これは偉業。脊髄損傷を修復する薬を開発、マウスで成功したぞ

神経は筋肉にくっついていて、電気信号を送ることで筋肉は収縮して、人体は動くことが出来るわけだけれど、脳から背中を通る脊髄神経は損傷をしてしまうとだいたい取り返しがつかなくなる。

背中を打ち付けて、背骨を折ってしまった際に脊髄をこわしてしまうと、半身不随にもなるし、事故によって首に深刻なダメージを受けてしまったら、全身不随と言うことにもなる。

一般的にはこの脊髄神経がやられてしまったら、100%どころか半分戻るかわからないもので、外科的な手術で見た目うまくいったように見えても、神経というのは不思議で元に戻らなかったりすることもままあるわけで。

バイクでツーリングに行く人たちがいるけれども、身の危険を理解しているライダーはプロテクターの入ったライダージャケットを着ていたりする。やはり、背中が大切。背部に張り子のついたものをよく見かける。


アメリカノースウェスタン大学の科学者チームは脊椎損傷のあるマウスの細胞を再生と麻痺を逆転させて、治療から4週間以内に歩くことを可能にした新しい薬を開発。

麻痺の治療は長年の目標であり、研究チームはナノファイバーを使用して、細胞外マトリックスの構造を模倣した。この繊維は人間の髪の毛の約10,000倍ほど細くて、神経再生を促進する信号の伝達するペプチドと呼ばれる数十万の活性分子で構成されている。

実験用のマウスの脊髄を切開してから24時間後に脊髄を取り巻くようにゲルを注入。

4週間後には治療を受けたマウスは切開する前とほぼ同じように歩くことが出来るようになった。軸索と呼ばれるニューロンの切断された部分が再生されて、電気信号の伝達に必要なミエリンと呼ばれる軸索の絶縁層が再形成、しかも、損傷した細胞に栄養素を送る血管も形成されて運動ニューロンが生き残ったという。

おそらく時間のたってしまった損傷は治すことが難しいだろう。損傷から日の浅い状態で身体の治癒段階が活発な状態なら、この薬を最大限に生かせるのではないかと。

跳躍のあるスポーツによる事故や山岳からの転落など、脊髄を損傷して取り返しがつかない後遺症を背負って生きている人がいる。この治療法が人間につかえるようになったら、医療費も削減になるだろうけれど、障害者を背負ってしまった家族の負担も軽くなるんだろうね。



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