【ウィルスを捕食する生物】ウィルスだけを食べる生命体が初めて発見されたぞ

NHKの朝ドラ「ごちそうさん」で覚えているエピソードがあって、め以子の友人である源太は戦争のショックで命あるものが食べられなくなるという精神的病に陥ってしまう。衰弱して危篤状態になってしまうが、牛乳を口にすることで、命を拾うようになった。いま、おもうと牛乳でもいいけれど、玉子でも良かったんじゃないかなと。だって、玉子は無精卵だから。

だいたい命があるものは、捕食される可能性がある。人間は食物連射の頂点だけれど、強い動物には食べられることだってある。栄養があるから、捕食される対象から逃れられない。

生き物はエネルギーを持って活動しているから、吸収されることで捕食者の糧になってしまう。では、ウィルスはどうなんだろう。


アメリカ、ネブラスカ大学リンカーン校の研究チームは世界中の淡水に生息する微少繊毛虫の一種であるハルテリアが、水中生息環境を共有する感染性クロロウィルスを大量に食べることを突き止めた。

研究チームはウィルス粒子が単に感染源だけで無く、栄養源にもなるという可能性のある秘密を探ってきた。「ビロビリー」とよぶウィルスだけの食事が、生物の生理的成長や個体数の増加を促すのに十分であることを実験で初めて明らかにした。

クロロウィルスはネブラスカ大学のジェームズ・ヴァン・エッテン氏が発見したもので、微細な緑藻類に感染することで知られている。クロロウィルスは宿主を風船のように破裂させ、炭素やそのほかの生命維持に必要な要素を外洋に流出させる。

小さな池にも生息している繊毛虫は1日に10兆個のウィルスを食べていると推定している。研究チームが考えるような規模で起こっているとすれば、地球上の炭素循環の考えが完全に覆る可能性があるという。

うんと小さいけれど、数がべらぼうに多い微生物の世界は、まだその活動をほんの少ししか理解していないのではないかと考えてしまう。
人間や動植物も自分以外にも細菌類が働いてくれて、お互いに生命活動を維持しているのだから、また地球の環境も微生物たちが活動することで絶妙なバランスを持って、保たれていると考えても過言では無いだろう。

人体の働きも新しい知見が得られて、目新しい物質が発見されたりしている。地球の環境もまた、きっと知らない営みがあるにちがいない。それを理解する時ってのは案外失った時かも。というのも、人類の歴史が割とそうやって過ちを犯して、ようやく理解していたりするので。


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