見出し画像

火の人と水の人

執筆:ラボラトリオ研究員  七沢 嶺


火の人はいった。
我が人生、火の如し。どのようなことでも構わない。人生のすべてを賭けてもよいと思えることを見つけよ。金銀や名誉に縛られずに心から熱中できることに邁進せよ。情熱なき人生ほど退屈なものはないだろう。

水の人はいった。
我が人生、水の如し。なにかを成し遂げようと無我夢中に進むことなかれ。力入れずして自然に生きよ。周囲のすべてを受け入れ、自己を変容させながら穏やかに生きよ。調和なき人生ほど退屈なものはないだろう。

ある人はいった。
我が人生、水に映る火の如し。ときに燃え上がる篝火であり、ときに月を湛える池であろう。我々は、天と地を統べるその精神の歌である。


・・・・・・・・・・

【七沢 嶺 プロフィール】
祖父が脚本を手掛けていた甲府放送児童劇団にて、兄・畑野慶とともに小学二年からの六年間、週末は演劇に親しむ。
地元山梨の工学部を卒業後、農業、重機操縦者、運転手、看護師、調理師、技術者と様々な仕事を経験する。
現在、neten株式会社の技術屋事務として業務を行う傍ら文学の道を志す。専攻は短詩型文学(俳句・短歌)。

この記事は素晴らしい!面白い!と感じましたら、サポートをいただけますと幸いです。いただいたサポートはParoleの活動費に充てさせていただきます。