【洞窟一人で1年半】500日間の洞窟生活を送った登山家が帰ってきたぞ

https://www.ljmu.ac.uk/about-us/news/articles/2023/4/21/women-spends-500-days-underground

地獄先生ぬ~べ~という、怪奇妖怪漫画としてよく知られている作品があるけれども、この作品で覚えているのが、一人で洞窟の中に遭難してしまって、孤独に耐えられなくなって、近くにあった遭難者の遺体を反魂の術で話し相手をこさえてしまうと言うもの。

人間はしゃべらないと声の出し方も忘れてしまうそうで、自分は経験したことがないけれども、本当らしい。

暗闇の中で食料も水もあって、なんとか生き抜いていけるけれども、人と話さないで、人間は本当に正気を保っていられるのか。


スペインの南部にある洞窟にベアトリス・フラミニさんは500日間暗闇の中で過ごし、生還した。フラミニさん(当時48歳女性)は70メートルの深さの洞窟の中で運動をし、羊毛の帽子を編み、60冊の本を読み1000リットルの水を飲んでいたという。

彼女のサポートには、アルメリア大学、グラナダ大学、ムルシア大学の科学者チームが監視しており、人が洞窟で一人で過ごした最長記録の世界記録を超えた。


1年半も一人で過ごしており、時間の感覚を忘れてしまったとのこと。サポートチームが迎えに来たときは160-170日しか経っていないと思い込んでおり、期日になっていたことに驚いていたという。

多くの人は太陽が昇り、沈むと日が暮れ、仕事や社会生活が始まると時間が過ぎると感じる。しかし、地下の中では太陽の光が届かないので、時間の経過を示す指標がなかったので、心理的なプロセスに依存するようになっていたのかもしれないという。

フラミニさんが洞窟に入っている間に社会的交流が皆無であったこと、時事問題について情報もなかったので、コロナによってのパンデミックからの社会再開やウクライナ戦争など、全く知るよしもなかった。

フラミニさんは1年半自分以外と誰も話をすることもなかった。2ヶ月後には時間を忘れたという。洞窟内でハエの大群に遭遇したこともあったり、幻聴が聞こえていたこともあったとのこと。

この実験は初めてのことではなくて、1960年代から70年代にかけて、フランスの科学者ミシェル・シフレが2ヶ月から6ヶ月にわたる洞窟探検で同様の体験をしたことが記録されている。

もしも、核シェルターでしばらく生活することになったら、そのような体験をするのかもしれない。ネットが通じていれば、時間の感覚を忘れないだろうけれど、何もかもが断絶された空間で衣食住があるとしても、正気を保っていられるのか。

これは来たるときが来るかもしれない場合に、テストケースとして有益な記録だと考える。しかし、このネットもなく、社会関係性もなく、ただ一人で過ごしているのも、割と幸せに感じるかもしれないと思ってしまう。



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