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終の住処構想〜誰もが誰かの役に立てる社会に〜

執筆:ラボラトリオ研究員 紺嶋 由起

孤独死する男性は、女性の3〜4倍といわれている。

中には妻の死後、セルフネグレクト状態になり、ゴミの山の中で死んでしまう人もいるそうだ。

私は結婚したこともないので、その悲しみや苦しみは想像もつかないが。

また、引きこもり問題も、社会から否定された気がして社会と関わりを持つのを怖いという気持ちから、引きこもりになる人も多くいる。

人が生きる気力を失うのは、

「自分は誰か一人のためにだけでも、役に立てていない」

と思った時ではないだろうか?

それはまだ親の手が必要な幼い子どもでも、リタイア後不自由なく暮らしている老人でも、今誰かの役に立っていたいものなのではないだろうか。

終の住処を考えた時、「老後、お金や介護の心配なく暮らせる」だけでは、おそらく我々は満足しない。

多少の問題を抱えながらも、誰かの為に役に立っている実感を伴った「生」である必要があると感じている。

「終の住処」とは、

・和の叡智とテクノロジーを統合した新たな社会創造

・生涯にわたり衣食住の心配がない

・病苦の解消

・老後不安の解消

・死に関する不安の解消

・シェアリングエコノミーによる循環型社会の実現

・子育シェア、介護シェアのある社会創り

・エネルギー問題の解消

・和の叡智を学び、体得できる施設の拡充

neten 終の住処構想のフェイスブックはこちら

ということが掲げられている。

衣食住を保証されたら、人は働かなくなるのだろうか。

困っている人に手を差し伸べることすらしなくなるだろうか。

ここで「誰かの役に立ちたい」という性質を利用して、コミュニケーションアプリでグループを作り、

「車椅子を押して欲しい」

「お風呂に入っている間子どもを見てほしい」

「街に行くけどついでに何か買ってきて欲しい人いませんか?」

「注射が怖いので誰かついてきてくれませんか?」

という、日々のちょっとしたお願い事をコミュニティ全体に発信できるようにする。

とはいえ、無償では頼みにくいこともあると思うので、

コミュニティで使える、”仮想通貨” を発行しておくというのもいいと思う。

コミュニティ全体が、直接の生産性にかかわらず労働力を割けられる状態が好ましい。

というのも、衣食住が保証された社会では生産性は不要になる。

得意でやりたいことをそれぞれが発揮できて、それがもう一方では苦手でやりたくない人の助けになれば、それこそがイソノミヤ社会であると思う。

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【紺嶋 由起 プロフィール】

neten株式会社デザインチームに在籍。

20代半ばから終の住処に思いを馳せている。



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