【義手が使いづらい】腕におもりをつけて使いづらさの原因解明をするぞ
シグルイという漫画があって、原作の小説は南條範夫の「駿河城御膳試合」は、この漫画の人気によって復刊した経緯もある。
シグルイではその第1試合の「無明逆流れ」が内容を掘り下げて描かれているのだけれど、師匠の敵討ちに藤木源之助は伊良子清玄と真剣での試合、伊良子清玄の繰り出す無明逆流れに左腕を切り飛ばされてしまう。
で、腕を失っても片手で戦おうとする藤木。しかし、藤木が身につけている虎眼流の「流れ」という技は絶妙な身体操法で、高速の剣速に片手で伸ばす広い間合いが特徴。ゆえに、片腕を失った状態ではバランスを崩してしまい、まともに繰り出せなくなってしまった。
腕の重さは普段測ったことが無いし、それほど重さを気にしたことがないだろう。比率でいうと腕の重さは上腕が体重の8%、前腕が6%と言われている。70キロの体重だと、上腕と前腕を合わせて14%。片腕ずつ測れば、7%なので、9.8キロの半分の4.9キロほどになる。およそ5キロ。
およそ5キロだったら、500ミリのペットボトル10本分。これがいきなり無くなったら、しばらくバランスを取れなくて、普通に歩くのも大変になるだろう。
静岡大学総合科学技術研究科板口研究室の研究で技手の使いづらさの原因を解明するために腕におもりをつけた時、その重さが目標とする物体に手を伸ばしつかむ動作(到達把持運動)に与える影響を調べた。
お森により腕の重さが増したあと、数回の到達把持運動をくりかえすと、その運動軌道は高くなることがわかった。腕の重量変化を必要とする義手の使用において、違和感や疲労をもたらしている可能性があるという。
義手に限った話じゃ無いんだろう。機能性を考えなくてはならないし、つけた人の疲労感までは、技術が及びつかないこともあるのではと考える。出来ることなら、元の腕と同じ重量が望ましいんだろうけれど、パーソナルデータを詳細に集めることから始めるだろうし、ひとり1オーダーの特注品になってしまうだろう。
しかし、パラリンピックの競技を見ていると、どうやら、義手義足のカスタムがちゃんと出来ているんだじゃないかなと思う。場合によっては、義足の方が成績がよかったまである。
そのクオリティが、日常で使えるほどに量産できるようになればいい。義手の暮らしが、普通の腕よりも便利にだったと感じるくらいでも。
さすがに手足を失いたくは無いけれど、6本目の指はちょっと使ってみたい。
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