【仮想敵を作り出す】外来アリだけを攻撃する成分を発見したぞ

たまにスマホでアリのゲームの広告があるんだけれど、どうやら、仲間を増やして合体して、強敵を倒して、餌にして群れを大きくしていく感じらしい。

アリのゲームは覚えている限りだと、シムアントかな。これも、強敵の昆虫をやっつけるとたくさんの食料が手に入る。基本的にアリのすることと言えば、餌を探して戦って、食べられて食べていく。子どもの頃みたいに土を見ることがなくなったので、アリがどこを歩いているのかってのもさっぱりわからない。

むかし、砂糖で敷き詰めたアリの観察キットでアリを生活させた実験があったんだけれど、

ネタバレすると、みんな死んでしまった。どうやら、砂糖に水分が無いため乾燥剤の役割となり、乾燥していたのでアリは脱水症状を起こして、衰弱死してしまったららしい。


奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所矯正科学研究センター、神戸大学理学研究科、京都府立大学生命環境学部、筑波大学、国立臺灣たいわん大学、テルアビブ大学の研究グループはアルゼンチンアリやヒアリなどの侵害性アリに対し、強敵に出会ったようなはげしい忌避行動を促す成分を在来種のアリの体表から発見した。

日本固有の普通種である黒大ありの体表に分泌する全炭化水素成分を合成など、その中から微量に成分として検出される(Z)-9-トリコセンが、アルゼンチンアリやヒアリに対して、安全かつ強力に持続性の高い忌避剤として作用することが割った。

しかも、在来アリにはこのトリコセンによる忌避効果が見られなかったため、外来種だけの侵害性アリを対象に作用することが期待されている。

アルゼンチンアリやヒアリは南米から世界中に生息域を拡大しており、人々の生活や経済活動に多大な被害を及ぼしている。果樹を食べ荒らしたり、攻撃性が高いので、在来種に攻撃したりと生態系にも影響を与えてしまう。

殺虫剤を使えば手っ取り早いけれど、無害な在来種も巻き込んでしまうから、安直に使うわけにも行かなかった。しかし、在来種のクロオオアリが強い忌避性を持って、外来種を排除するようになれば、農薬を使わない多様性の維持にも配慮した防除の実現が期待できる。

農業の悩ましいところが、虫による被害があるわけで、農薬も進歩してきたけれど、在来種まではなかなか配慮が出来ない。在来種が害虫を追っ払ってくれれば、利害一致するのだ。

アリを使った害虫駆除法はよその国でも使われているけれど、さらに使い勝手が良いように運用できたら、もっと便利。

アリなんて、少なければちっぽけなんだけれど、大群は恐ろしい。敵に回したら、恐ろしいやつ。日本では蚊に殺されないけれど、アルゼンチンアリやヒアリが日本中に住み着いてしまったら、アリに殺される人も現れるかもしれない、かな。

#日本の研究

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