【スローモーションにみえる】感情の大きさで周りがゆっくり見えるぞ

交通事故に遭った瞬間にものすごく周りがゆっくり見えていくという感覚になると経験した人の話をたまに聞く。この状態を「タキサイア現象」と呼ばれていて、名前の由来はギリシャ語で「頭の中の速度」という意味。

この現象は「フロー体験」の一部と言われていて、一線にいるアスリートが体験している「ゾーン」でもあるという。

この状態はアスリートだけでも無くて、条件がそろうとふつうの人間でもゾーンに入ることが可能であるという。

一つの目安としてはほどよい難易度と環境が求められるという。難しくても簡単すぎてもいけない。


千葉大学大学院融合理工学府と大学院人文科学研究院の研究チームは、様々な表情画像の観察で生じる感情反応が生じた際に物事がスローモーションに見えるという現象が生じることが改めて確認された。

交通事故の瞬間や高いところから落下する瞬間など、突発的に危険な状況になったとき、物事がスローモーションのように見えたという報告を時々見かける。これまでに研究チームは様々な強度の感情反応や印象を引き起こす写真のデータベースを使った事件で、危険を感じた際に資格の時間精度が上昇する結果を世界で初めて得ていた。

しかし、実験で用いたデーターベースの画像は風景や動物、事件などに関する写真で、危険を感じさせる画像と安全な状態を示す画像との間で画像の色彩の特性が大きく異なっていた。

そのため、画像観察によって喚起された感情では無く、提示された画像の色彩の特性に違いにより視覚の時間精度が変動した可能性が指摘されていた。

今回の研究では、感情喚起のために様々な表情の顔画像を用いた。表情条件感で色彩や輝度の違いは小さいのに、表情によって観察者に多様な感情を喚起できること、怒りの表情画像は危険な画像として感情を喚起することが知られている。

なお、「倒立効果」と呼ばれる特性があって、顔画像には上下反転する表情がわかりにくくなる。顔画像をひっくり返して表情をわかりにくくすることによって、喚起される感情を弱くすることができる。

そこで、条件間の視覚の時間精度の違いが実験参加者の感情反応による効果であるとしたら、逆さまになった表情画像を用いた場合、表情画像間で時間精度の違いがほとんど無くなることが予想された。

男女それぞれ2名の怒り、恐怖、喜びと無表情の顔面画像を用いた。フルカラーの表情条件の顔画像を1秒間表示したあと、数十ミリ秒の範囲で画像の彩度を低下させる。そこで彩度変化が見えた最短時間を計測した。

その結果、怒り、恐怖だけで無く、喜びの表情でも、無表情より短い時間で彩度低下が認識された。しかし、これは逆さまな画像では見られなかった。

つまり、画像の色彩特性では無く、喚起された感情により、視覚の時間精度が上昇するという研究結果を確認したことになった。そして、時間精度の上昇を引き起こすのはネガティブな感情に限定されない。覚醒度が高まるほど視覚の時間精度が高まることが示され、交通事故やアスリートの試合における「ゾーン」という超集中状態によって、スローモーションに見える現象について解明していく一歩になったとのこと。

この「ゾーン」状態にいつでも入れるようになれれば、人類の躍進に大きく進められるだろう。自分もこういう状態になってみたい。ノートの記事を書くにも10分くらいで済ませたいな。


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