【世も末だ、は錯覚】道徳的荒廃は錯覚だったぞ

モラルが低下していると思いますか? この問いに対する答えは、時代や場所によって異なるかもしれません。しかし、心理学者たちは、多くの人々がモラルが低下しているという錯覚に陥っていることを発見しました。この錯覚は、過去の良い思い出と現在の悪いニュースの影響によって生じるものです。

モラルが低下しているという考えは、古代ローマから現代まで、歴史上のさまざまな時期に見られます。しかし、実際には、モラルは一定ではなく、変化するものです。社会や文化によって、モラルの基準や価値は異なります。また、人々は日常生活で道徳的な行動を取ることが多いです。

モラルが低下していると感じることは、自分や他人に対して否定的な影響を与える可能性があります。例えば、モラルが低下していると信じる人は、社会に対する信頼や協力を失うかもしれません。また、モラルが低下しているという認識は、『その幻想的な下落に歯止めをかけると約束する指導者』の魅力を高める可能性があります。しかし、そのような指導者は、実際には社会の問題を解決するのではなく、悪化させるかもしれません。

したがって、モラルが低下しているという錯覚に気づき、それを克服することが重要です。モラルは客観的な事実ではなく、主観的な感情です。私たちは自分自身や他人のモラルを公平に評価することができます。また、私たちは自分や他人のモラルを向上させることもできます。例えば、過去や現在の良い事例を思い出したり、共感や感謝を表したり、正義や平和を促進したりすることです。

モラルが低下していると思うのは自然なことかもしれませんが、それは必ずしも真実ではありません。私たちはモラルについてより深く考えてみる必要があります。

このようなモラルの低下の錯覚は、2つの確立されたバイアスの結果である可能性があるという仮説を検証するために、研究者たちは実験を行いました。

ひとつは「ポリアンナの原理」と呼ばれるもので、人は過去の否定的な出来事や感情を記憶から取り除く傾向があるというものです。

もうひとつは、人は他者に関する否定的な情報に注意を向けやすいというもので、「マスメディアはこの傾向を利用している」と研究者たちは指摘しています。

これらの要因が相互作用することで、過去は美化され、現在は悪化しているという印象が生まれます。

しかし、社会全体ではなく、友人や家族のモラルを評価する場合には、こうしたバイアスは影響しないことがわかりました。

2020年に米国で実施された調査では、回答者の多くが、一般的に人々は2005年よりも親切でなく、正直でなく、道徳的でないと回答しました。

しかし、個人的に知っている人々については、同じ期間にモラルが向上したと回答した人が多かったのです。

このモラル低下の錯覚は「厄介な結果」を引き起こす可能性があると、研究者たちは警告しています。

2015年の世論調査では、米国の回答者の4分の3が、気候変動などの深刻な問題に直面しているにもかかわらず、「国のモラルの崩壊に対処すること」が政府の最優先事項であるべきだと回答しています。

ドナルド・トランプ前米大統領の選挙スローガンを引用して、「モラルが衰退しているという誤った信念は、『アメリカを再び偉大な国にする』という不可能な目標を掲げる指導者」に対する支持を高める可能性があると研究者たちは述べていました。

BingAIで作成


昔はよかったって言う言葉を見ると、多分、その時代がよほど生きやすかった幸せだったんだろうと思う。でも、見ているのはその人個人の経験のうちで、昔も今もモラルの程度はさほど変わっていないだろうと思っていた。

でも、大多数の人が最近はモラルが低い人が増えたと思っているのは、やっぱり世間のモラルが低下しているんだろうかと考えが変わりつつあった。ネットでは悪目立ちするニュースがやたらと出てくるし、胸くそが悪くなるような話も見かけてるわけで、時代は何事も便利になり、合理的になり、効率を求めていくうちに、人を思いやる心を置いてきてしまったのだとやっぱり考えてしまう。

そのむかし、「最近の若い者は」という枕詞が古代エジプトの書にも載っていたという話を聞いて、遙か昔からみんなそう思っていると知る。結局のところ、よほどのことがない限りは国民性は揺らがないし、その国民の価値観と常識で生きている人々は、一定のモラルを持っているんだろう。

とりあえずは気分が落ちるニュースや話、まとめサイトを読むことをやめればいい。それだけで、人心は乱れ、国民は心を失いつつあるという錯覚を感じることが少なくなるだろう。あと、猫の動画とか見てれば、ネットはそこそこ幸せな空間になるはず。


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