【疲れた眠い理由】肉体疲労で眠くなる原因を突き止めたぞ

疲労が溜まっていくとなんだか眠気がやってくるのは、何だろうなと思いつつも仮眠を取っておくと、なんとかやり過ごせている。でも、疲れるのは何だろうというのは、どうやら脳がそうしているらしい。

脳は刺激を求めているので、単調作業を繰り返していると、脳が飽きてしまって、疲労感を作るという。だから、なるべく飽きないように工夫をすれば、人間はずっと働くことができる。理論的に。

その理論的な働きぶりができる人が一部の天才にいて、寝ないで仕事を続けている人が存在する。手塚治虫は作業風景を映画にして収録していたときに、収録が終わるけれど、この後どうしますか?とスタッフが訪ねたら、この後も仕事しますといったという。

あのころは寝ない自慢をするのが、漫画家のステータスだったそうで、その中で睡眠が大事だと言っていた水木しげるは異端に映っていたんだろう。疲れて眠くなるのは間違いなく体のサインだから。


東京大学大学院理学系研究科と筑波大学の研究グループは、線虫を使った研究により、活発に働いた組織の細胞内の小体という構造に、不良品タンパク質が溜まることが、眠りのトリガーとなることが明らかになるとともに、その際に睡眠を促す分子としてeIF2aαを特定した。

この成果は披露と睡眠の理解を深める大きな知見になり、新たな眠気の制御法や効率的な疲労回復法への応用が期待される。

これまで、たくさん働くと眠くなると言う誰もが経験している現象について、どのように睡眠を引き起こすのがわかっていなかった。

今回の研究では線虫の睡眠を効率よく測定するシステムを開発した。このシステムは約50匹の線虫の睡眠を同時に測定可能で、さらに睡眠の異常を示す個体を容易に回収することができる。

このシステムを使ってランダムに遺伝子を変異させた約6000匹の線虫の睡眠時間を測った。その中から通常の2倍長い睡眠時間を持つ個体を回収して、その原因がsel-11という遺伝子の変異であることを突き止めた。

そして、マウスにこの遺伝子の働きを調べたところ、sel-11の同定遺伝子の働きを阻害したマウスは睡眠が増えることを確認した。

sel-11の機能低下よって不良品タンパク質が増加するとPERKというタンパク質が検出してeIF2αというタンパク質をリン酸化しており、このeIF2αが脳の睡眠中枢に働きかけて、睡眠を促すことを見いだした。

不良品タンパク質が小胞体に多く溜まった状態は小胞体ストレスと呼び、睡眠不足や運動による疲労や、いくつかの疾患で増加することが知られている。今回の研究から、睡眠は疲労や疾患によって全身に溜まった小胞体ストレスを解消するための状態であると考えられている。

今後はこの小胞体ストレスが溜まったときに、eIF2αがどのように脳に働きかけて睡眠を促すのかの解明に取り組んでいくという。

眠れない人にはeIF2αに何かすれば、眠れるようになるのかもしれない。また、眠りたくない人はeIF2αを押さえておけば、いつまでも動けるようになるかも。でも、この状態は絶対よろしくないし、きっと元に戻したときにそのツケを倍以上に支払う羽目になりそうな気がしている。


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