは、大気中のマイクロプラスチックが海からだけでなく、陸上からも発生していることを示唆しました。海洋から大気中へのプラスチックの移動には、海面からの水しぶきや荒天時に発生する気泡が関与している可能性があります。

マイクロプラスチックの他の発生源

以前の研究では、海洋大気中のマイクロプラスチックの主要な発生源として、船舶に使用される塗料やコーティングが特定されていました。この研究でも、船舶の塗料やコーティングに一般的に使用されるポリウレタンやエポキシ樹脂などの化学物質が大気サンプルから検出されました。

結論

この研究により、海洋から大気中へのマイクロプラスチックの放出が明らかになり、その存在が遠隔地域でも確認されました。これらの発見は、プラスチック汚染の問題をより深く理解し、対策を講じるための基盤となるでしょう。今後の研究が、この種の汚染物質の影響や拡散パターンについてさらに詳細を明らかにし、環境保護に向けた取り組みを支援するでしょう。

ChatGPTより作成


いわゆるマイクロプラスチックとは、5ミリ以下の粒子状態で製造されたプラスチックのことで、肥料のカプセルや、洗顔料、化粧品に含まれているマイクロビーズがそれに当たる。

これらのマイクロプラスチックは一次プラスチックで、ここから紫外線や風波によって、砕けて細かくなったモノが二次マイクロプラスチックになる。このプラスチックが世界の海底に溜まっているとされていて、オーストラリア連邦化学産業研究機構が2017年に実施した調査によると推定1400万トン以上になるという。

これほど堆積しているのなら、海洋の波から大気に散っていくマイクロプラスチックがあってもおかしくない。自分たちが食べている魚の中に含まれており、有害物質が詰まったものを知らずに食べている。

ただ、このマイクロプラスチックが直ちに悪影響を起こしているということはなくて、懸念案件ではある。なるべくなら、プラスチックをとらない方がいいのだけれど、現状プラスチックがないととても生活ができないわけで、マイクロプラスチックを除去するアイディアが求められている。

しかし、1400万トン以上のプラスチックが溜まっているということはある意味資源でもある。低コストですくい上げる方法が待たれるところ。それ以前に、太平洋ゴミベルトもどうにかしなきゃならないですよね。


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